原題:Invincible

2001年ヴェネツィア映画祭出品作品

2001年/ドイツ=イギリス/カラー/130分/ビスタサイズ/ドルビーデジタル/ 配給:東北新社

2004年04月23日よりDVDリリース 2004年04月30日よりビデオリリース 2003年5月24日より銀座テアトルシネマにて公開

(C)2001 Werner Herzog Filmproduktion / TATFILM / Little Bird / Film Four

公開初日 2003/05/24

配給会社名 0051

公開日メモ '30年代初頭、ベルリンのヴァリエテ界に“無敵の男”としてセンセーションを巻き起こしたジッシェ・ブレイトバルトの数奇な運命を描くトゥルーストーリー。ニュー・ジャマン・シネマの鬼才ヴェルナー・ヘルツォーク監督最新作。

解説


混沌、狂気、奇異、デビュー以来、従来の映画作法や教則を打ち破り、数々の気迫溢れる作品を世に送り出してきた巨匠ヴェルナー・ヘルツォーク。ドキュメンタリー作品以外では10年ぶりとなる待望の新作は、揮身の力を込めて丁寧に創り上げた一大叙事詩として完成を迎えた。また本作は実話を基に描かれており、ヴェネチア国際映画祭でも“新しいヘルツォーク”として喝采を浴びたことも記憶に新しい。

1932年、ナチス台頭下のベルリン。ヴァリエテ界に彗星のごとく現れた二人の男。ヒトラーの千里眼として頭角を現したハヌッセンと、現代のサムソンとなるべく命を受けたユダヤ人鍛冶屋の心優しい青年ジシェ。この二人の“無敵の男”は導かれるように出会い、時代の流れに翻弄され、歴史の大きな渦に巻き込まれていく…
二つの世界大戦でゆれる時代、ヒトラーと同じ年に同じオーストリアに生まれ、その千里眼でヒトラー政権獲得を予言し、地位や名声をほしいままにしたハヌッセンは実在の人物。巨大な歴史の流れに翻弄される彼の人生を描くことにより、ヒトラーの狂気によってもたらされたヨーロッパの悲劇までも浮き彫りにした。
このハヌッセン役には、ヘルツォーク監督が絶大な信頼を寄せるティム・ロスを抜擢。他の主要キャストについては、リアリティを追求すべく、敢えて役者としてのキャリアが全くない二人を抜擢したジシェ役には、重量挙げの様々な“Strongman”コンテストに出場し、その他の競技でも大会記録を打ち立てた屈強な男、ヨウコ・アホラ。プロ・ピアニストのアンナ・ゴラーリに関しては「あなたから“ノー”の返事は聞きたくない」という熱烈なオファーで説き伏せた。そして音楽に、ハリウッドの第一線で活躍するハンス・ジマーを起用。その壮大なスコアは作品に深みを与え、全編を盛り上げている。

偽らなければ生きられない男と、現代のサムソンとなるべき使命を受けた男…
“無敵の男”としてセンセーションを巻き起こした彼らの生きざまを描いた真実の物語

ストーリー


この物語は真実を基に描かれている。
1932年、ポーランド東部の小さな町。インフレ、失業、ストライキ、クーデター未遂、銀行倒産など“不安な時代”の空気が漂う中、鍛冶屋を営むポーランド系ユダヤ人のプレイトバート家。長男・ジシェ(ヨウコ・アホラ)は、家族思いで実直な青年。勉強好きな9歳の弟・ベンジャミンとレストランで食事中、ユダヤ人であることを椰楡されたことに耐えられず、弟をかばうようにして乱闘騒ぎを起こしてしまう。弁償できない彼に、店主はサーカスの賞金稼ぎを薦める。「世界一の力持ち」の男に勝てば賞金を獲得出来るという単純なショー。ジシェは弁償するために嫌々ながら挑戦するもののあっけなく勝利し、その怪力を認められベルリンのヴァリエテ界ヘスカウトされた。「見世物はユダヤ人にとって悪の行為」と気は進まないものの、慎ましく暮らす家族を支えるため単身ベルリンへ乗り込む。

