原題:Human Nature

第14回東京国際映画祭コンペティション部門出品::http://www.tiff-jp.net/ 2001年カンヌ国際映画祭出品

2001年9月12日フランス初公開

2001年/フランス・アメリカ/カラー/94分 配給:アスミック・エースエンタテインメント

2002年10月11日よりビデオ発売&レンタル開始 2002年10月11日よりDVD発売&レンタル開始 2002年3月9日より恵比寿ガーデンシネマ、銀座テアトルシネマにて公開

公開初日 2002/03/09

配給会社名 0007

公開日メモ 眠っていた脳も目を覚ます!?ワッツ・ア・ワンダフル・ワールド!

解説


★眠っていた脳も目を覚ます!?ワッツ・ア・ワンダフル・ワールド!

15分間だけマルコヴィッチになれる!?そう聞いてヴィジュアル・イメージかすぐに浮かんだ人かいったい世界で何人いただろうか?その奇想天外な着想と独特のユーモアに世界が熱狂した『マルコヴィッチの穴』(99)は、鬼才ディレクター、スパイク・ジョーンズだけではなく、脚本家チャーリー・カウフマンというキラめく才能の存在を世に知らしめる結果となった。そして今年、映画ファンの前に待望の新作か到着!「音楽ファンには説明不要、ビョークのミュージッククリップで一躍ミュージックビデオ界の寵児となったミッシエル・ゴンドリーを監督に迎えた『ヒューマンネイチュア』がいよいよ日本で公開となる。プロデューサーですら「初めて脚本を読んだとき、開いた口がふさがらなかった。けっして映画化されることのない壮大な脚本」と思ったという、まさにカウフマンにしか描けないワンダーランド。登場人物には、自分を猿だと思い込んでいる男、宇宙でイチバン毛深い女、ネズミにマナーを教える博士、と一読しても展開が全く予想できない面々が集う。さらに、ロマンティックで幻想的なミシェル・ゴードンリーのヴィジュアル・クリエイティヴィティによって、映画のイマジネーションは成層圏を越え、宇宙的な拡がりすら見せ始める。
『ヒューマンネイチュア』はこれまでに観たどんな映画でもない。それは間違いない。

★ただ笑えるだけじゃない。
21世紀型スクリューボール・ファンタジー。

12歳のとき、いきなり毛むくじゃらの体になったライラ。通常の社会生活を送ることをあきらめ、森で自然とともに生活することに。その体験を本に著したところ一躍ベストセラーになるその後も依然森の中で生活を続ける彼女だったが、「セックスがしたい」という本能には抗えない。印税で稼いだお金でエステに通い、全身脱毛をして紹介されたのが博士ネイサン。厳格な夫婦の元で育てられ彼は、マナーに異常な関心を示し、ネズミにテーブル・マナーを学ばせるという研究に没頭していた。ある日二人が森を散歩していると、裸でうろついている男を発見する。まるで動物のような反応をする彼は、幼い頃精神に異常をきたした父親に森に連れてこられ、猿として育てられたのだった。ネイサンは格好の研究材料として彼を“人間”として再教育することに。かわいらしいが野心家の助手ガブリエルによって男はパフと名付けられる。ネイサンとガブリエルに従えばいつか思いのままセックスできると信じて、マナーを覚え、言葉を学び、オペラの鑑賞の仕方を教わるパフ。一方、妻となっていたライラとガブリエルとの間で揺れ動くネイサン。夫の心変わりに気づきながらも、ひたすらネイサンに尽くすライラ。博士の妻の座を奪い取ろうと、誘惑の限りをつくすガブリエル。奇妙なトライアングルは不協和音を響かせつつ、ゆっくりと狂いはしめていく…。

★チャーリ・カウフマン&ミシェル・ゴンドリーの穴に、入ってみる?

