原題:EDGES OF THE LORD

『A.I.』主演ハーレイ・ジョエル・オスメント最新作! つらい戦時下、それでも一生懸命生きていく子供たちの感動のストーリー。

2001年/アメリカ/カラー/ビスタ/ドルビーデジタル/98分/ 提供:ギャガ・コミュニケーションズ+アートポート 配給:ギャガコミニュケーションズ

2002年09月21日よりビデオ発売開始 2002年09月20日よりビデオレンタル開始 2002年3月2日より日比谷スカラ座2ほか全国東宝洋画系ロードショー 2002年3月9日より渋東タワーにてレイトショー

公開初日 2002/03/02

配給会社名 0025

公開日メモ 第2次世界大戦中、ナチスドイツ支配下のポーランド。迫害を逃れるために農村に疎開したユダヤ人の少年(ハーレイ・ジョエル・オズメント)が、カトリック司祭(ウィレム・デフォー)や少女と出会い、つかの間の平穏な日々を過ごす。しかし彼はやがて戦争の過酷な現実、そして人の心の闇と光を目の当たりにすることになる。

解説



1942年、ポーランド。
農場、湖、なだらかな丘。日曜日に行く素朴な教会。
取っ組み合いのケンカをし、イエスごっこをし、
朽ちかけた納屋の中で、金色の髪の大人びた少女に恋を教わった。
あの頃、小さな美しい村が、ぼくたちのすべてだった。
あの現実が、世界の外側から押し寄せてくるまでは…。

『ぼくの神さま』は、ポーランドの小さな村を舞台に、ナチス占領下の過酷な現実の中にありつつも、友情をはぐくみ、淡い恋を経験しながら、大人への階段を一歩一歩登っていく子供たちを描いた感動作だ。
ナチスのユダヤ人狩りを逃れるため、ひとり田舎の村に送られてきたロメック。
隠れて豚を飼っていたという理由で父を殺された兄弟、ヴラデックとトロ。
両親をなくし、年老いた祖母と2人で暮らす少女マリア。
それぞれが運命を背負いながらも、子供が子供だけでいる時、美しい田舎の村はユートピアだった。
その日々が、迫り来るナチスの軍靴に踏みにじられようとした時、もっとも幼いトロが、誰も予想しなかった驚くべき行動に出る。
子供たちの胸に一生消えない思い出を刻んだ、彼の選択とは…!?

主人公のユダヤ人少年ロメックに『シックス・センス』『A.I.』のハーレイ・ジョエル・オスメント。彼が両親と別れて移り住む村の神父に、『プラトーン』『アメリカン・サイコ』の名優ウィレム・デフォー。
そして、主人公の少年が預けられる田舎の家の兄弟を演じるリチャード・バーネルとリアム・へスの演技も見ものだ。
特に幼い弟トロを演じるリアム・へスは、映画史に残る感動的なラストシーンで、ハーレイ・ジョエル・オスメントに一歩も譲らない、映画初出演とは思えない見事な演技を見せる。
無垢であるがゆえに、どんな悲劇にも負けない強さが宿るその瞳は、すべての観客を圧倒するに違いない。
かけがえのない子供時代を戦争によって侵食されたにも関わらず、光り輝く”子供の時間”。これを美しく哀切に描き切ったのがこの映画だ。
あまりにも意外なラストシーンの衝撃は、忘れられない深い感動となって、観る者の心に広がっていくだろう。

