WISHMASTER／リダックス

『スクリーム』シリーズで全世界に絶叫を振りまいたウエス・クレイヴンが創造したホラー・ヒーロー、夢から誕生した恐怖の悪魔ウィッシュマスター蘇生。奴が全ての願いをかなえた時、この世は地獄と化す…。『エルム街の悪夢』のフレディに匹敵する残虐非道ぶりに全米驚愕。大ヒットの前２作を凌駕するショック！ＶＦＸメイクとＣＧ効果で鬼気迫るスプラッター・ホラー君臨。『ブレア・ウィッチ・プロジェクト』『シックス・センス』のアーチザン・エンタテインメントが全米配給した話題作！

【チェック・ポイント！】

　ピーター・アトキンスが生み出したオリジナル脚本を、ＫＮＢエフェクトの筆頭Ｋことロバート・カーツマンが監督し、その製作をウェス・クレィヴンが支えたオカルト・スプラッター映画『ウィッシュマスター』のシリーズ最新作が本作だ。先に挙げた３人のオリジナル・スタッフのうちクレジットに名を留めているのは、前作の『WISHMASTER／リダックス』でもキャラクター原案としてクレジットされていたＰ・アトキンスのみで、物語の展開もこれまでは宝石鑑定人であるヒロインとの戦いを主軸にした１作、強盗の手により復活させられたウィッシュマスター＝魔神が、刑務所でカジノで大暴れする２作と、一風変わった舞台設定だったものから一変し、遺跡で発掘され大学の研究室に持ち込まれた宝石箱の中に入っていたルビーから魔神が復活し学園が血で染まるという、典型的なティーン・エイジ・スプラッター・シリーズとして生まれ変わった。
　前作までは、そのあばた顔が素顔でも迫力のアンドリュー・ディヴォフが、魔神形態＆人間形態を魅力的な二役で演じていたタイトル・ロールだが、本作では魔神形態を『ダークマン３』のジョン・ノバックが、そして破滅させた上でその姿を乗っ取られた大学教授には、元祖００７ショーンの実子であり『スパイメーカー』(90)などに主演しているジェイソン・コネリーが扮している。これまでの、ディヴォフのふてぶてしい迫力に比べると今回の作品では、気持ちキャラクターが弱い感を受けないこともないのだけれど、今後さらにシリーズを展開させていくことを考えると、人間形態の時にヴァラエティを持たせられる二人一役形式は新たな可能性を見出したともいえそうだ。なお、既に本作を監督したクリス・エンジェルの続投で、第４弾『WISHMASTER4 THE PROPHECY FULFILLED』も製作に入ったとのこと。息の長いシリーズになることを期待したい。また、ティーンエイジ・スプラッターのお楽しみともいうべきヒロイン役として、昨年本欄で紹介した『ＲＩＰＰＥＲ 地獄からの手紙』のＡ・Ｊ・クックが登場。劇場未公開系スクリーム・ヒロインとして、今後も道を究めてくれる(笑）のが楽しみ。
　スプラッター場面に関して言えば、女子大生のときめくハートが爆発しちゃう場面等は、もっとベタに描いてくれてもよかった感じだが、かまきり方式に食べられちゃうジェイソン・コネリーの図などそれなりに見所が満載だ。
（殿井君人）