ラッキー・ブレイク
原題:Lucky Break
世界中を笑いと感動の渦に巻き込んだ 「フル・モンティ」のピーター・カッタネオ監督、待望の最新作!! 愛か、脱走か。それが問題だ。 ブロードウェイも真っ青!?囚人たちのミュージカル 歌って!踊って!そのまま逃げちゃえ!
2001年8月24日イギリス初公開
2001年/イギリス/カラー/シネマスコープ/108分/SRD/ 配給:アミューズ・ピクチャーズ
2003年04月25日よりビデオ発売&レンタル開始 2003年04月05日よりDVD発売&レンタル開始 2002年7月6日よりシャンテシネ、新宿文化、渋谷のシネ・アミューズの3館にてロード−ショー
(C)Film Four MMI
公開初日 2002/07/06
配給会社名 0008
公開日メモ 銀行強盗で刑務所入りとなったジミーは、仲間とともに脱獄を計画する。その手段とは...所長主催のミュージカルに出演すること!「フル・モンティ」で世界を笑いと感動の渦に巻き込んだカッタネオ監督最新コメディ。
解説
ここはイギリスのロングラドフォード刑務所。刑務所といえば暗く屈強な男たちがつらい生活に耐え……てるはず、だった。
ところがどうも最近様子がおかしい。毎日毎日陽気なピアノのメロディが聞こえてくるかと思えば、眼光の鋭いクセのありそうな男たちが派手な衣装とカツラを身につけ歌い踊ってるではないか!
どうやらミュージカル好きの所長が自分で書いた戯曲を、囚人たちが公演することになったらしい。もちろん囚人たちはイヤイヤやらされている……わけではどうもなさそうだ。
喜々としてこの練習に励んでいるのはしがない泥棒ジミーとその仲間たち。何か裏が?もちろん。ジミーたちはこの公演に乗じて、脱走計画を立てていたのだ。
『フル・モンティ』から5年。
ピーター・カッタネオ監督待望の新作『ラッキー・ブレイク』は、「歌って踊って、ついでに逃げちゃえ」な囚人たちの物語。もちろん、『フル・モンティ』では「男性ストリップショー」という突飛なテーマに、笑いから涙から友情から親子の絆まで放り込んで巧みに料理してみせたカッタネオのこと、ただの脱走劇には終わらない。
よくぞここまでなキャラクターの立った登場人物が自分勝手に行動すればするほどドラマはねじれ笑いが増し(実は囚人たちより「外」の人間の方がとんでもない奴が多かったり)、かと思うと一転、囚人たちの熱い友情物語が展開され胸を打ったかと思うと涙を誘う結末が待っていたり、用意周到な計画で脱走しようと思った矢先に刑務所の美人カウンセラーと甘酸っぱいロマンスが芽生えてしまったり。
ロマンス、コメディ、ハートウォーミングストーリー、そんな様々な人物、様々なドラマのすべてが、クライマックスの爆笑(失笑?)ミュージカル公演へとなだれ込み、さらにそこですべての「オチ」をつけてしまう見事な手腕はさすがカッタネオ。監督自身も「これは『フル・モンティ』より面白い」とニヤリ。お茶目。
主演ジミーを演じるジェームズ・ネズビットはその後、本年『千と千尋と神隠し』とベルリン映画祭金熊賞を同時受賞したTV映画『Bloody Sunday』の主演を演じて大ブレイクの予感、ヒロインのオリヴィア・ウイリアムズは『シックス・センス』のブルース・ウィリスの妻役といえば顔が浮かぶだろうが、本作で念願の母国イギリス映画デビューを果たして、今後イギリス映画の「顔」になりそうな気配である。
マイク・リー監督作品の常連、「イギリス映画界のフィリップ・シーモア・ホフマン」ことティモシー・スポールの泣ける演技も、名優クリストファー・プラマーのおとぼけな味も、そんな監督のこだわりキャスティングがハマった証だろう。