彼の雇い主はエリク・ヤン・ハヌッセン(ティム・ロス)。彼の野望はヒトラー政権下で重要なポストに就くことだ。
“神秘(オカルト)の館”で夜ごとに繰り広げられる華麗なショー…ハヌッセンによる読心術や催眠術などの“宇宙の予言”で政権を操り、人心までも煽る。それだけではなく、手品、コンサート、そして“シークフリーと”という英雄の名を芸名にしたジシェによる“力自慢”。強いものが全てであることを象徴するこの時代。観客の大半を占める映画スターや国家社会党員、屈強な兵隊達は、ジシェの怪力を“無敵”と絶賛した。その一方で、ユダヤ人であるジシェは本当の自分と、英雄“シークフリード”としての自分と葛藤し始める。ジシェの母親と弟が彼の舞台を訪れたある日、彼は自分の素性を明らかにする意思を固める。ステージでユダヤ人であることを告白した彼は、大観客から罵倒されたが、翌日からジシェの舞台は「現代のサムソン」と話題を呼び、大行列が出来るほどの反響を呼ぶことになる。
時を同じくして、ハヌッセンもオカルト省への入閣がほぼ決定的となる。
ジシェはハヌッセンの屋敷で同居しているピアニストの女性・マルタ(アンナ・ゴラーリ)に憧れを抱いていた。彼女はまさに夢で見た女性だったからだ。彼の生活の中に、心穏かな時間が訪れるようになる。

ヒトラーの力が大きくなるにつれて、ユダヤ人排斥運動も日ごとに激しさを増していった。彼らの運命は、大きな歴史の流れの渦に巻き込まれてゆく。驚くべきことに、身分を偽っていたハヌッセンの真実が明らかとなる。偽らなければ牛きていけない、悲しい男。その悲しみを誰にも知らせることなく、野望達成直前に彼はその生涯を終わらせる。“神秘(オカルト)の館”の宴も終わり、帰郷することを決意したジシェ。フル・オーケストラで「ベートーヴェン/ピアノソナタ3番−第2楽章」を演奏するマルタ。感情を秘めた演奏に、ジシェは最愛の女性・マルタとの別離の悲しみを実感する。
町に帰ったジシェは使命感を胸に、民衆にこれから迫りくるナチスの脅威とユダヤの行末を呼びかけるが、誰も相手にはしてくれなかった。

各時代ごとに36人のユダヤ人が生まれる
世の苦しみを担わせるべく神が選んだ“正しき者”
殉教の恩恵が与えられている
そうとは自分で気づかずに一生を終える者の哀れ
彼らが天に召されると
凍てついた魂を神がl000年間その御手で温めねばならない
そしてやっと花開く
彼らの何人かは背負った苦しみがあまりに重すぎて
神でさえ魂を温めてやれない…

ハヌッセンは今も歴史の中で名が語り継がれ、ジシェはユダヤの物語や歌の中に生きている。

スタッフ

監督・脚本:ヴェルナー・ヘルツォーク
音楽:ハンス・ジマー、クラウス・バデルト
撮影:ぺーター・ツァイトリンガー
襲作主任:ウルリッヒ・ベルクフェルダー
衣装:ジェニー・テミム
編集:ジョー・ビニ
エグゼクティブ・プロデューサー:ジェームズ・ミッチェル
                ルッキー・シュティペティク
プロデューサー:ゲーリー・パート、ヴェルナー・ヘルツォーク
        クリステイン・ルパート

キャスト

ハヌッセン:ティム・ロス
プレイトバート:ヨウコ・アホラ
マルタ:アンナ・ゴラーリ
司会者:マックス・ラーベ
ベンジヤミン:ヤコプ・ウェイン
ヘルドルフ伯爵:ウド・キアー

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