マルホランド・ドライブ
原題:Marholland Drive
2001年カンヌ映画祭監督賞(デイヴィッド・リンチ)受賞 第54回英国アカデミー賞編集賞受賞
2000年/アメリカ・フランス/カラー/ヴィスタサイズ/ドルビーデジタル/146分/ 提供:コムストック・テレビ東京・ポニーキャニオン・レントラックジャパン 配給:コムストック
2002年08月21日よりビデオ発売&レンタル開始 2002年4月20日より池袋シネマ・ロサにてロードショー公開 2002年4月13日より恵比寿ガーデンシネマズにてロードショー公開 2002年3月2日より渋谷東急3にてロードショー公開 2002年2月16日より新春第2弾シネセゾン渋谷ほかにて公開
公開初日 2002/02/16
配給会社名 0028
公開日メモ 濃密な闇に覆われた真夜中の山道を走る1台の車。闇は車内に忍び込み、全ての感覚が曖昧になる。自分が誰なのか、ここはどこなのかさえも。やがてぼんやりとしたヘッドライトに浮かび上がる“マルホランド・ドライブ"の標識。それは一度知ると、何度でも味わいたくなる美しくも妖しいワンダー・ミステリーへの入口だった……。
解説
濃密な闇に覆われた真夜中の山道を走る1台の車。闇は車内に忍び込み、全ての感覚が曖昧になる。自分が誰なのか、ここはどこなのかさえも。やがてぼんやりとしたヘッドライトに浮かび上がる“マルホランド・ドライブ”の標識。それは一度知ると、何度でも味わいたくなる美しくも妖しいワンダー・ミステリーへの入口だった……。
前作『ストレイト・ストーリー』で、世界中の人々に一生忘れられない本物の感動を与えたデイヴィッド・リンチ監腎。そのリンチが、今度は観る者に一生消えない深い傷のような衝撃を与えるミステリーを完成した。細部にわたる伏線、謎に満ちた登場人物、常識を破壊する展開を追ううちに、スクリーンからはエロティックで切ないラヴ・ストーリーが鮮やかに浮かび上がる。そして最後には、リンチ自身がパニ
ックに陥るほど悩んだという、鋭い刃のように研ぎ澄まされた驚愕の結末が、観る者の心に突き刺さる。エンド・クレジットが流れる時、もう一度最初からこのミステリーを味わいたくなる、そんな魔力を持
った作品、それが「マルホランド・ドライブ」だ。本作は、2001年のカンヌ国際映画祭でも大絶賛され、監督賞を受賞している。
マルホランド・ドライブで車の衝突事故が起こる。ただ一人生き残ったブルネットの女は記憶をなくしていた。女は有名女優の留守宅に身を潜めていたが、女優の姪のベティに見つかる。女はとっさに”リタ”と名乗るが、やがてベティに事情を打ち明ける。同情したベティは彼女を助けようと決意、手がかりを求めて開けたリタのバッグには大金と青い鍵が入っていた……。素直で優しいブロンドのベティには「タンク・ガール」のナオミ・ワッツ、妖艶で謎めいたブルネットのリタには「リトル・ニッキー」のローラ・エレナ・ハリングが扮している。物語は劇的な展開を見せ、二人のヒロインは甘く激しい愛の世界にからめとられていく。ヴェテラン女優でも難しい演技の幅を要求された二人だが、見事にその難問をクリアした。
本作は最初、ABCのTVシリーズとして企画された。あの中毒者が続出した伝説のTVシリーズ「ツイン・ピークス」を凌駕すると期待されたが、パイロット版を観たABC側がその過激さに恐れをなし、企画を中止してしまった。しかし、映画として甦らせようと、リンチと親交の深いピエール・エデルマンやフランス映画界を代表するアラン・サルドらがプロデューサーに名乗り出た。制作費も大幅に増額され、リンチは新たなヴィジョンのもとに追加シーンを撮影、編集もすべてやり直して新しい作品を誕生させた。
”マルホランド・ドライブ”とは、ロサンゼルス北部の山を横断する実在の通りの名前。若者たちが夜中に猛スピードでレースをする場所としても有名。曲がりくねった暗く危険な道だが、眼下にはハリウッドのきらびやかな街並みが一望できる。
