原題:GIORGIO ARMANI : A MAN FOR ALL SEASONS

私はニセモノが嫌いだ。見せかけの真実はみたくない。

2000年/イギリス・イタリア/カラー/ヴィスタサイズ/85分/ 配給:コムストック

2004年06月16日よりDVD発売開始 2003年4月25日よりヴァージンシネマズ六本木ヒルズにてオープニングロードショー

公開初日 2003/04/25

配給会社名 0028

解説



私はニセモノが嫌いだ。見せかけの真実はみたくない。

      ジョルジョ・アルマーニ

ファッション・ビジネスの頂点に君臨するジェルジョ・アルマーニ。彼は美しい服を創りだす才能、スーパーモデルのウォークまで演出し、ショーの構成からショップの細部にいたるまで指示する完璧主義者。また、アルマーニは映画を通じて世界中にその名をとどろかせたビジネスマンである。しかし、華やかな表舞台の裏に、20年間休まず働き、限られた親しい仲間しか寄せ付けない孤高の日々をおくるアルマーニの姿を、ドキュメンタリー監督のジュリアン・オーザンヌが16ヶ月にわたりカメラに収めた。ニューヨーク、ミラノ、パリなど世界を駆け回り、メディランアン島でのバカンスを過ごす仕事を離れ、母のことや自然の美しさの中から人生を語るアルマーニ。そして、彼を取り巻くセレブたちの証言が実像を浮き彫りにする。本作は富と名声すべてを手に入れながらも65歳の仕事にすげてを捧げたひとりの男としてのアルマーニに心打たれる人間ドラマである。

ストーリー



ジョルジオ・アルマーニは40歳で会社を設立。25年目の2000年現在、彼は会社の唯一の株主であり、世界33カ国に249店舗、3千人の従業員を抱え、毎週3億6千万円を稼ぎ出している。アナ・ウィンター、ケイト・ベッツらファッション誌編集者は彼を「20世紀を代表する名デザイナーの一人」「働く女性のファッションを変えた革命児」「シャネル、サンローラン、ディオールに匹敵する大きな存在」と評し、ニューヨークのデザイナー、ダナ・キャランも「壁を打ち破った男」と讃える。

夏、ミラノ。メンズコレクション。モデルに着せてピンとこない服を外すアルマーニ。モデルの歩き方にも「美しく、若々しく、ハッピーに」と注文をつける。彼はすべてにこだわる。「才能と強い意志とシャイな性格」が彼の成功の要因だと、ある編集者。65歳のアルマーニは、「創造への闘いを放棄することは、人生と仕事を投げ出すことだ」と語る。ショーにはアーノルド・シュワルツネッカー、リーアム・ニ一ソンら大スターも駆けつける。フィナーレで喝采を浴びるアルマーニ。仕事を愛する彼の唯一の不満は「いつも忙しくて生活を楽しめない」こと。

ハリウッド。エリック・クラブトンのギター競売に際しパーティーを催すアルマーニ。ハリウッドヘのこだわりも成功の一因だ。最初にスターたちが彼の服に夢中になり、映画の中やアカデミー賞授賞式で着るようになったのだ。しかし有名人との社交生活については「正直に言うと、もっとピュアな、感性が合う人間関係が好きだ」と言う。ボディガードを伴ってラスベガスへ飛び、ショップを点検するアルマーニ。観光客たちにカメラを向けられ、サインを求められる。ミラノの本店。スタッフと朝のミーティングをするアルマーニ。彼はこの会社をセルジオ・ガレオッティ(1945-85)と共同で設立した。アルマーニの才能を見抜いた男。素晴らしいパートナーだった。

ウィメンズ・コレクションの前日。縫製の仕上がり具合を見に行くアルマーニ。「一針ことに愛が込められている」とお針子たちの職人芸を讃える。ヘアとメイク、フィッティングも重要だ。「モデルが喜びを感じて着てくれたら満足だ」と彼。夜、会場に最終チェックに行くと準備ができていない。アルマーニはスタッフを叱る。

