原題:JIMI HENDRIX

彼はイギリスの音楽家たちに絶大な影響を与えた。誰もが彼を好きだった。同時に嫉妬してたのさ。 だから論議のまとになったが最後にみんなと和解した。音楽シーンを一変させた。                                    ———エリック・クラプトン

(スウェーデン1973年10月10日初公開)

1973年/アメリカ映画/カラー/102分/35mm/ヴィスタサイズ/ 配給:ケイブルホーグ

2011年07月20日よりDVDリリース 2009年07月08日よりDVDリリース 2007年12月07日よりDVDリリース 2007年08月10日よりDVDリリース 2000年9月15日(祝)より渋谷シネパレスにてレイトショー公開

公開初日 2000/09/15

配給会社名 0029

解説

2000年9月18日、天才ギタリスト、ジミ・ヘンドリックスがこの世を去って30年になる。今、ジミ・ヘンドリックスというミュージシャンを知っている人がどれだけいるだろうか。彼と同じ時代を過ごしてきた世代でも、彼の死後に生まれた世代でも、一度くらいは名前やその音楽を耳にしたことはあるだろう。彼が華々しく活躍していたのは、1967年から70年までのわずか3年程で、発表したアルバムは5枚しかない。その存在の大きさからすると意外なほど短い生涯である。しかし、彼の才能はいまだに色褪せることなく語り継がれている。ギターを歯で弾き、火をつけ、叩き壊すパフォーマンスは観客を熱狂させ、69年に開催された愛と平和と音楽の祭典ウッドストックでの、歪められた「星条旗よ永遠なれ」は爆撃をイメージしているといわれ、当時激化していたベトナム戦争の悲惨さを世界に訴えかけた。この作品にはそれら、ジミの業績を偲ばせる映像が克明に刻まれ、改めて彼の才能を目の当たりにする。
幼い頃からギターに親しみ、デビュー後すぐに活動を開始、参加したバンドは2年間に40を超えた。確認されているだけでも、アイズレー・ブラザースを筆頭に、B・B・キング、サム・クック、リトル・リチャード、アイク&ティナ・ターナーなど錚々たるメンバーである。没後30年を経過しても、未発表音源・映像が続々と発掘されているのは、その精力的なライブ活動ゆえである。
ジミが急死して3年後の1973年に製作された、この『ジミ・ヘンドリックス』はまだ生々しさが感じられる。偉大なアーティストを失った悲しみと、彼に対する憧憬が、父親、恋人、そして多くの友人たちなど、さまざまな人の口から語られる。ここでは、ミュージシャンというよりもむしろ一人の人間としてのジミ・ヘンドリックスを垣間見ることができる。
現在活動しているミュージシャンは、少なからずジミの影響を受けている、といってよいだろう。作品に登場するエリック・クラプトン、ミック・ジャガー、ルー・リードなど人気のあるミュージシャンたちはもちろんのこと、ロックに限らず、ジャズやソウルといった分野までも。今、ジャンルを越えてこれだけ多方面に影響力を持つミュージシャンが他に存在するだろうか。さまざまなジャンルに細分化し、一年も経てばまた新たな流れが作り出されているような、めまぐるしく動く今のミュージック・シーンの中でも、ジミ・ヘンドリックスの存在は偉大かつ特別である。60年代後半から70年代前半の狂乱に満ちた文化の流れの中で、生き急ぎ、燃え尽きたミュージシャンの一人に数えられる。おそらく今後も、彼を超えるようなオリジナリティ溢れるギタリストが現れることはないだろう。そしてこれからもずっと、ジミを知らない若い世代が、彼の音楽に触れ、憧れをもってギターを手にすることだろう。

ストーリー

スタッフ

制作:ジョー・ボイド
調査:ジョン・ヘッド
映像:ゲイリー・ウェイス
制作補佐:レオ・ブラントン
編集:ピーター・コルバート
編集アシスタント:ランディ・ロバーツ

キャスト

ジミ・ヘンドリックス
ポール・カルーソ
ミック・ジャガー(ザ・ローリング・ストーンズ)
エリック・クラプトン(ザ・クリーム)
ビリー・コックス(バンド・オブ・ジプシーズ)
リンダ・キース
モニカ・ダンネマン(ジミの恋人)
アル・ヘンドリックス(ジミの父親)
バディ・マイルス(バンド・オブ・ジプシーズ)
ミッチ・ミッチェル(ジミ・ヘンドリックス・エクスペリエンス)
リトル・リチャード 
フェイン・プリジョン(ジミの恋人)
ルー・リード(ヴェルヴェット・アンダーグラウンド)
ピート・タウンゼント(ザ・フー)

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