スタッフにはリンチ作品を支えてきた名前が並ぶ。製作・編集は『ストレイト・ストーリー』の製作・脚本を担当したメアリー・スウィーニー。リンチの公私にわたるパートナーだ。ミステリアスな映像を撮り上げたのは、『ロスト・ハイウェイ』のピーター・デミング。音楽は『ブルーベルベット』以来、リンチの全作品を担当している
アンジェロ・バダラメンティ。また、本作はジェニファー・サイムに捧げられているが、彼女は『ロスト・ハイウェイ』にアシスタント及びキャストとして参加。当時キアヌ・リーヴスの恋人だったが、交通事故で死去、28蔵の若さだった。
ストーリー
真夜中のマルホランド・ドライブを走る1台の車。後部座席にはブルネットの美女(ローラ・エレナ・ハリング)が座っている。突然車が止まり、運転手が彼女に銃を突きつける。その時、前方から猛スピードで走ってきた2台の車が女の車に激突する。大破した車から出てきたブルネットの女は、傷を負ってよろめきながらハリウッドの街へ降りていく。女はサンセット大通りで力尽き、高級アパートの玄関先に倒れこむ。翌朝、女が目を覚ますと、アパートに住む有名女優のルースが出かけようとしている。女は隙を見て彼女の部屋へもぐりこむ。希望と喜びにキラキラと目を輝かせたブロンドのベティ(ナオミ・ワッツ)は、女優を夢見て、叔母のルースを頼りにオンタリオからハリウッドヘやって来た。ルースはベティのためにオーディションを手配し、留守中のアパートを貸してくれたのだ。ベティがウ
キウキと部屋を見て回ると、シャワー室にブルネットの女の姿が。ベティは叔母の友達だと思い込み、名前を尋ねる。名前を思い出せない女はリタ・ヘイワースのポスター(映画「ギルダ」)を見て“リタ”と答え、事故にあって怪我をしたので休ませてほ
しいと頼む。
ベティは叔母との電話で、リタが見知らぬ他人だと知る。ベティが寝室へ行<と、リタは何も思い出せないと泣きじゃくっている。手がかりを求めて開けたリタのバッグには、大金と不思議な形の青い鍵が入っていた。彼女が思い出せたのは"マルホランド・ドライブ"という言葉だけだった。ベティ は同情と好奇心から、リタの記憶を取り戻す手助けをしょうと決意する。 翌朝、二人は公衆電話からロサンゼルス警察に"マルホランド・ドライブ”で事故があったかを問い合わせる。警察は事故があったことは認めたものの、詳しいことは教えてくれない。コーヒーを飲みに入 ったレストランで、リタはテーブル係の女性の名札から"ダイアン・セルウィン"という名前を思い出す。帰宅した二人が電話帳で見つけたその名前の番号にかけると、留守番電話のメッセージが流れるが、リタの声ではなかった。二人はダイアンの住所、シエラ・ボニータを訪ねることにする。 翌日、ベティのオーディションは大成功。キャスティング・エージェントのリニーはベティを気に入り、別の大作映画のオーディション会場に彼女を連れて行く。そこでは新進監督のアダム(ジャスティン・セ ロウ)が主演女優のオーディションをしていたが、彼の表情は沈んでいた。影で絶大な力を持つ男が、選ぶ女優を指定してきたのだ。目が合ったベティとアダムは何かを感じ、一瞬にしてひかれあう。 ベティとリタはダイアンの部屋を探し当ててノックするが、返事はない。ベティは玄関の横の小窓から部屋へ侵入し、リタを招き入れる。二人が奥の寝室へ入ると、そこには腐乱した女の死体が……。死体は誰なのか?ダイアンとは?そもそもリタとは一体何者なのかベティは同情以上の特別な感情をリタに持ち始めていた……。
スタッフ
監督:デイヴィッド・リンチ
製作・編集:メアリー・スウィニー
製作総指揮:ピエール・エデルマン
美術:ジャック・フィスク
撮影:ピーター・デミング
音楽:アンジェロ・バダラメンティ
キャスト
ローラ・エレナ・ハリング
ナオミ・ワッツ
ジャスティン・セロウ
ロバート・ワッツ
アン・ミラー
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