原題:The Affair of the Necklace

ルイ王朝最大のスキャンダル——仕掛けたのは、 一人の女と2800カラットのダイヤモンド

2001年11月30日全米初公開

2001年/アメリカ/1時58分/スコープ・サイズ/ドルビーSRD,SDDS/字幕翻訳:古田由紀子/ノベライゼーション:新潮文庫

2002年7月17日よりDVD発売&6月19日レンタル開始 2002年06月19日よりビデオ発売&レンタル開始 2002年2月16日より日比谷映画ほか全国東宝系にてロードショー公開

公開初日 2002/02/16

配給会社名 0058

公開日メモ セックス、セレブレリティ、金、裏切り、そしてロマンス----------世紀のスキャンダル"王妃の首飾り"事件の真実が、300年の時を越え、今、明らかに!!!

解説



《王妃の首を飾るのは、ダイヤの輝きか、ギロチンの刃か…。たった一つの首飾りで王妃の運命を殺した女———ジャンヌとは一体誰か?》

たった一つのスキャンダルが、国全体を転覆させる事など出来るのか?今から200年以上も前に、たった一人でそれを成し遂げた女性がいる。ジャンヌ・ド・ラ・モット=ヴァロア、25歳。800年続いたフランス王朝を終焉させ、王妃マリー・アントワネットとルイ16世を断頭台へと送り込んだ人物だ。あらゆるしきたりを破り、金持ちや有名人を犯罪者に仕立て上げ、独創的で危険な陰謀をめぐらせた世紀のスキャンダル”王妃の首飾り事件”は革命前夜のフランスで実際に起こった事件である。自らの誇りと名誉を取り戻したい——最初はただそれだけの想いだった。しかし時に、復讐は高くつく。彼女の場合は、値段がつけられない程高かったのだ。

16世紀のフランス王ヘンリー二世の直系、名門ヴァロア家に生まれたジャンヌは、たった9歳で孤児となり、その高貴な身分を証明するのは、一枚の家系図だけだった。持てるもの全てを奪い去られた彼女は、名誉を取り戻し、ヴェルサイユ宮廷に受け入れられる事を唯一の目的として、その達成に全生涯をかける事になる。
ジャンヌはまず、宮廷への入り口として、あやしげな貴族の称号を持つ、浮気性で扱いやすいニコラと結婚。次に、宮廷についてあらゆる事を彼女に教えるレトーの庇護を受け、宮廷に入り込むが、全く無視されてしまう。唯一残された道は、名誉を”買い戻す”事、それには大金が必要だ。そこで彼女は、ある策略を考え付く160万リーフル(時価192億円)、647のダイヤモンドが散りばめられた、2,800カラットの首飾り、あまりにも高価なゆえ、ヨーロッパの宮廷はどこも、買い取る事が出来なかった、伝説の”首飾り”を王妃が買ったとみせかけて、その首飾りを頂いてしまおう、という計画だ。そもそも、この首飾りは、ルイ十五世が愛人デュ・パリー夫人のために作らせたものだったが、完成する直前に王が亡くなり、愛人は宮廷から追放、買い手を失った宝石商人達はマリー・アントワネットに売込むが、王妃は冷たく拒否。このままでは破産してしまうと考えた宝石商人達は何とか再び、王妃に取り入ろうと躍起になっていた。それぞれの思惑を巧みに操り、ジャンヌの”華麗なる賭け”が幕を開ける——王妃アントワネットは何一つ知らないままに…。