監督オファーのために寄せられた数多くの脚本郡の中で、「まったくのオリジナルだと思った」とミシェルが話すように、カウフマン独特の奇想と、どこに着地するか全く読めないストーリー展開がまたもや炸裂する本作『ヒューマンネイチュア』。既存の映画ルールを壊したい、と息巻く製作陣によって作られただけあって、観る者のどんな予想も楓爽と裏切られる展開。本能とエゴ、寛容と不寛容といったテーマを内包しつつも、決して堅苦しい教条的な物語に収まることな<、例によってカウフマン作品全てに通底する独特のツイストとくすぐりにのせられて物語は進行する。ゴンドリーの表情豊かな映像表現とがあいまって、観客はあっという間に、“手を伸ばせば届きそうで、だけど現実からちょっとだけ遠い”おとぎ話の世界ヘダイビングさせられる。カウフマンがアンリ・ルソー風の 森を所望すれば、ゴンドリーはスタジオ撮影とロケ撮影を組み合わせ、ファンタジックで夢のようなミュージカルシーンを作り上げる。「SFXや特殊効果を多用して、つまらないストーリーを描くのではなく、人間味溢れるキャラクターを“リアル”に描きたかった」というコンドリーは、人がいかに周りの人間によって変えられていくのかを、痛烈に、だか愛情あふれる優しい視点で描き出すことに成功している。すでに2001年のカンヌ国際映画祭で熱狂的な支持者を生んでいるように、一度のぞきこんだら釘付けになる不思議な魅力満載の作品である。 ★その顔か並んだたけても面白い、 一癖も二癖もある多彩なキャスト&スタッフ ホルモン異常て宇宙イチ毛深い美人になるのは、ミシェル・ゴンドリー監督とも旧知の仲であるバトリシア・アークェット。文字通り“体当たり”の演技で、女性の強さと美しさを演じきる。異常なまでにテーブル・マナーにこだわる博士ネイサンには、自身も監督・俳優として名高いティム・ロビンス。この映画になくてはならない猿だと思いこんでる男には、『ノッティングヒルの恋人』でのユニークな熱演が印象的なリス・エヴァンス。フランスかぶれのアメリカ娘ガブリエルにはミランダ・オットーが扮する。その他にも、『マルコヴィッチの穴』の怪演が記憶に新しいメアリ・ケイ・プレイス、ロバート・フォスターやロージー・ペレスらが脇を固め、奇妙なワンダーランドを味わい深くしている。 監督は、本作が満を持しての映画監督デビューとなったミシェル・ゴドリー。留まるところを知らない彼のクリエイティヴ・パワーは、チャーリー・カウフマンの独創的な脚本を、リアルにファンタジックに映像化する。製作には『マルコヴィッチの穴』スパイク・ジョーンズと『いつか晴れた日に』アンソニー・ブレグマン、『ウエディング・バンケット』テッド・ホープが担当。そして、チャーリー・カウフマンは脚本と製作に名前を連ねている。次回はまたまたスパイクかメガホンをとる“Adaptation”(2002)と、ゴンドリーと再び組む作品が待機している。プロダクション・デザインには『マルコヴィッチの穴』K・K・バーレット、衣装には『ヴァージン・スーサイズ』のナンシー・スタイナー、音楽には『インサイダー』ほかのグレーム・レヴェルなど、各界第一級のスタッフが勢ぞろい。『ヒューマンネイチュア』は、そんな才能のきらめきが詰まった素敵な作品なのだ。