スタッフには、脚本は『フェイス』のローナン・ベネット、撮影は『ボクと空と麦畑』のオルウィン・カッチュラー、編集は『恋に落ちたシェイクスピア』でアカデミー賞ノミネートのデビッド・ギャンブル、音楽は『フル・モンティ』でアカデミー賞受賞のアン・ダドリー。
厳選キャストと職人スタッフをかき集めて、ピーター・カッタネオが放つ『ラッキー・ブレイク』。
5年待ってて良かった。
ストーリー
ジミー(ジェームズ・ネズビット)はしがない泥棒。今日こそはと相棒ルディ(レニー・ジェームズ)とともに銀行を狙ったが、簡単にセキュリティが作動、ルディは閉じ込められてしまいあっけなくジミーも御用となってしまう。
ジミーが送り込まれたのは女王陛下公認のロング・ラドフォード刑務所。ルディも同じ刑務所にいたが口もきいてくれない。同室は気の弱そうな中年男タリフ(ティモシー・スポール)。しかし入るなり看守のペリー(ロン・クック)がタリフに嫌がらせするのを見てジミーは反抗、初日から懲罰房に放り込まれてしまう。
そこへ映画、『南平洋』の歌を口ずさみながらやってきたのは、モーティマー所長(クリストファー・プラマー)。ジミーがオリジナル盤を持っていると言うと所長は少しだけ興味を持つが、ジミーの前科をペリーに知らされると「ろくでなし!」と言い捨てて立ち去ってしまう。ジミーは受刑者更生プログラムのカウンセリングを受けさせられる。カウンセラーは美しく知的なアナベル(オリヴィア・ウイリアムズ)。しかしグループプログラムで、ジミーはルディと口論になり、またも懲罰房に送られてしまう。
ようやく口をきいてくれたルデイは、脱走計画を練っていた。古い教会を使えば警備は手薄だという。しかし銃とダイナマイトが必要な計画だと知ってジミーは呆れてしまう。しかし、思わぬチャンスが転がり込んできた。モーティマー所長に呼びだされたジミーは、所長にモラル向上のためにミュージカル公演を行うのはどうだと闘かれる。所長の趣味を囚人に押し付けるなんてばかばかしいと答えかけたが、その会場が古いチャペルだと知り、ジミーは態度を豹変、ぜひやりましょうと言い出す。
所長はケンブリッジ大卒のドラマセラピスト、ポール(ジュリアン・バラツト)を呼び寄せた。しかし演劇コースヘの参加希望者を募ると、集まったのは22歳の放火魔ダレン(レイモンド・ウオリング)、中年紳士風のロジャー(ビル・ナイ)、そしてジミーの3人だけ。しかもポールはがちがちの演劇青年。自分の過去と向きあってリアルな芝居を……などと言い出す始末。しかしジミーとモーティマー所長が結託して、モーティマ一所長作のミュージカル『ネルソン提督』を上演することに決まった。
ジミーは『ネルソン提督』上演と同時に脱走する計画を立て、ルディと仲直りして仲間に引き入れた。あとは演劇コースの人集め。同室のタリフは以前、看守のペリーが囚人のポルノ雑誌で自慰行為にふけっているのを見てしまったことから執勘な嫌がらせにあい滅入っていたが、ジミーの「息子も見に来るぞ」の一言でその気になった。そして残りのメンバーはテレフォンカードをエサにかき集めた。行きがかり上、主役のネルソンにはジミーが抜擢される。そしてその恋の相手役には「女性じゃないとダメだ」とアナベルがキャスティングされる。
演劇の練習と同時に、裏では脱走計画も始まった。鍵作りがうまいダレンはすぐさま引き受け、最初は渋ったロジャーも、面会に来た妻に「あと2500回も独り寝なのよ」言われ仲間になることを決意した。セットに縄梯子を隠す方法を考えたり、合鍵を作ったりと計画も着々と進行した。ジミーはボルトカッターを手に入れると、トマト栽培に異常な愛情を示すレニー(ジョン・ピアース・ジョーンズ)に土に隠してくれと頼む。鉄分はトマトにいいと引き受けたレニーだったが、トマトを盗み食いする看守に気づいて突如荒れ狂い始めた。居合わせたアナベルを救うべくジミーはレニーを説得するが、現場に駆けつけたペリーによって、ジミーはまたしても懲罰房に入れられてしまう。
