原題:PUNKTCHEN and ANTON

やっぱり点子には、かなわない

2004年11月26日よりDVD発売開始 1999年ベルリン国際映画祭出品 1999年トロント国際映画祭出品 2000年香港国際映画祭出品

1999年3月11日ドイツ公開

1999年/ドイツ/1時間48分/ドルビーデジタル/アメリカンビスタ/カラー/日本語字幕:蒼井尚子 後援:東京ドイツ文化センター 提供:メディア・スーツ/オメガ・ミコット/パノラマ・コミュニケーションズ 配給・宣伝:メディア・スーツ

2002年3月22日DVDレンタル開始 2002年1月25日DVD発売/2002年1月25日ビデオ発売&レンタル開始 2001年6月30日より恵比寿ガーデンシネマにてロードショー公開

公開初日 2001/06/30

配給会社名 0006

公開日メモ 小学生の点子ちゃんとアントンは大の仲よし。でも点子ちゃんの家は裕福だけれど、アントンのほうはちょっとワケあり。二人暮しのお母さんが病気で、アントンは家計のために内緒で働いているのだ。点子ちゃんも親友が困っているのをただ見ているわけにはいかない。なんとか力になりたくて両親に相談するが、パパは無関心、ママだって肝心の家庭をおろそかにしてボランティア活動に熱心だなんて、なんかヘン…。

解説


小学生の点子ちゃんとアントンは大の仲よし。でも点子ちゃんの家は裕福だけれど、アントンのほうはちょっとワケあり。二人暮しのお母さんが病気で、アントンは家計のために内緒で働いているのだ。点子ちゃんも親友が困っているのをただ見ているわけにはいかない。なんとか力になりたくて両親に相談するが、パパは無関心、ママだって肝心の家庭をおろそかにしてボランティア活動に熱心だなんて、なんかヘン…。
『ふたりのロッテ』『飛ぶ教室』で世界中に親しまれているドイツの児童文学者エーリヒ.ケストナーの、もう一つの名作の映画化。10歳の少年少女のすてきな友情が、おとなの姿を照らし出す。デビュー作『ビヨンド・サイレンス』で国際的な成功をおさめたカロリーヌ・リンク監督が、30年代に書かれた古きよき物語の精神を大切に残しながら、子供をとりまく状況を現代におきかえて新しい生命を吹きこんだ。
大切なのは親と子の親密なふれあい。家庭が愛情と信頼をはぐくみ、人をつくる。家族の崩壊がいわれて久しい時代に、カロリーヌ・リンク監督はケストナーの原作をとおして、あらためて普遍的な家庭のあり方のすばらしさを描いた。『点子ちゃんとアントン』は愛すべきキッズ・ムービーであるだけでなく、おとなにも心のゆたかさや生きる姿勢を問いなおす家族の成長の物語であり、本国ドイツではババリアン映画賞に選出されている。

主役を演ずるのは、2000人を超す応募者のなかから選ばれたエレア・ガイスラーとマックス・フェルダー。おてんば娘の点子ちゃんとけなげな少年アントンのイメージそのままに、自然体で好演する二人がつくりだすいきいきとした元気な子供の世界が楽しい。

