『ロシア映画の全貌2001』 ソヴィエト連邦が解体して10年、激動の世紀を歩んだ映画大国 ロシアの名作群を共和国の作品も含め一挙69作品上映!

1998年/ロシア/101分/35mm/ヴィスタ/カラー/ ロシアテレビ 配給:ロシア映画社

2001年、三百人劇場にて公開。9/7 4:50、9/8 6:50、9/17 2:30より 2000年9月23日より銀座シネパトスにて公開

公開初日 2000/09/23

配給会社名 0082

公開日メモ ロシアCF界で若きカリスマとして活躍するユーリー・グルィモフ監督の長編劇映画デビュー作。

解説

1998年映画テレビ・演劇の名手賞(フランス)

 ロシアCF界で若きカリスマとして活躍するユーリー・グルィモフ監督の長編劇映画デビュー作。文豪ツルゲーネフの小説「ムムー」を映画化したもので、ゴシック調とも言える重厚な語り口は、旧ソビエト文芸映画の伝統と新時代の感性が融合された新生ロシア映画の誕生を告げているかのようだ。
 監督のユーリー・グルィモフは、この時、31歳で、200本以上のコマーシャル・フィルムを撮り、そのうち50本がロシアや諸外国で賞を得たという売れっ子。巨匠と呼ばれてきた人々が製作資金を集められぬが故に長年にわたって映画を作れないでいる現代ロシア映画界で、TV局との共同製作という形ながら、100%ロシア資本での製作を実現し、彼の辣腕ぶりが伺える。
 女主人の理不尽さの根元を密かな情欲の屈折とする新解釈は、グルィモフ監督のアイディアによるものだが、リュドミーラ・マクサーコワの好演によって見事に形象化され、映画にリアリティと厚みを加えている。彼女は、”ロシア共和国人民芸術家”の称号を持つ演劇人で、数多くの名作映画にも出演している。
 ゲラーシム役のアレクサンドル・バルーエフは、「イスラム教徒」(1995年 ウラジーミル・ホチネンコ監督)のフョードル役でソチ映画祭主演男優賞を受賞した演技派。この作品では、監督に減量と日常での会話の禁止を命じられた。聾唖者の感覚を体得し、緊張感をたかめるためだが、その甲斐あって、怪異な容貌とは裏腹に心は無垢な男の一途さを演じきっている。
 ムムーを演じたむく犬は、”本名”マーシャ。その愛らしさと気品で、映画を観ている者の心までも洗い流し清めてくれる。

ストーリー

19世紀初頭、ロシアの首都モスクワ。とある貴族の館に中年の未亡人が従者たちに囲まれて暮していた。ある日、この館に新しい召使がやってきた。大男のゲラーシムである。彼は、生まれつき耳と口が不自由だった。
 そのゲラーシムが、館の洗濯女のタチヤーナにひとめ惚れする。最初はゲラーシムの容貌を恐れていたタチヤーナだったが、やがて、彼の優しさに触れ、好意を抱きはじめる。やがて、ゲラーシムは女主人にタチヤーナとの結婚を願い出ようとする。だが、ゲラーシムの思いも虚しく、女主人は、タチアーナを飲んだくれの靴屋に嫁がせるように命令する。
タチヤーナと靴屋の婚礼の夜、ゲラーシムは雄たけり狂う。そして、タチヤーナも狂おしいほどの思いにゲラーシムに身を委ねるのだった…
 ほどなく、タチヤーナは館を去って行った。その馬車を見送った帰り、ゲラーシムは川の浅瀬で子犬を見つけた。衰弱しきったその子犬を連れ帰った彼は、その言葉にならぬ言葉で「ムムー」と名付けて、まるで我が子のように世話をした。
 その甲斐あってムムーは元気になり、ゲラーシムのかけがえのない友となった。仕事の時、食事の時、眠る時、いつも彼とムムーは一緒だった。いつしか、ゲラーシムにも笑顔が戻った。
 だが、この幸福も長続きしなかった。庭で遊ぶ姿を女主人に発見されたムムーは、館から追い出すように命じられたのである…

スタッフ

原 作:イワン・ツルゲーネフ(同名小説より)
監 督:ユーリー・グルィモフ
脚 本:ユーリー・グルィモフ
     タチアナ・エゲレワ
     セレーナ・アンドレエワ
撮 影:ユーリー・クリメンコ
美 術:グリゴーリー・シロコフ
音 楽:ウラジーミル・ダシケーヴィチ
演 奏:ロシア国立映画シンフォニー・オーケストラ
指 揮:セルゲイ・スクリプカ(ドミトリー・ポクロフスキー・アンサンブル)
録 音:ユーリヤ・エゴロワ
編 集:ヴェーラ・クルグロワ
衣 装:アレクサンドル・オシポフ
挿入曲:モデスト・ムソルグスキー作「展覧会の絵」
(メトロポリタン・オーケストラ 指揮:ジェームス・レヴァイン)

キャスト

ムムー:マーシャ
女主人:リュドミーラ・マクサーコワ
ゲラーシム:アレクサンドル・バルーエフ
ガヴリーラ・アンドレエヴィチ:アンドレイ・マルトィノフ
カピトン:ウラジーミル・ステクロフ
タチヤーナ:エレーナ・コリコワ
ジュスティーナ:イリーナ・アペクシモワ
ステパン:ドミトリー・シェフチェンコ
少年:アンドレイ・ハリモン

LINK

□この作品のインタビューを見る
□この作品に関する情報をもっと探す