“ディープ、クレイジー映画”

第18回トリノ国際映画祭正式出品作品 TOKYO FILMEX2000 コンペ部門出品作品

2001年/35mm/カラー/ヴィスタサイズ/モノラル/63min 提供:PLANET studyo+1/ 配給:ビターズ・エンド、スリーピン sleepin'

2001年12月8日より、中野武蔵野ホールにて3作品連続お正月!ロードショー

公開初日 2001/12/08

配給会社名 0071/0242

公開日メモ 『鬼畜大宴会』・・・『どんてん生活』『空の穴』大阪芸術大学そして大阪に拠点を置くPLANET studyo+1を取り巻く作品群。ディープ、クレイジー映画。

解説


“ディープ、クレイジー映画”

1997年『鬼畜大宴会』
1999年『NN891102』『どんてん生活』
2000年『空の穴』
大阪芸術大学、そして大阪に拠点を置くPLANET studyo+1を取り巻く作品群。
そこに共通するのは、腑抜けた青春の独白でもなく、いわゆるインディーズでもなく、プライベートフィルムでもない、映画であろうとする衝動。そんな、小さくも大きな“新しい波”から現れた3作品を連続上映!!

曖昧な「家族の絆」を、乾いた俯瞰的な観点から描く、異色の「ホームドラマ」。
主演は数々の野心的なピンク映画に出演している葉月蛍。その弟役の澤田俊輔は『鬼畜大宴会』『空の穴』に出演し、熊切和嘉監督作品にはなくてはならない存在となっている。また、宇治田監督の前作、『浪漫ポルノ』はブレイク前の、『鬼畜大宴会』と共にエログロ・ナイトとして大阪でレイト上映された。

【監督ノート】
私がこの作品で描こうとしたホームドラマという概念は、今や変化しつつあるだろう家族の絆についての私なりの考察である。だから私自身ホームドラマという呼び方にはある種の皮肉を込めたつもりだ。つまり、ホームドラマという言葉でこれまで表現されてきた作品の多くは、この絶対的な家族の絆を時には賞賛し、孤立した人切たちの最後の拠り所として捉え、人々はそれぞれ傷つきながらも成長してゆくものである。そして、そのために家族の絆にとっての重大な事件が物語の上で必ずと言って良いほど設定されているであろう。しかし、それが現実にありえるとしても、物語化した場合にはあまりにも理想的な結末を導くしかないように私には思われる。「家族の絆」というものは、もっと曖昧なものでは無いだろうかというのが私の思いであった。この映画を作るにあたって、私はより曖昧な家族の絆というものを中心に物語を組み立てていった壕合を想定してみた。そうする事によって、私の見たい家族のそれぞれの感情を映画の物語として組み立てるのではなく、ただ見せる事が出来るではないかと思った。例えば、優柔不断で、頼りなげでありながらも一家の中心として立たざるをえないという自覚だけはある父親、家計のことなどそっちのけで自分が遊んで暮らすことしか考えていないくせに姉に対しては、家族の心配をしているかのように振る舞う息子の秀和、そして経済的に自立はしていても、そんな不甲斐ない父親や弟が、曖昧な「家族の絆」を頼りに、見えない圧力をかけてくれば結局納得していないまま受け入れてしまう龍子。彼ら登場人物を私は嫌いではないが、決して好きというわけでもない。馬鹿だと思いつつも私は彼らとは一定の距離をもって撮るというスタンスを最後まで維持したつもりである。

ストーリー

「あんたたち私のウンコで喰ってんじゃない」
スカトロビデオに出演し、家族を養う姉。喧嘩をして職を失った父。ダラダラと日々をやり過ごす弟。3人の「家族」は互いに深く干渉しあうでもなく、そこに重々しいドラマが起きる訳でもない。そんな曖昧な「家族の絆」を、乾いた俯瞰的な観点から描く、異色の「ホームドラマ」。

スタッフ

監督・脚本:宇治田隆史
脚本:向井康介
撮影:近藤龍人
照明:向井康介
音楽:赤犬、松本章(『鬼畜大宴会』『空の穴』)
製作:お茶の間クラッシックス

キャスト

加藤龍子:葉月螢(『ぬるねる燗燗』『百年の絶唱』)
加藤秀和:澤田俊輔(『鬼畜大宴会』『空の穴』)
加藤松男:古河溜一

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