原題:ALI

立ち上げれ。魂に嘘はつけない。 真実を求め、自分であるために闘い続けた男、モハメド・アリ。 その不滅の生き方を描く感動の人間ドラマ。

本年度アカデミー賞ノミネート(主演男優賞、助演男優賞) 2001年ゴールデン・グローブ賞ノミネート(主演男優賞、助演男優賞、音楽賞) 2001年イメージアワード4部門ノミネート(作品賞、主演男優賞、助演男優賞、助演女優賞) 2001年BFCA賞作品賞ノミネート

2001年12月15日全米初公開

2001年/アメリカ/カラー/157分/スコープサイズ/DTS / Dolby Digital / SDDS 配給:松竹、日本ヘラルド映画

2007年11月28日よりDVDリリース 2002年10月25日よりDVD発売&レンタル開始 2002年10月25日よりビデオ発売&レンタル開始 2002年5月25日より丸の内ピカデリー1ほか全国松竹・東急系にてロードショー

公開初日 2002/05/25

配給会社名 0003/0058

公開日メモ 立ち上げれ。魂に嘘はつけない。真実を求め、自分であるために闘い続けた男、モハメド・アリ。その不滅の生き方を描く感動の人間ドラマ。

解説


生涯に数多くの逸話を残す伝説のボクサーにして、20世紀を代表するカリスマ・アスリート、モハメド・アリ。通算61戦56勝37K05敗という圧倒的な強さ、“蝶のように舞い、蜂のように刺す”と言われたリングでの軽やかなフットワークで、世界ヘビー級チャンピオンとして不動の地位を築く一方、突然の改名とブラック・ムスリムヘの信仰、ベトナム戦争への徴兵拒否、“元祖ラッパー”と賞される喋りと詩など、彼の生き方そのものが、当時のマスコミを騒がせ、社会を揺さぶった。
本作は、そんな数々のエピソードに彩られた伝説の男が、1964年若くして世界ヘビー級チャンピオンのタイトルを獲得する日から、1974年“キンシャサの奇跡”と呼ばれる伝説のタイトル・マッチに挑むまでの10年間の魂の軌跡を力強く描く感動の人間ドラマである。
1964年、ソニー・リストンを破り、弱冠22歳の若さで世界ヘビー級チャンピオンとなった青年カシアス・クレイは、タイトルを獲得した翌日突然、黒人イスラム教団体「ネイション・オブ・イスラム」へ入信し「モハメド・アリ」(賞賛されるべき人)に改名すると発表し、世間に驚愕と反発を与える。
「俺はみんなのチャンピオンになるつもりだ。でも君らの望む人間になる必要はない。自分がなりたい自分になるんだ。俺が何をどう考えようと自由なんだ!」圧倒的な強さと勢いで、9回の防衛に成功し、美しいソンジーと結婚、未来は順風満帆に思えた。しかし、自らの信条からベトナム戦争への徴兵を拒否してアメリカ国家への反逆罪で起訴されたアリは、チャンピオンの地位を剥奪され試合に出場することさえ禁じられ、ボクサーとして最も充実した時間を奪われてしまう。
無駄に過ぎていく日々。社会的地位が失われると同時に彼のもとから去っていく人々。有罪判決を覆そうと闘い続け、ようやくチャンスが再び訪れた時、時の流れは無情にも彼の卓越した力を奪い去ってい々しかし、アリはあきらめなかった。かつての自分のように無敵を誇る若きチャンピオン、ジョージ・フォアマンと対戦するため、アリはザイールのキンシャサへ向かう。今度こそ自分の王冠を取り戻す為に、そして真実を示すために……。
マイケル・マン監督は語る。「私はこの映画をアリのドキュメンタリー・ドラマや理想化した偶像物語として語ることに興味はなかった。アリを歴史的人物として理想化することは彼の人間性を減じることだ。それは、彼の人間らしい矛盾や過ち、更にひとりの人間として彼を秀だたせている真の勇気や献身までをも彼から奪い取ることになるからだ。」何故アリが今もなお20世紀を代表するヒーローと賞されるのか。
ボクサーとしての華麗な略歴からは決して計り得ない、アリの人生の根底に流れる深い思いをマン監督は感傷には流されず、確かな手腕で描ききった。それは皆が知っている、無敵のカリスマ・ボクサーの伝記ではない。時代に翻弄されながらも、自らの手で運命を切り開いていくひとりの男の栄光と挫折、そして復活への物語であり、どんな逆境にも決して屈さぬ自由で強靭な魂の軌跡なのだ。そこには、真実のみが描きだすことの出来る心ふるわせる感動があり、時代を越えて今に生きるものの胸をも熱くさせずにはいられない!
モハメド・アリを演じるのは「メン・イン・ブラック」「インディペンデンス・デイ」に主演し、現在黒人スターとして唯一2000万ドルを稼ぐスターとなったウィル・スミス。彼は撮影に入る前のほぼ1年かけてアリの話し方や癖、特徴を研究すると同時に、肉体的なトレーニングを重ねて20kg近く体重を増量、臨場感あふれるボクシング・シーンでは一切スタントを使わず、激しい撮影に臨んだ。その迫真の演技に全米では話題騒然、本年度アカデミー賞主演男優賞にノミネートされた。