美貌とSEXを武器に王妃を罠に陥れる野心溢れる主人公ジャンヌを演じるのは、昨年『ボーイズ・ドント・クライ』で性同一障害に悩むヒロインを好演してアカデミー賞ほか各賞を獲得してハリウッドを震憾させたヒラリー・スワンク。彼女と運命的な恋に落ちるルトーにはオーストラリア期待の新星サイモン・ベイカー(『レッド・プラネット』)。悲劇の王妃マリー・アントワネットに『パトリオット』のジョエリー・リチャードソン。時の枢機卿ルイ・ド・ロアンには現代の演劇界を代表する『007/トゥモロー・ネバー・ダイ』の名優ジョナサン・プライス、そして妖術を駆使する謎の伯爵カリオストロに『スリーピー・ホロウ』のクリストファー・ウォーケンほか、ハリウッドを始めヨーロッパを代表する実力派が結集した。
『プライベート・ベンジャミン』でアカデミー賞ノミネートの経験をもつチャールズ・シャイアが監督。中世の風景が色濃く残るチェコの首都プラハを始め、フランス・ヴェルサイユ宮殿にてロケを敢行。『ファイト・クラブ』の独創的なセットで注目を浴びたアレックス・マクドゥエルがプロダクション・デザインを、『エビータ』『エイジ・オブ・イノセンス』のジャン=ミッシェル・ユゴンが美術を、『炎のランナー』『バリー・リンドン』で2度のアカデミー賞に輝くミレーネ・カノネロが衣裳を手掛け、映画を絢燗豪華に盛上げている。
注目の脚本は、本作品がデビューとなる若手脚本家ジョン・スウィート。「このスキャンダルは、現代の社会にも相通じるものがある——金持ちと有名人が共存する場所ならば、ハリウットでも、パリでも、どこでもだ。」と語る彼は、何よりもこの事件と、現代の新聞の一面を飾るニュースとの類似点に驚いた、と言う。「”首飾り事件”に巻き込まれた人々はみな、大胆で、ショッキングなほどに不遜で、愉快で、現代的だ。それに、ジャンヌの計画によって全員の立場が変化し、生き残った人々は誰もが、本の出版を依頼されている——その事だけでも、200年たっても人間はあまり変わってないと言える。」
1786年、5月。高等法院にて「首飾り事件」の判決は下された。しかし事件の真相は未だに解決されておらず、首謀者が誰かは特定されていない。ただ一つ言える事は、ジャンヌという一人の女性の想いが国一つを呑み込む革命の嵐の炎に火をつけた、という事。そしてジャンヌはこれまでのフランス女性の誰とも似ていない、何世紀も先を生きていた女性、という事だ。18世紀末のフランス社会が今でも我々の興味を惹くように、彼女もまた、現代に通じる存在なのだ。

ストーリー



《フランス革命に火をつけ、王妃をギロチン台へ送り、国をひっくり返したルイ王朝最大のスキャンダル。仕掛けたのは、一人の女と2,800カラットのダイヤモンド》

かつて王位にもついていたフランスの名門ヴァロア家は、ジャンヌの父の代に政敵の罠によって葬り去られ、領地は没収、館は炎上し、両親は死亡。たった9歳のジャンヌは幼い妹と共に頼る者のない孤児になってしまった。

それから15年の月日がながれ、美しく成長したジャンヌは、爵位を得るために騎兵隊に勤務するニコラ・ド・ラ・モット伯爵(29才)と愛のない結婚をし、伯爵夫人となっていた。彼女の望みは、たった一つ、理不尽に奪われた一族の屋敷を取り戻す事。ジャンヌの野心を知り、その美しさに惹かれたジゴロのレトー・ド・ヴィレット(28才)が近づいてきたのも、そんな時だった。こうして、彼女の復讐劇が幕を開ける。

ヴェルサイユ宮殿では、ルイ16世(45才)が君臨し、王妃マリー・アントワネット(30才)は人生の絶頂期を迎えていた。しかし、華やかな宮廷生活の裏では王家の家計は逼迫し、民衆は生活苦にあえいでいた。王室御用達の宝石商ベメールは、ルイ15世が愛人デュ・パリー夫人に贈るために購入したダイヤの首飾りを、王妃マリー・アントワネットに売込みにやってきた。賛沢に溺れきったアントワネットだが、160万リーブル(時価192億円)もの法外な金額、愛人へのプレゼントという因縁からこの申し出を断る。