脱走計画も順調、さらにジミーとアナベルも急接近。しかしそこに暗雲がひとつ。あらゆる場所で暴君ぶりを発揮している囚人ジョン(フランク・ハーバー)が移送されてきたのだ。彼はジミーが計画を立てている噂を聞きつけるとすぐさま脅し、脱獄はオレとオマエの2人だけでやれと強要する。やむを得ず頷くジミー。
面会日。クリフは待ちわびた妻子との再会に喜ぶが、どうやら妻には男がいるらしく、さらにペリーの嫌がらせで面会時間も早々に切り上げられてしまう。独房に戻ったクリフはジミーに仲間に入れてくれと懇願するが、人数が多いと危険だとジミーはあっさり断ってしまう。クリフの落ち込みにも気づかず、ジミーはアナベルをシャワー室に誘い出し、形ばかりのディナーを楽しむことに成功した。
ジミーがあまりにも稽古熱心なのを不審に思った看守のペリーは、舞台袖でボルトカッターと縄梯子を発見する。しかし、ペリーは何も見なかったことにした。現場を取り押さえて刑期をもっと長引かせてやろうと思ったのだ。ジョンが稽古中に暴れてまた懲罰房送りになったとき、所長にこのままでは公演延期だと言われたジミーだったが、そのとき助け船を出したのはなんとペリーだった。しかし、逆にジミーはペリーが何か企んでいることにも気づく。
所長室から独房に戻ったジミーが見たものは、自らの命を絶ったクリフの姿だった。ペリーを、見てみぬ振りをしていた皆を、そして自分自身を責めるジミー。慰めようとするアナベルもその肩に手を置くしかなかった。
いよいよ公演当日。古い教会には大勢の観客が詰めかけている。ペリーの裏はかけるのか?本当にジョンと2人で脱走するのか?ルディたち仲間を裏切ってしまうのか?そして何も知らないアナベルとの恋の行方は?舞台と舞台裏、ジミーの大芝居の暮が開いた。さてその結末やいかに?
スタッフ
監督:ピーター・カッタネオ
製作:バーナビー・トンプソン、ピーター・カッタネオ
脚本:ローナン・ベネット
エグゼクティブプロデューサー:ポール・ウェブスター、ハンノ・ハス
共同プロデューサー:レスリー・スチュワート、エリノア・デイ
撮影:アルウィン・カックラー
編集:デイヴィッド・ギャンブル
プロダクションデザイナー:マックス・ゴットリーブ
キャスティング:ジャニー・ファザギル
音楽:アン・ダドリー
衣装:フィオン・エリノア
ヘアメイク:ヴェロニカ・ブレブナー
原作&作詞:ステイーヴン・フライ
音楽:アン・ダドリー
ミュージカル監督:ロブ・ナッシュ
振付:ニッキー・ヒンクリー
キャスト
ジミー:ジェームズ・ネズビット
アナベル:オリヴィア・ウイリアムズ
クリフ:ティモシー・スポール
ロジャー:ビル・ナイ
ルディ:レニー・ジェイムズ
ペリー:ロン・クック
ジョン・トゥームス:フランク・ハーパー
ダレン:レイモンド・ウォリング
グラハム・モーティマー:クリストファー・プラマー
ポール:ジュリアン・バラット
ジョージ:ピーター・ワイト
エイミー:セリア・イムリー
ワード:ビート・マクナマラ
ケニー:アンディ・リンデン
オールドビル:ラム・ジョン・ホルダー
マッド・レニー:ジョン・ピアース・ジョーンズ
アーサー:デス・マクナマラ
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