ストーリー




美しい村,無垢な子供たち。何があろうとも一生懸命に生きる小さな命

 愛する両親と別れ、トラックの荷台に乗ったジャガイモ袋の中に隠れて、11歳のユダヤ人少年ロメック(ハーレイ・ジョエル・オスメント)は、ポーランド東部の小さな村にやって来た。
 1942年秋、ナチスの軍隊がポーランドの街クラクフに侵攻し、ユダヤ人の強制連行が始まっていた。ロメックの両親はつてを頼って、この村の農夫に一人息子をかくまってもらうことにしたのだ。大学教授の父親は、この時のために、以前からロメックにキリスト教のお祈りの仕方を教え込んでいた。ナチスの目をごまかし、ユダヤ人という事を隠して生きていけるように。彼らは愛する息子に、二度と生きては会えないであろうことを覚悟して送り出した。
 ロメックを預かった農夫グニチオ(オラフ・ルバスゼンコ)には、妻エラと2人の息子がいた。12歳のヴラデック(リチャード・バーネル)とその弟のトロ(リアム・ヘス)だ。年齢の近いヴラデックは最初ロメックを嫌って高圧的な態度を取るが、弱くやさしい弟のトロは好意的だ。自分のベッドでロメックを寝かせてくれたり、村に来たナチスの軍人からロメックを守るために、自らがユダヤ人だと嘘をついたりする。
 ロメックは生まれて初めてカトリックの教会に行く。神父(ウィレム・デフォー)はロメックがユダヤ人だと知っていたが、あえて彼がカトリックに偽装することを許していた。
 ロメックはヴラデック、トロ、そして両親をなくしたマリアと共に、美しいポーランドの田舎の夏を過ごす。ナチスの軍靴が迫り、村は緊迫していたが、子供たちだけで過ごす時間は輝いていた。
 そんな子供たちの世界の中でトロは、ナチスが禁じた豚の飼育を行ったために殺されてしまう村人たちや、ユダヤ人ということだけで差別をされなければならない大人たちの世界に戸惑いを感じていた。そんな中、トロの父グニチオも殺されてしまい、トロの気持ちはますます激しいものになっていった。“僕がみんなを助けなければ”と。
 ある日、子供たちにカトリックの教義を学ばせようと、神父はキリストがユダヤ人であった事や、12使徒の物語を教える。そしてひとつのゲームを提案する。
「くじ引きをして、それぞれが引き当てた12使徒になってみるんだ。彼らが感じたことを感じ、彼らのことをよく知るために……」。
 くじ引きの時、もっとも幼いトロが「12使徒がいるなら、キリストもいなくちゃだめだ」と言い出す。そして、自分がキリストになると主張するのだった。人々の罪をあがなうために十字架にかけられたキリスト。彼を真似て、掌に釘を打ちつけようとしたり、帽子の下に茨の冠をかぶったりと、周囲から見ると奇妙な行動を取りはじめる。父親の死後、このようなトロの不可解な行動はますますエスカレートしていった。
 雨の中を“訓練”と称して裸で走り回ったり、「こうすれば、僕たちのパパも、ロメックのパパも、マリアのパパも戻ってくる」と言って自分を木に縛り付けさせたり……。トロの母に「トロをお願い、あなたを慕っているの」と頼まれたロメックも、そんなトロの気持ちを理解し、見守るのみだった。
 その頃、ナチスは何千人ものユダヤ人たちを列車に詰め込み、強制収容所へと送っていた。その列車から飛び降りて逃げようとするユダヤ人たち。彼らから持ち物を奪う村人も現れ、平和だった村はナチスの影響で荒れ始めていた。そんな中、ロメックは自分がユダヤ人でないと証明するため、ナチスの将校の前で強制収容所に送られるユダヤ人たちを辱め、持ち物を奪うはめになる。そんなロメックの姿をよそ目に、トロは思いがけない行動に出る…!

スタッフ

脚本・監督:ユレク・ボガエヴィッチ
製作総指揮:ダニー・ディムボート、トレヴァー・ショート、ボアズ・デヴィッドソン
製作:ゼブ・ブラウン、フィリップ・クラップ、アヴィ・ラーナー
ラインプロデューサー:ロニー・ヤコヴ
美術:メイリン・チェン
編集:デニス・ヒル
音楽:ジャン・A・P・カズマレック

キャスト

ロメック:ハーレイ・ジョエル・オスメント
神父:ウィレム・デフォー
トロ:リアム・ヘス
ヴラデック:リチャード・バーネル
グニチオ:オラフ・ルバスゼンコ

LINK

□公式サイト
□IMDb
□この作品のインタビューを見る
□この作品に関する情報をもっと探す