原題:RED SIREN

リュック・ベツソンの秘密兵器、 オリヴィエ・メガトン監督が描く新感覚映像のサスペンス&アクション 男にとって少女は 赤い妖精(レッド・サイレン)だった——

2002年/フランス(英語オリジナル)/シネスコ/ドルビーSRD/118min 提供:コムストック、パイオニアLDC、レントラックジャパン 配給:コムストック

2003年10月4日よりシネマスクエアとうきゅうにてロードショー公開

公開初日 2003/10/04

配給会社名 0028

解説


12歳の少女が母親の元から持ち出した1枚のdvd。そこにはショッキングな殺人が描かれていた。少女は警察に行き、女刑事に助けを求めたが、権力とつながりのある母親から逃げることができないことを知った少女は、逃げる途中に出会った一人の傭兵に助けを求め、死んだとされている父親のいるポルトガルへ向かう。だが、母親は殺し屋たちを放ち、二人の後を追わせていた……
『レッド・サイレン』は、母親の犯罪を密告したことで始まる娘の逃避行、そして心に傷を持つ元傭兵との旅を描きながら、母と娘のあまりにも残酷な関係を描いたサスペンス&アクション映画である。モーリス・G・ダンテックの小説“LA SIRENE ROUGE”を映画化した本作は、原作が持つフランス古典伝承話“黒ずきんちゃん”やグリム童話における“白雪姫”のような残酷な物語のベースをうまく表現し、血を分けた実の娘を執勘に追う、まるで魔女のような母親の姿を見事に浮かべ上がらせた。そんな親子の対決に巻き込まれる一人の男は、偶然に助けたことで過去に戦場で少年を誤殺してしまった心の傷を癒すかのように、それを十字架として背負いながら危険な逃避行の戦いに飛び込んでいく。12才という多感な年齢の少女をカで抑えつけようとする母親、そして少女を守ろうとする孤独な傭兵という関係は、溺愛、過保護、虐待、そして気薄となった人間関係で悩む現代社会の病巣を見事にとらえているといえよう。また、権力とつながりのある母親のバックグラウンドは、人身売買や臓器売買、スナッフビデオといった凶悪な犯罪を起しヨーロッパで問題になっているユーロ・マフィアの存在を描き出している。
本作を監督したのは、リュック・ベツソン提供の『EXlT イグジット』で鮮烈な長編デビューを飾ったオリヴィエ・メガトン。ドキュメンタリーやMTVのビデオクリップで世界的にその力量を認められた彼は、原作を読んですぐに映画化したいと希望し、争奪戦の末に獲得。7年の年月をかけて映画化にこぎつけた。人間の深層心理にあるやさしさと残酷さを見事に描き出し、彼独特の映像感覚の中に、残酷さとスピード感溢れるスタイリッシュな美しさを巧みに織り混ぜ、独特の世界観を作り上げた。そして、アクション映画史上でも特筆すべきクライマックスの壮絶な銃撃シーンの撮影は3週間にもおよび、リアリティ溢れるすさまじい迫力となって完成された。
主演には、『グラン・ブルー』でおなじみのフランスのスター、ジャン=マルク・バール。また、イタリアを代表する若手女優『トリプルX』のアーシア・アルジェント、今回映画初出演ながら重要な役で抜擢されたポルトガル出身のラッキーガール、アレクサンドラ・ネグラオ、イギリスで活躍する個性派女優で今回強烈な母親を演じた『スティル・クレイジー』のフランセス・バーバー、『ファム・ファタール』のエドゥアール・モントウートと、ヨーロッパの各国から選ばれた俳優たちが共演している。
本作はフランス映画ながら全編英語で収録されており、世界的なマーケットを狙ったユーロ・ムービーにまた注目の一本が誕生した。