ショー当日。リッキー・マーティン、ソフィア・ローレンら著名人たちの写真撮影。ソフィアを「自分に厳しいプロ中のプロ」として敬愛するアルマーニ。ショーの最終準備で手順の悪いスタッフを罵倒する彼。外には大勢のマスコミ、続々と到着するスターたち。緊張感もショーの成功には必要だ。彼は直前まで細部を詰め、完壁を目指す。「スカートの揺れさえ計算通りに見せる」と自信をもって語る。ショーは大成功。スタッフ、モデルたちに盛大な拍手を贈られ、グレン・クローズ、ジャン・レノ、ロナウド、フィル・コリンズ、ティナ・ターナーらに祝福される。

8月のヴァカンス。地中海に浮かぶパンテッレリーア島でアルマーニは毎年、1ヵ月の休暇を過ごす。別荘の内装は自分で手がけた。自然に触れ、若いスタッフたちとバイクを飛ばし、ボートで海に出る。「マエストロと呼ばれるのが好きだ」と彼。

若者たちの手本となり、ひらめきや創造性を身をもって示したいと彼は考えている。また、愛と仕事の両立の難しさを語る彼。「明日もアルマーニであるために」愛をセーブしてしまう。数週間前に母を亡くした彼は自分の年齢を自覚し、会社の将来を真剣に考え始めている。
故郷ピアチェンツァ。育った家の前で幼少期の戦争の記憶、「私の人格形成に大きな影響を与えた」母の思い出を語るアルマーニ。子供時代の彼は劇場ごっこが好きだった。

秋、パリ。ヴァンドーム広場のショップの新装開店。アルマーニは、高級宝飾店と肩を並べるプレタポルテ店を目指して12年前にここに進出した。照明からディスプレイまで、最終決定を下すのは彼だ。店内でフランス人記者にモードの歴史を話すアルマーニ。建築家クラウディオ・シルヴェストリンは「アルマーニのスピリットと創造性」をコンセプトにしたと語る。床と壁には広場の石が使われ、広場との連続性を感じさせる。夜のパーティーにはデザイナーのジャン=ポール・ゴルチエや山本耀司の姿も。ゴルチエは「ピュアでシンプルでアルマーニ的だ」と絶賛する。
冬、ニューヨーク。映画監督マーティン・スコセッシと再会。スコセッシにとってアルマーニは、ドキュメンタリー映画『私のイタリア旅行』に資金を提供してくれた「恩人」だ。一緒に映像を見る二人。「アルマーニは熱い反応を示す」とスコセッシ。10月から開催される25周年記念の大イベントのためのチェックに、グッゲンハイム美術館を訪れるアルマーニ。世界的に有名なこの美術館での現役ファッションデザイナーの展覧会は極めて異例であり、アルマーニも名誉に感じている。「期待を超えたチャンスが舞い込むと、神からの贈り物として受け入れてきた」

ミラノ。リッキー・マーティンのコンサート。アルマーニは衣装を提供。客席でステージを楽しむ彼。

春、ロンドン。ロイヤル・アルバート・ホールでの秋冬コレクション。会場側からリハーサルの中断を言い渡されたアルマーニは、それならショーはキャンセルだと怒る。

サッカー・チームのユニフォーム。イングランドのチーム、チェルシーのユニフォームをデザインしたアルマーニは、それを届けに行く。嬉しそうにスーツを試着する選手たち。「サッカーとファッションの共通点は、見せるイベントだ」と彼。

イタリア、ブローニ。週末用の「私の初めての豪邸」を披露するアルマーニ。ここでも緊張感から解放されることはない。「私のゴールは、自分のデサインか時代にフィットして、その服がみんなに認められることだ。富は成功した結果にすきない」

もう一つの旅。自家用機で夜の空を飛び、車で夜の街に走り去るアルマーニ。大きな成功と引き換えに背負い込んだ「孤独」を語る彼。アルマーニは自ら選んだ人生の旅を続ける……。

スタッフ

監督:ジュリアン・オーザンヌ
編集:スティーヴ・ミラー 
音楽:ウィリアム・ラヴレィディー 

キャスト

ジョルジョ・アルマーニ
ソフィア・ローレン
アーノルド・シュワルツネッガー
リッキー・マーティン
マーティン・スコセッシ
ティナ・ターナー
エリック・クラプトン
ティナ・ターナー
フィル・コリンズ
ボビー・シュリバー・ケネディー
ダナ・キャラン
トム・フォード
ベルナルド・ベルトリッチ
アンナ・ウィンツアー
ケート・ベイツ

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