原題:ALIVE

本能を呼び覚ます−−ソリッド・サバイバル・アクション

第27回トロント国際映画祭正式出品作品

2002年/日本/カラー/109分/ビスタ/ドルビーデジタル/ 配給:クロックワークス

2003年10月24日よりビデオ発売&レンタル開始 2003年6月21日より、シネマスクエアとうきゅうにてロードショー公開

© SKYWORKS〈 KSS / EISEI GEKIJO / NTT-LS / THE KLOCKWORX / HAMMERS / NIKATSU / SUPLEX 〉

公開初日 2003/06/21

配給会社名 0033

公開日メモ 「地雷震」「鉄腕ガール」「スカイハイ」の高橋ツトム原作、超激震コミック「ALIVE」(集英社刊)映画化!!

解説



心に深い闇を抱える死刑囚八代天周は死刑執行の時に選択を迫られる。このまま死ぬか、それとも生きてみるか…
生きることを選んだ天周は、謎の施設へと移送され実験に参加させられる。
外界と完全に遮断された建物で天周を待ち受けていたのは、もう一人の凶悪な死刑囚、権藤。監視する研究員達。そして人間と武器以外、望むものすべてが支給される日々。閉ざされた空間で彼らのフラストレーションが限界に達した時、扉が開かれ一人の女が現われた——

デビュー以来、常に注目を集める漫画家・高橋ツトムが集英社の「週刊ヤングジャン
プ」に超激震漫画『ALIVE』を発表したのが1999年。
3年の歳月を経て、この原作の映像化に挑んだのは、オーストラリアで映画制作を学び、日本より先にハリウッドから認められた男、北村龍平。スタッフ、キャスト合せて6人、撮影期間10日間、わずか30万円の予算で自主制作したアクション・ホラー『ダウン・トウ・ヘル』で第1回インディーズムービー・フェスティバル・グランプリを受賞。長編第1作『VERSUS一ヴァーサスー』で世界中の映画祭を熱狂させ、注目の話題作『あずみ』では超新感覚アクションが映画界に新風を巻き起こす!
主演には、デビュー作『この窓は君のもの』(95)でいきなりの主演を務め、『突入せよ!あさま山荘事件』(02)、『刑事まつり(「忘れられぬ刑事たち」)』(03)、『呪怨』(03)、『新仁義なき戦い/謀殺』(03)、『あずみ』(03)、と話題作に立て続けに出演し、「デビアス/ダイヤモンドリング」のCMで唯一の日本人キャストとしてもお馴染みの榊英雄。北村監督と組んだ『VERSUS一ヴァーサスー』では“悪の権化”役を野性的かつ知的に演じ、本作では静かな中に狂気を併せ持つ主人公・八代天周を見事に演じた。
また、第56回ヴェネチア国際映画祭など数々の映画祭に出品された『双生児』(塚本晋也監督)で女優としてのキャリアを確実なものにしたりょうと話題作『ラスト・サムライ』(2004年正月公開予定)でトム・クルーズと共演する小雪が、“異次物”に苦しめられる姉妹を熱演。日本を代表する若手女優2人の顔合わせも興味深い。
さらに、日本では数少ない骨太の演技派、杉本哲太、確かな演技カと存在感に定評のある國村隼やベンガル、菅田俊、と日本映画には欠かせない顔ぶれが脇を固め、物語に奥行きをもたらしている。
常に世界の映画界に挑戦し続ける男・北村龍平が描き出す極限の殺意、人間の心の奥底にある闇——
世界に誇るキャスト・スタッフを集結させた怒涛の最新作が遂に解禁!!