ストーリー



それはある美しい森でのこと。一発の銃声が鳴り響き、二匹のネズミたちは身の危険を感じると、突然走り出した。獲物を付け狙うカラスに見つかってしまったからだ。辛くも危機を脱した二匹の目の前には、ひとりの男の死体があった…。
始まりは12歳の時だったまだ少女だったライラの胸に、あろうことか毛が生えてくるではないか。いたいけな少女に胸毛とは!?それはホルモンのバランスが崩れて起こる原因不明の病だった。成長するにつれ毛むくじゃらになるライラは、クイーンコングとして自ら見世物になったりもしたが、あまりに悲しくて死にたくなることもしばしば。常に全身の毛を剃り上げながら人間としての営みを行なうことに疲れた彼女は、人間界で生きることを捨て、森での生活を選ぶ。もちろん生まれたまんまの姿でだ。するとどうだろう、大自然と共に生きることの素晴らしさを全身に感じ、時には歌いだしたりなんかして!そして、その自然との生活を本に著したらこれが大ヒットベストセラーとなるのだが、生活は依然森の中。そんな彼女を再び変えたのは、男が欲しいという、抑えがたき欲望だった。印税で稼いだお金をつぎ込んでエステに通い、全身脱毛をして紹介してもらった男がネイサンだった。
彼は優しい男だったが、異様なまでにマナーに固執した厳格な夫婦の元で養子として育てられたネイサンは、猿のように本能に溺れることを許されず、しかしながらそれこそがトラウマになり、ネズミにテーブル・マナーを学ばせるという研究に没頭するに至っていた。お互いのズレを感じながらも恋人同士となった二人は、ある日森を散歩することにするとそこで、裸でうろついている不審な男を見つけたのだ。ライラは直感した!彼女の眠っていた血が騒ぎ、自ら服を脱いで彼に接触するが、あまりに興奮した男はオナニーに夢中になって木から落ち、気を失ってしまう。ネイサンは猿として育てられた彼を人間として再教育することにした。お茶目で美しくも野心家の助手ガブリエルによってパフと名付けられた彼は、愛しあう二人の姿を見て、自分も人間の女と“ヤリたい”という欲望を満足させるため、人間の文化を学ぶ決心をする。
テーブル・マナーを覚え、言葉を学び、時には歌まで歌いながら数々の試練を乗り越え、遂に研究所の檻から外出出来るまでになるパフ。しかし生身の女性を目の前にするとついつい欲情してしまい、さらに訓練は続いてゆく。
一方ネイサンは、妻となっていたライラとガブリエルとの間で揺れ動ていた。ガブリエルの虜だった彼は、結局ライラを捨ててしまう。しかし、ライラも黙ってはいなかった。永久脱毛を施し、ネイサンとガブリエルからパフを奪って森へ逃げたのだ。既に教養を身につけ、インテリジェンス溢れる紳士となっていたパフは、ライラによって類人猿としての再々教育を受けることになった。最初は嫌がっていたパフも、大自然との調和を感じながら次第に猿としての尊厳(?)を取り戻してゆく。待望のセックスもライラと経験し、愛のある生活に充足を覚えるようになっていく。
しかし、ネイサンは悩んでいた。ガブリエルとの過不足ない生活も、何かが違うのだ。耐えられなくなった彼は、二人の住む森へ向かった。追い詰められた彼は銃を手に、二人に語りかける。自分も類人猿になる練習をしていた、と。遂にパフがキレた!そして彼は語り出した。ネイサンの自分勝手な行動にによって苦しめられ、ライラによって救われたと。しかし彼自身も混乱し、起こるべくして悲劇は起こったのだった。
人間社会に戻ったパフは身だしなみを整えて、議会で訴えた。投獄されたライラのために、破滅と裏切りの物語を。

スタッフ

監督:ミッシェル・ゴンドリー
脚本:チャーリー・カウフマン
製作:アンソニー・ブレグマン、テッド・ホープ、スパイク・ジョーンズ、チャーリー・カウフマン
共同製作:ジュリー・フォン
撮影:ティム・モーリス=ジョーンズ
プロダクション・デザイン:K・K・バーレット
編集:ラッセル・イック
音楽:グレーム・レヴェル
音楽監修:トレイシー・マックナイト
衣装:ナンシー・スタイナー
キャスティング・ディレクター:ジャンヌ・マッカーシー

キャスト

ライラ:パトリシア・アークエット
パフ:リス・エヴァンス
ネイサン・ブロンフマン:ティム・ロビンス
警官:ケン・マギー、サイ・リチャードソン、デイヴィッド・ワショフスキ
ライラ(子役):ヒラリー・ダフ
医者:スタンリー・デサンティス
フランク:ピーター・ディンクラージ
パフのパパ:トビー・ハス
下院議員:ボビー・ハーツウェル、ダリル・アンダーソン
パフ(子役):ボビー・パイル
ネイサン(子役):チェイス・ビバック
ネイサンのママ:メアリ・ケイ・プレイス
ネイサンのパパ:ロバート・フォスター
セラピスト:ミゲル・サンドヴァル
ガブリエル:ミランダ・オットー
ウェイン・ブロフマン:アンソニー・ウィンシク
ビストロのウェイトレス:メアリー・ポートサー
チェスターのウェイトレス:アンジェラ・リトル
ストリッパー:デボラ・フェラーリ
講演の司会者:ジェレミー・クレイマー
パフのママ:ナンシー・レナハン

LINK

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