ストーリー


どんな試合でも誰かが勝って誰かが負ける。人生もそうだ。勝利の時もあれば、失意の時もある。
それでも再び立ち上がる。自分自身でありつづける為に・・・。

 1964年2月26日、マイアミ・コンベンション・センター。カシアス・クレイ(ウィル・スミス)はヘビー級チャンピオン、ソニー・リストンを破り新しいチャンピオンとなった。「俺は最も偉大だ」と明言し、「蝶のように舞い、蜂のように刺す」と自身のボクシング・スタイルを誇る弱冠22歳の若きチャンピオン。
人種差別が色濃く残る南部の町・ルイヴィルで、看板の絵描きの息子として生まれた彼は、名トレーナー、アンジェロ・ダンディ(ロン・シルバー)の指導の下で、ボクサーとしての頭角を現わしてきた。
 その傲慢とも思える発言で世間を騒がせていたカシアスは、チャンピオンになった翌日、黒人イスラム教団体「ネイション・オブ・イスラム」への入信を発表する。指導者イライジャ・モハメドより授けられた“賞賛に値する人”を意味する新しい名前「モハメド・アリ」への改名は、社会に衝撃を与える。殺到するマスコミに、彼はクールに言い放つ。「俺はみんなのチャンピオンになるつもりだ。でも君たちの望む人間になる必要はない。なりたい自分になるんだ。俺が何をどう考えようと自由だ。」
 アリにとって、ネイション・オブ・イスラム内で頭角を現す若き指導者マルコムX(マリオ・バン・ピーブルス)は良き相談相手であり、信頼できる兄のような存在だった。「時間は何も解決しない。君たちが社会を変えない限り」人種隔離政策に対して断固とした態度をとるマルコムの力強い言葉はアリの心を打った。しかし、ネイション・オブ・イスラムの碇を破り、非宗教的な直接的政治行動に出たマルコムXは、CIAから監視される危険な立場に陥っていた。イライジャ・モハメドから聖職停止命令を受けたマルコムXは、チャンピオンとして注目されはじめたアリからも引き離される。初めてのアフリカ旅行でアリはマルコムとの再会を果たすが、それからほどなくマルコムXは演説中に凶弾に倒れる。
 「あなたはいつも先を歩いていた。俺は後ろをついて歩いた。あなたの後ろを…」計報を聞いたアリはひとり静かに涙を流すのだった。
 アフリカ旅行から帰ったアリの前に、ひとりの魅力的な女性が現れた。彼女の名はソンジー・ロイ(ジェイダ・ピンケット・スミス)、ふたりはたちまち恋に落ちる。信頼するセコンドであるブンディー二(ジェイミー・フォックス)や親友の写真家ハワード・ビンガム(ジェフリー・ライト)ら周囲の皆に反対される中、アリとソンジーは電撃的に結婚する。しかし、享楽的なソンジーが化粧をせず、質素な服装をするなどイスラム教の慣習に従うことを嫌ったことからふたりの心はすれ違い、ソニー・リストンとの再試合からほどなく、結婚生活はわずか1年たらずで破局してしまう。
 1966年、傷心のアリにベトナム戦争への徴兵という思いがけない知らせがもたらされる。米国政府からの命令にアリは「俺はベトコンに恨みはないぜ」と答え、非愛国的だと世間から猛烈な非難を浴びる。アリに好意を持つスポーツ・ジャーナリストのハワード・コーセル(ジョン・ボイド)は、彼の身を案じ、政治的な発言を控えるように警告する。しかし、アリは自分の信念を曲げなかった。
「俺を刑務所に送りたいのならやってみろ。望むところだ、400年でも監獄に入ってやる。だが、遥か彼方の土地でお国のためだと言って貧しい人たちの殺人に手を貸すのはごめんだ。敵はお前らだ。ベトコンでも中国人でも日本人でもない。俺を妨害しているのはお前らだ。俺は自由や正義や平等を求めているのに。」世論が参戦へと傾く中、アリの自由への叫びは大衆の反発を呼ぶだけだった。
1967年、正式に徴兵を拒否したアリに、連邦大陪審は有罪判決を下した。5年の禁固刑と1万ドルの罰金という最も重い刑を宣告されたアリは、罪人として、アメリカ国内のみならず、海外での試合からも締め出されてしまう。
彼のボクサーとして最も輝ける時は一方的に彼の手から奪われた。
 不当に奪われた王座を奪還し、自分の信じる正義を貫くため、リングの外での長い闘いがはじまった…。

スタッフ

監督:マイケル・マン
製作:ジョン・ピータース、ジェイムス・ラシター、ポール・アルダージ
   マイケル・マン、A.キットマン・ホー
脚本:スティーブン・J・ライベル&クリストファー・ウィルキンソン
   エリック・ロス&マイケル・マン
原案:グレゴリー・アレン・ハワード
製作総指揮:ハワード・ビンガム、グラハム・キング
撮影監督:エマニュエル・ルベッキー
美術:ジョン・マイヤー
衣装デザイナー:マレーネ・スチュアート
編集:ウィリアム・ゴールデンバーグ、スティーブン・リブキン
   リンジー・クリングマン
共同製作:マイケル・ワックスマン、ジョン・スコフィールド
音楽:リサ・ジェラード&ピーター・ブーク

キャスト

カシアス・クレイ/モハメド・アリ:ウィル・スミス
ドリュー“ブンディーニ”ブラウン:ジェイミー・フォックス
ハワード・コーセル:ジョン・ボイト
マルコムX:マリオ・ヴァン・ピープルス
アンジェロ・ダンデイ:ロン・シルバー
ハワード・ビンガム:ジェフリー・ライト
ドン・キング:ミケルティ・ウィリアムソン
ソンジー:ジェイダ・ピンケット・スミス
ベリンダ:ノナ・ゲイ
ベロニカ:マイケル・ミッシェル

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