時の枢機卿ルイ・ド・ロアン(55才)はアントワネットに好意を持っていたが、オーストリア大使時代にアントワネットの母マリア・テレジアを侮辱したために王妃から遠ざけられ、首相への野望も絶たれて悩んでいた。ローアンの窮地をルトーから聞いたジャンヌはこれを利用し、羽振りの良いロアンから大金をせしめる計画をたてる女官を通じアントワネ圷の便筆やハンカチを手に入れたシャンヌは、王妃と懇意なふりをして、ロアンに接近、レトーと共に王妃がロアンを許す偽手紙をでっちあげ、二人の仲介者の役を演じる。ロアンの館に出入りする妖術を使う謎の男カリオストロ伯爵(自称3000才)は、ジャンヌの素性と野心を見抜くが、彼女の計画にそれとなく力添えをする。ジャンヌの夫ニコラは宮廷での妻の噂を聞いて戻ってくると計画に加わった。だが、彼女はルトーと真剣に愛し合うようになっていた。全ては王妃アントワネットが知らぬところで進行していくのだった…。

ジャンヌは、王妃そっくりの娼婦ニコルをアントワネットに仕立て、ヴェルサイユの”ヴィーナスの茂み”で逢い引きさせた。ニコルから薔薇を渡されたロアンは王妃が好意を示してくれたものとすっかり感激し、首飾りの保証人になる事を約束する。三ヶ月後に王妃が代金を支払うと聞かされ、彼は王妃の使者を装ったレトーに首飾りを渡す。

二ヶ月後、ダイヤの一部を売ったジャンヌはヴァロア家の領地を買い戻し、遂に念願を叶えてい々しかし、代金支払の期日が迫り王妃から何の音沙汰も無い事に不安を感じた宝石商たちは、ロアンの元へ急ぐ途中、司法大臣ブルトゥイユ(51才)が率いる憲兵隊に逮捕される。ロアンの野望を知るブルトゥイユは、彼を追い落とす機会を狙っていたのだ。身に覚えの無い[首飾り事件]に、アントワネットは激怒する。

期日が来て、催促されても、王妃とのスキャンダルを恐れるロアンは黙って代金を支払うと計算していたジャンヌの思惑は、先に宝石商たちが逮捕されたためにはずれてしまったのだ。

ローアンは捕まってバスティーユへ送られ、ニコラは残りのダイヤを持って逃げ去り、レトーもジャンヌに逃げようと迫るが、彼女は逃げるのは家名を汚す事になるといって止まった。説得をあきらめたルトーも去った後、ジャンヌは一人で墓地へ赴く。守れなかった妹への想い出とヴァロア家の誇りがジャンヌをここまで突き動かしてきたのだった。彼女もレトーもニコルもガフオストロも逮捕され、裁判が始まった。

1786年、5月。高等法院にて「首飾り事件」の判決。
ジャンヌは有罪となり、「ボルーズ(Voleurse)」泥棒を意味する言葉の頭文字”V”の烙印を押され、投獄された。夫のニコラは欠席裁判で終身漕役刑。愛人レトーは国外追放。ニコル・ド・オリバは無罪。ルイ・ド・ロアン枢機卿、無罪。

このスキャンダラスな事件は、その真偽とは別に、王室に対する世論を急激に悪化させることに貢献し、フランス革命の一つの導火線となった。

1793年、革命裁判にかけられたマリー・アントワネットは、即日ギロチンの露と消えた。

このネックレスは、誰の首をも飾ることは無く、人知れず散逸したのであった。

スタッフ

監督/製作:チャールズ・シャイア
脚本:ジョン・スウィート
製作:レドモンド・モリス、アンドリュー・コソヴ&プロデリック・ジョンソン
製作補:キラ・デイヴィス、ステイシィ・アタナシオ
撮影:アシュリー・ロウ
プロダクション・デザイナー:アレックス・マクドウェル
編集:デヴイッド・モーリッツ
衣裳デザイン:ミレーネ・カノネロ
音楽:デヴィッド・ニューマン

キャスト

ジャンヌ・ド・ラ・モット=ヴァロア伯爵夫人:ヒラリー・スワンク
レトー・ド・ヴィレット:サイモン・ベイカー
ロアン枢機卿:ジョナサン・プライス
ニコラ・ド・ラ・モット伯爵:エイドリアン・ブロデイ
ブルトゥイユ男爵:ブライアン・コックス
マリー・アントワネット:ジョエリー・リチャードソン
カリオストロ伯爵:クリストファー・ウォーケン

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