原題:RUSH!

愛と金。

2001年/日本映画/カラー/35ミリ/ヴィスタサイズ/110分 製作:エルク インフィニティ 製作協力:ツインズジャパン 配給:スローラーナー

2002年1月25日DVD発売/2001年9月14日ビデオレンタル開始 2001年6月23日より、渋谷シネ・アミューズにてロードショー!

完成披露試写会での舞台挨拶の模様::http://cinema.fan.to/topics/topics.php?number=92&tosi=2001&tuki=03

公開初日 2001/06/23

配給会社名 0048

公開日メモ 『HYSTERIC』の瀬々監督最新作は、愚かで悪いけれど、愛すべき人々が繰り広げ るエキセントリックなスラップスティック・コメディ+言葉が通じない男と女のラブストーリー。

解説


5000万円強奪をめぐる愚かで悪くて愛しいヤツらのゲーム。最後に誰が金を持っているのか?『HYSTERlC』の瀬々監督最新作は、エキセントリックなスラップスティック・コメディ+言葉が通じない男と女のラブストーリー?

《結末があ一だったらこ一だったら、映画やドラマを観ながらナンクセつけることありませんか?》
ちょっと前なら信じられないくらいにボーダレスで超個性的スタイルを持った映画や映画監督たちがここ日本でも猛威をふるっている。キーポイントは時代もジャンルも国籍も超える超エンタテインメント・パワー。その中から突如登場したのが、この『RUSH!』だ。

きっとあなたの『RUSH!』初対面の印象は、大金を巡って愛すべきキャラクターたちが右往左往にカケズリ回る群像劇スタイルのクライムムービー。”が!”『RUSH!』がアタマひとつ抜けているのは、怪しげに用意された\50,000,000.を元手に、発端も展開も結末も異なるいくつもの物語が勝手に併走していく点。スタート地点では、狂言誘拐の身代金だったハズの\50,OOO,000,が、裏のルートで刑事に渡るハズだった\5,000,000.になり、しまいには人生に見放された三十路男のしぼんだ心を救う\50,O00,000.になる。「いったいこの大金、誰が手にしたらいいの?」ビッグマネーに翻弄されっぱなしの憎めない奴らの行き着く先は果たして?!

ギアチェンジ&猛チャージ&逆走&割り込みお構いナシ、父と娘の葛藤、カルチャーギャップ、刑事と犯人の追走、ロマンチックなエピソード、不器用で愛しい奴等の人間ドラマとさまざまな要素をはらみつつ、エキセントリックにスラップスティックに進んでいく映画は、いったんは結末へと導かれる。ところが、『RUSH!』は、最初のエンディングだけでは終わらない。そこから本当にたどり着きたかった二つ目のエンディングに向かいReスタート。ちりばめられたパーツから観客達が発見する人生のセオリー。ソレは、ソイツは!やっぱり!!ヤッパリ!!!!LOVEなのか——!!!!!!!!!!!!

《ハングルVSジャパニーズ。まったく言葉が通じないカップル、だから、ソウルて感じ合うしかない》
ソヨンと昌也。ハングル語と日本語で、相手が何をしゃべっているのか、何をしたいのかまったくワカラナイ、妙なカップル。だからこそ、二人はハートとソウルでお互いを感じ合うことになる。まるで2002年KOREA JAPANワールドカップを前にした両国の関係のような主役二人は、日本でもハリウッド作品を超える興行成績を叩き出したメガヒット映画『シュリ』のヒロインであり、『燃ゆる月』の公開も待ち受ける韓国のトップ女優キム・ユンジン。そして、黒沢清や三池崇史など活況を呈する日本映画界で先端を走る監督達からの絶大な信頼とともに、数多くの出演作て映画ファン/ビデオファンから絶大な支持を得、今や、イチ役者から独自のブランドとなった観のある哀川翔。

ストーリー

日本語とハングル語でロゲンカしながら、マンザラでもなさげなカップルが車を走らせている。そのとき、空から黒い物体が降ってきた!——横転している車と血を流し倒れている男と女