ストーリー



アナルイーズは”点子ちゃん”というユニークなニックネームがよく似合う、明るく元気な小学生。同級生のアントンとは親友同士で、点子ちゃんがガキ大将にいじめられていると駆けつけて助けてくれるし、放課後もいつも一緒に過ごしている。
でも、近ごろアントンは忙しくてあんまり遊べない。というのも、病気になったママのかわりにアイスクリーム屋で働いているから。そのことは点子ちゃんと二人だけの秘密だった。父親のいないアントンの家では、生活が苦しい。ママを海岸へ静養に連れて行きたいけど、1000マルクもかかるからとても無理だとアントンはいっていた。点子ちゃんは親友の窮状を見すてておけず、さっそく。ハパに相談したが、とりあってもらえない。
有名な外科医であるパパは仕事一本やり。ママはボランティア活動に熱心で世界中を飛びまわっている。いまもアフリカに滞在中で、ビデオ・レターが届いたばかり。家政婦のベルタが身のまわりの世話をしてくれるし、フランスから来た住みこみの若い家庭教師ロランスもいて、点子ちゃんの毎日に何不自由はないが、両親のいない生活はやはりさびしかった。貧しくても、いつもママと一緒にいられるアントンがうらやましい。
そのアントンはある日、ママが電話で誰かとけんかしているのを聞いた。どうやらお金のことらしい。相手の名前はウォルフガング、もしかしてパパじゃないだろうか。ママはサーカスのフープ芸人だったころ、ベルリンでパパと恋におちた。でもパパは、アントンが生まれる前に死んでしまったっていってたけど…。
やがて点子ちゃんのママが帰って来た。久しぶりに甘えたい点子ちゃんだが、ママは疲れているからと話もきいてくれないし、その後もパーティーだのオペラだのと社交に忙しい。愛してるなんて口先ばっかり。点子ちゃんはさびしくて悲しくて、ふんまんやるかたない。
そして、とうとう点子ちゃんの怒りは爆発した。家計を助けたい一心のアントンが出来心で点子ちゃんのママの大事な金のライターを盗み、それを知ったアントンのママがライターを返しに来たときのこと。心から詫びるアントンのママを、点子ちゃんのママが「しつけがなってないわ。あなたは母親失格よ」と、きびしく責め立てたのだ。ママにそんなことをいう資格があるのかしら!「困ってる人を助けるのが仕事だなんてウソ!マスコミにだけいいカオをして!」。点子ちゃんはほんとうに怒っていた。
そのころ、アントンは置き手紙をして一人アパートを出た。「ごめんね、ママ。パパを探しに行きます」。家出事件は警察のヘリまで出動する騒ぎになったが、ようやく保護されたアントンをママは抱きしめた。「怒ってないわ。たしかにパパは生きている。私たちを捨てて出て行ったの。会いたいなら連れて行く。でも、パパは助けてくれないわ。彼はそういう人なのよ」。これからも二人で——固く抱きあうアントン母子の姿を、点子ちゃんはじっとみつめていた。
点子ちゃんのパパは、そんな娘の気持ちにちょっぴり気がついたらしい。でも、結局はママと責任のなすりあいで夫婦げんか。お金や名誉があっても、愛がなければなんにもならない。ますます傷ついた点子ちゃんは、もうおとなに頼らない、自分の力でアントン母子を助けようと、地下鉄の駅で歌って踊ってストリート・パフォーマンスのアルバイトを開始した。
点子ちゃんの元気で楽しいパフォーマンスは大人気。たんまり稼いだお金で点子ちゃんとアントン母子はご馳走をたらふく食べ、じゃれあって笑いながら思いきり楽しい時を過ごす。ほんと、幸せってお金だけじゃない。
それからまもなく、アントンはアイスクリーム屋の店員カルロスが、ガールフレンドのロランスのバッグから点子ちゃんの家の鍵を盗んだのを目撃し、大急ぎで留守番のベルタと警察に連絡する。泥棒カルロスはあえなく御用となった。お手柄を立てたアントンに、点子ちゃんの鼻も高い。パパとママもすべてを知り、ようやく自分たちの生き方を考えなおして、昔のような愛情を取り戻したようだ。
やがて夏休み。点子ちゃんのママはインド行きをとりやめ、親子三人で一緒に過ごす海辺の別荘へ、アントンとママを招待した。幸せいっぱい、点子ちゃんとアントンの友情バンザイ!

スタッフ

監督:カロリーヌ・リンク
脚本:カロリーヌ・リンク
原作:エーリヒ・ケストナー「点子ちゃんとアントン」(岩波書店刊)
美術:ズーザン・ビーリング
衣装デザイナー:カタリーナ・フォン・マルティウス
メイク:シュテファニー・ヒルケ/ナンニ・ゲープハルト-ゼーレ
オリジナル・サウンド:トーマス・バスティアン・V.D.T.
ミキシング:ミヒャエル・クランツ
音楽:ニキ・ライザー
編集:パトリシア・ロンメル・B.F.S.
キャスティング:アン・ドルテ・ブラーカー/ネッシー・ネスラウアー
撮影監督:トルスチン・ブロイアー
プロダクション・スーパーバイザー:ディーター・ミンクス
プロデューサー:ぺーター・ツェンク/ウッシー・ライヒ

キャスト

点子ちゃん:エレア・ガイスラー
アントン:マックス・フェルダー
ベッティーナ・ポッゲ:ユリアーネ・ケーラー
リヒャルト・ポッゲ:アウグスト・ツィルナー
エリ・ガスト:メーレト・ベッカー
ロランス:シルヴィー・テステュー
太っちょベルタ:グードルーン・オクラス
カルロス:ベンノ・フュルマン
ブレムザー先生:ミヒャエル・ハーネマン
ジョヴァンニ:ヘルムフリート・フォン・リュッティヒャウ
リッキー:フィンセント・アイディン
チャーリー:フローリアーン・ヴィーヒマン
質屋のおじさん:トーマス・ホルツマン

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