故郷を守るため戦った「アテルイ」が、1200年の時を超え、今スクリーンによみがえる!

2002年/日本/ 配給:シネマとうほく

2002年8月5日より岩手県内で先行上映

(C)長編アニメーション「アテルイ」製作委員会

公開初日 2002/08/05

配給会社名 0270

解説


8世紀、古代東北に暮らす人たちは遠く縄文の昔から受け継いだ自然界と心通わせながら、豊かで平和なくらしをつくりあげていました。しかし、近畿に支配を広げた大和朝廷は、豊かな北の地を求めこれを支配するため強大な侵攻の軍勢を送ってきたのです。これに対して、自らの故郷と家族を守るため敢然と闘いを挑んだのが「アテルイ」とその勇者達です。このアニメーション映画は、彼らに光をあて、現代のスクリーンにその姿をよみがえらせ、これを通して21世紀を生きる子どもたちの心に自ら生まれ育った地域に対する誇りを語り伝えようと企画されました。製作にあたっては製作、上映を岩手県民運動として受け止め、岩手の地からこの映画を創り上げ全国に発信しようと長編アニメ「アテルイ」製作上映運動推進岩手県民の会が作られ、シナリオ作り、製作資金集め、声優オーディションなどに参加、文字通り県民総参加の運動で完成させた作品です。

ストーリー


物語は現代の岩手県水沢市から始まる。

東京から転校してきた小学生の岡崎飛人は、初登校の日に学校に行かず、逃げ出してしまう。東京の学校でいじめにあった飛人は、新しい学校でもいじめられるのではないかと恐かったのだ。追ってくる両親から逃げようとした飛人は、足を滑らせ、雨で増水した北上川に転落して、意識を失ってしまう。

そして飛人が目覚めると、そこはうっそうとしたブナ林に囲まれた、見たこともない場所だった。飛人は今から1200前の昔の世界にタイムスリップしていたのだ。

林の中で大イノシシに襲われた飛人は、一人の精悍な若者に助けられる。それは、エミシの族長、アテルイだった。

行くあてのない飛人を、アテルイは自分の村へ連れて帰る。日高見川(昔の北上川)の近くのアテルイの村で、飛人は村の少女ララカの家族と一緒に暮らすことになった。そんな飛人に、村の大巫女アマババは「お前がここに来たのは意味がある」と謎の言葉をかける。

ララカや村の人々の親切に触れ、だんだんエミシの生活に溶け込み始めた飛人だったが、ララカに憧れる村の少年コムイの仲間たちは、飛人が大和の手先ではないかと疑いを持つ。

その頃、大和朝廷は東北地方の支配のために軍隊を送り、大和に従わないエミシの村々に焼き討ちをかけたり、収穫物の略奪や非道な行いをしていた。大勢のエミシの人々が殺され、仕方なく大和に従った者も“俘囚(ふしゅう)”として重い税や労役に苦しめられていたのだ。

そんなある日、飛人とコムイは近くのエミシ村が大和兵の焼き討ちにあっているところに出くわす。あやうく兵士の剣にかかって斬られそうになったコムイを、飛人は身を挺して守り、それがきっかけで二人の間に友情が芽生える。

しかし、アテルイ達の土地を奪おうとする大和軍は、789年(延暦8年)、遂に5万もの大軍で総攻撃をしかけてくる。アテルイの親友モレをはじめとする近隣の村々の族長達は、先祖代々暮らしてきたエミシの土地を、北の大地を守るために、アテルイとともに立ち上がる。

エミシの連合軍は巣伏山の頂きに集結し、総大将に選ばれたアテルイは、大和軍との壮絶な決戦に臨むのだった。

スタッフ

監督:出崎 哲
プロデューサー:鳥居明夫、小室晧充、出崎哲
美術監督:小林七郎
撮影:岡崎英夫
編集:宮城重夫
音楽:中島優貴
アニメーション演出:棚橋一徳
キャラクターデザイン、絵コンテ:四分一節子

キャスト

アテルイ:大友康平
アマババ:長岡輝子
ララカ:桑島法子
岡崎飛人:日下ちひろ
モレ:平野正人
朴葉の仮面の男:ザ・グレート・サスケ
飛人の父:あんべ光俊
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