「焼肉革命」のキャッチフレーズでノシ上がったパルテノン・チェーン。その厨房で働く昌也(哀川翔)は、借金まみれの従業員カップルからある計画をもちかけられる。オーナー孫(峰岸徹)の愛娘ソヨン(キム・ユンジン)の誘拐。首謀者は父親に韓国から呼び寄せられたソヨン自身。亡くなった母と自分を国に残したまま消えておきながら、今頃父親ヅラをする身勝手な父親へのシッペ返し、そして明るい未来のために大金5000万円をせしめてやろうというハラなのだ。日本語が話せないハネっ返りのお嬢様と、気はいいものの少しヤンチャな性格の昌也。相性は最悪ながら、二度と無い一攫千金のため、昌也は一味に加わった。とりあえず計画は問題なくスタートした…かに見えた。

愛娘誘拐の報を受けた孫に、予想だにしない事態が起こった。ヤバい仕事を請け負わせた小悪党・成瀬(大杉漣)がその報償をめぐり、孫を過って撃ち殺してしまったのだ。オーナー室で身代金受渡しの電話を受けた成瀬は最高のシナリオを思いつく。一見、成瀬のシナリオも順調にスタートした…かのようだった。

受渡し場所に届けられたのは孫の死体とパトカーのサイレンだった。わけはわからないが何はともあれ逃走する昌也とソヨンたち。成瀬の表の顔は刑事だったのだ。大金を手に入れ、誘拐犯に殺人事件をなすりつけ、オマケに手柄もイタダキという超ラッキーな”濡れ手に粟”プランが成瀬の描く最高のシナリオだったのだ。間抜けな誘拐犯と悪どい刑事の逃走劇はスタートした…はずだった。

ソヨンを後ろに乗せひた走る昌也のバイク。併走するタクシーに乗っているのはうだつのあがらないサラリーマン風の島崎(柳葉敏郎)。妻と揉める携帯電話の会話から、いよいよ2つ目の物語が割り込み始める。

高原の別荘へと到着する島崎を待っていたのは、浮気相手のホスト(千原浩史)と休日を過ごす妻の姿だった。それでもニコニコとつくり笑顔の島崎を残し、妻はホストの赤いスポーツカーに乗って出て行ってしまう。

その後、どこでどう決心し直したのか、島崎は二人のホテルヘと乱入する。どこで手に入れたのか銃を持って・・・。しかし、痴話ゲンカは中途半端に発展しないまま終了。あまりの情けない展開に、妻は男達を罵倒し東京へと帰ってしまう。残されたのは寝取られ男と寝取り男。途中、ギャンブルヒッチハイクの旅を続ける謎のプロレスラー(ハニホー・ヘイハー)も加わり、珍道中がはじまる。ギャンブルで儲けた金を元手に温泉地で三人は豪遊。バンジー、酒盛り、カラオケ、ナンパにケンカ。楽しい一夜に、島崎の気も晴れた。疲れた男達のエアポケットのような膝栗毛ツアーはこうして終わる…はずだった。

翌朝、ホストは島崎とレスラーと別れ、昨晩ナンパしたホステス(麻生久美子)と出ていった。ところが、ホストは、狂言誘拐×[焼肉店オーナー+刑事]連続殺害の凶悪犯人として刑事・安藤に獲捕される。身に覚えのない容疑にホストはレスラーが大事に抱えていたバッグを思い出し、刑事を二人の元へと案内する。ところが、真犯人(?)は違った。過激に銃をぷっ放す安藤に、島崎が大金は持っているのは自分だ、と白状する。ところが!彼のバッグからも金は消えてた。”金がない!金はどこへ消えたんだ!!そして…、成瀬はいつ殺されたんだ?!島崎はいつ大金を手にしたんだ?!”

混迷を極める状況に、時間は巻き戻され、きまぐれな脇道に翻弄されなかったはずの、あらたなストーリーがReスタートする。今度はラブストーリーのように。

スタッフ

監督:瀬々敬久
ゼネラルプロデューサー:遠藤秀
企画:あいかわ翔+神野智
プロデューサー:下田淳行+岡田真
脚本:瀬々敬久+井土紀州
撮影:林淳一郎
美術:丸尾知行 
録音:三澤武徳
編集:菊池純一
音楽:安川午朗
主題歌:川村結花「Festa」(epic records)
製作:エルク インフィニティ
製作協力:ツインズジャパン
配給:スローラーナー

キャスト

ソヨン:キム・ユンジン
昌也:哀川翔
島崎:柳葉敏郎

成瀬:大杉漣
安藤:阿部寛
靖子・美香:麻生久美子
徹:千原浩史
コパルデ:ハニホー・ヘニハー

LINK

□この作品のインタビューを見る
□この作品に関する情報をもっと探す