ストーリー


森の中に逃げ込んだ“白雪姫”のように、母親に追われる12歳の少女。
彼女の恐ろしい童話は一枚のDVDから始まった。

東欧の戦争が終わった頃のパリ、警察に12歳の少女アリス(アレクサンドラ・ネグラオ)が1枚のDVDを手に現れた。アニータ警部補(アーシア・アルジェント)に会いたいと言うアリスは、彼女に自分の母親のエバ(フランセス・バーバー)がメイドを殺し、その殺害映像がDVDの中に収められているという。アニータがその映像を見るとそこには残虐な殺人シーンが映し出されていた。
本物の殺人だと確信するアニータだったが、上司は証拠がないかぎり深入りするなと言う。エバは多くの会社を持つ大富豪で政界や役人にも深いつながりがあり、武器商人でもあった。アニータは上司の言葉を無視してエバの家を家宅捜査するが、それがエバに知られることとなり、彼女はアリスを引き取りに警察へ現れる。警察に保護されると思っていたアリスは母親の元へ戻されることを恐れ、エバの部下が引き取りにきた時、アリスはトイレから逃げ出す。追う部下たちを巻こうと逃げるアリスはある一台の車に身を隠した。その車の持ち主はヒューゴー(ジャン=マルク・バール)。彼は“自由の鐘”という反ファシストの元傭兵であり、戦争の時に誤って8歳の子供を射殺したことで心に大きな傷を残していた。そのため彼は必死に助けを求めるアリスを連れ、傭兵仲間のビターリ(ヴァーノン・ドブチェフ)から援助を受けて町を出る。そしてアリスが3年前に生き別れとなっている父トラビス(ヨハン・レイセン)がいるポリトガルへ向かった。
アリスを取り逃がした部下たちに激怒するエバは、ビジネスパートナーのケスラー(アンドルー・ティアナン)の力で、ボンド大佐(カルロ・ブラント)率いる殺し屋たちを使い、アリスを追わせる。一方、アニータは上司からアリスが何者かとポルトガルに向かい、その後をエバも追ったことを聞き、ポルトガルへ向かう。
アリスとヒューゴーは車の旅を続けながら、ひと時のやすらぎを得ていた。ポルトガルに到着し、アリスが持つ父親からの葉書に記されていた住所に向かう。だが、そこには殺し屋が待ち受けていたが、ヒューゴーは難なく倒す。その間アリスは郵便受けから何か書かれた紙を見つけるが、ヒューゴーには何も言わずに隠す。そんな二人の姿を最初の任務で失敗したエバの部下ソルバン(フランソワ・ルヴァンタル)が見張っていた。
ポルトガルへ着いたアニータは、地元の刑事オリベイラ(エドゥアール・モントゥート)に案内されトラビスの友人の殺害現場に向かう。その残忍な殺され方を見てアニ一夕はエバの仕業と確信するが、とりあえず休むためにホテルに入る。だが、そのホテルにはアリスとヒューゴーもチェックインしており、彼らを狙うボンド大佐の殺し屋一味が急襲する。一味の動きを察知したヒューゴーは暗闇の中、銃撃戦を繰り広げ相手を全滅させる。二人は逃げようとするが、そこで腕に傷を負ったアニータと出会い、3人は教会へ逃げ込む。
翌日、ヒューゴーとアニータが目を覚ますとアリスの姿はなく、置手紙があった。二人はアリスが父親に会いたいがために自分たちを利用したと理解する。そしてヒューゴーは彼女の持っていた絵葉書をヒントに、アリスが向かった場所へ向かう。バスに乗ったアリスは目的地に着き、晴れて父トラビスと再会した。だが、そこにはアリスをつけていたソルバンが現れる。ヒューゴーとアニータもトラビスの居所を探し当てるが、銃を突きつけられ、アリスたちと一緒に閉じ込められてしまう。そこへ連絡を受けたエバが現れ、アリスを無理やり連れて行く。残った3人を殺すように言われたボンド大佐は油を撒き、火をつけた。だが、そこへ部屋から脱出したヒューゴーが現れ、二人は戦う。
一方、母親に連れ戻されそうになったアリスは、母親の拳銃を握り彼女に銃口を向ける。それを見てうれしそうにするエバ。「あなたは私のあとを継がなければならない血を分けた娘。私を殺せるならこんなうれしいことはない。殺人本能は一部のエリートのもの。いっかあなたにも備わるわ。」アリスは銃を持ってヒューゴーの元へ向かった。そこに建物から出てきたアニータとトラビスの姿が。大爆発とともに建物はこっぱ微塵となり、呆然と見る3人。そこヘアリスを追ってエバがやってきた!アリスはエバに向かってトリガーを引いた……

スタッフ

製作:キャロル・スコッタ、シモン・アルナル
監督:オリヴィエ・メガトン
脚本:ノーマン・スピンラッド、ロブ・コンラス
   アラン・ベルリネール、オリヴィエ・メガトン
撮影:ドニ・ルーダン
原作:モーリス・G・ダンテック“LA SIRENE ROUGE”
録音:パスカル・アルマン
編集:ヤン・エルヴェ
音声編集:アレクサンドル・ウィドメル
衣裳:イザベル・フレイス

キャスト

ヒューゴー:ジャン=マルク・バール
アニータ警部補:アーシア・アルジェント
エバ:フランセス・バーバー
アリス:アレクサンドラ・ネグラオ
ケスラー:アンドルー・ティアナン
トラピス:ヨハン・レイセン
ビターリ:ヴァーノン・ドブチェフ
ボンド大佐:カルロ・ブラント
オリベイラ:エドゥアール・モントゥート
ソルパン:フランソワ・ルヴァンタル

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