ストーリー

恋人を暴行した相手6人を全員殺害し、4ヶ月の逃亡の後、恋人の原みさ子をも殺害した罪で死刑判決を受けた男、八代天周。その日、彼の死刑が執行されようとしていた。電気イスのスイッチが入り、処刑室全体に振動が起こる。しかし電流のスイッチが切られてもなお、天周は生きていた。書類上では死亡したこととなった天周に二つの選択肢が与えられる。“生きる”か“死ぬか”。生きることを選んだ天周は麻酔銃で意識を奪われ、彼の第二の刑が始まった——
意識を取り戻した天周を待ち受けていたのは、あらゆるものから遮断された部屋と、もう一人の死刑囚、権藤。突然スピーカーから二人の罪状を読み上げる男の声が聞こえ、彼らが実験に参加させられていることを伝える。部屋からは出られず、護衛以外の人間はその部屋に入ることはできない。しかし、武器と人間以外であれば何でも与えると言う。とりあえず彼らは新しい服と久しぶりの食事を要求する。
彼らが隔離されてから5日目。研究員による食事制限や、室温の変化により権藤は明らかにイライラがつのっていた。天周を挑発するかのように自らの数々の殺人を誇らしげに語り始める権藤。堪りかねた天周が、その言葉を遮ると、逆上した権藤が襲い掛かってきた。天周は冷静に傍らにあったビンを手に取ると、権藤の頭を殴りつけ気絶させる。さらに天周は、気を失った権藤を割れたビンで刺し殺そうとするが、寸手のところで踏み止まる。二の事をきっかけに権藤は天周に対して“憎悪”を抱きはじめ、天周は恋人との忌まわしき過去を思い出すようになる。さらに管制室では思考力を喪失させるためにブザーを鳴らし、二人の睡眠をも奪い始める。
隔離9日目。眠っていた天周と権藤が目を覚ますと、今まで閉じていた正面の壁のシャッターがいつのまにか開いており、ガラスで仕切られた部屋の向こうに女が一人立っていた。女は、自分も“隔離”されていて、その理由は彼女が《魔女》だからだと言う。
不審に思う天周とは逆に、権藤は久しぶりに見た人間の女に欲望をあらわに語りかけている。女は「そいつを殺して。そうすれば、こちら側に入れてあげる」と権藤を妖しく誘いだす。天周へ狂気の目を向ける権藤。そして、天周には似ても似つかないその女が、死んだ恋人・みさ子に見えはじめる。権藤が発する汚らしい言葉の数々が恋人に向けられたものだと錯覚した天周は、権藤に殴りかかる。人が変ったように、気を失った権藤を何度も何度も、執勘に殴りつづける天周。しかし、やはりギリギリのところで我に返り手を止めるのだった。モニターで一連の動きを観察していた研究員達は、残忍極まりない手口で大勢の人間を殺してきた男の、この予想外の行動に焦りを隠せなかった。男の心の奥には何か複雑なものが潜んでいるのか、それとも人選を誤ったのか…。
そんな折、研究施設の地下駐車場に数台の車が到着する。車から降りてきたのは国家安全顧問機関の徳武と部下の松田。二人は研究員のいる管制室へ乗り込み、高圧的な態度で研究の結果を問いただす。言葉を詰まらせる研究員達。徳武は、「国家はこれ以上、この実験に資金を出せない。今すぐ女をこちらで拘束する」と言い放つ。そこへ研究員の一人、三枝明日香が懇願し、告白する。女は、明日香の姉・百合華であり、得体の知れない『異次物』が彼女の体と精神を蝕みはじめていること、その『異次物』はより強大な殺意をもつ生命体へ移動すること、そして二人の死刑囚のうち、殺意の強い方へと『異次物』が移動する可能性が高いということを。それを聞いた徳武は、彼らに一週間の猶予を与える。
隔離から12日目。悪夢にうなされ目を覚ました天周は、なぜか百合華と権藤がガラスの向こうの部屋にいることに驚く。百合華は昨日とは別人のように怯えていた。そして権藤が彼女に襲いかかった瞬間、シャッターがおりてしまう。数分後、再び上がったシャッターの向二うに、権藤の姿はなかった。そして、天周を呼び寄せる百合華の姿は、先程怯えていた人物とはまるで別人の、《魔女》と名乗った時の女となっていた。
「さっきの女はどうした?」と尋ねる天周の前で、《魔女》と百合華が入れ替わる。百合華は自分の中に潜んでいる『異次物』のことや、それがある日突然、生物学の教授であった父親に取り惹いたこと、そして妹を殺そうとした父親と戦い、『異次物』が自分の中に入ってきたことを天周に話し、助けを求める。しかし、再び現われた《魔女》と名乗っていた『異次物』が、そのカで天周に幻覚を見せる。そこは天周の心底にある闇を表わした地獄だった。天周の殺した男たちが轟き、死んだ恋人のみさ子が語りかけてくる。「あなた、本当は汚れた私をゆるせなかったんでしょう?」封印していた忌まわしい記憶、感情が天周を襲い始める。殺意が頂点に達した天周に、『異次物』が叫ぶ「よくこ二まで来た。おまえはこの体より上だ!」。部屋を破壊するほどの大きな衝撃波と共に『異次物』は天周へと移動した。
実験は成功した。しかし、徳武と松田は喜ぶ研究員達を突然射殺する。国家は『異次物』のカを軍事的に利用しようと考えており、そのために邪魔な者を全て抹殺するつもりだったのだ。駐車場に待機させていた武装部隊に天周の捕獲を命じる徳武。隔離室に突入した武装部隊は、マシンガンを構えて天周を取り囲むが、『異次物』の力を利用した天周に敵うはずがなかった。目にも止まらぬ速さ、圧倒的な破壊力。部隊が全滅するのには数分もかからなかった。
百合華を人質に取りモニターに向かって部屋からの解放を要求する天周。その様子を見ていた明日香は、徳武たちの手を逃れ、姉を救うべく隔離室に飛びこんでくる。「あなたが『異次物』に侵食されるのは時間の問題。その前に殺さなければならないの」それを聞いた天周は、自分はこのまま『異次物』とともに死ぬつもりだと答える。一方徳武は、地下の駐車場に置いてある一台の車から何者かを連れ出し、隔離室に現われた。『異次物』は天周に乗り移っているもの以外にも存在し、実験は極秘裏にもう一つ行われていたと語る。徳武が連れて来た者、それは『異次物』と人間のDNAを融合して造られた戦闘マシーンだった。計り知れぬカを持つ者同士の壮絶な戦い——
その果てに天周は何を思うのか。そして再び青空を仰ぐことはできるのか…。

スタッフ

原作:高橋ツトム
監督:北村龍平
脚本:北村龍平、山口雄大、陶山勲

キャスト

榊 英雄
りょう
小雪
小田エリカ
ベンガル
國村隼
菅田俊
坂口拓
杉本哲太

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