不貞の季節

SM作家の夫と彼を拒む妻の痛々しい愛の結末・・・・ 驚くべきことに大杉漣初生主演作品

1999年／35ミリ／日本映画／カラー／88分 配給：Y・F・C・+スローラーナー

2001年4月4日ＤＶＤ発売／2001年4月4日ビデオ発売 2000年9月2日よりテアトル新宿にてレイトショー

公開初日　2000/09/02

配給会社名 0048

解説

ストーリー

20年前の話である。SM作家・黒崎は取材と称して自室にモデルの女を連れ込み、編集者川田とモデルの京子に緊縛を繰り返していた。現場を目撃した黒崎の妻、静子は夫のエログロな趣向を罵り、黒崎と夜の交渉を絶つと外出することが多くなった。酔っぱらって帰り、マックという外人の英会話塾を手伝うという。しかし、それを機に静子は、妙に美しく艶やかになっていくのだ。誰と不貞をはたらいているのだろう?
マックなのか?それとも?黒崎は、嫉妬に悶えた。しかし、黒崎が相談すると、川田は思わず静子と関係を持ったことを告白したのだ。
「お許し下さいッ、お世話になっておきながら、恩をあだで返しましたッ。奥様に手を出しましたッ、塾の帰りに、スナックで…ちょっとだけ飲みましたらついいい気持ちになってしまい、タクシーの中でどちらからともなく手を握り…」
川田は、黒崎に向かって土下座して謝った。しかも静子は川田のあらゆる趣味に従順に応え、川田を喜ばせているというのだ！
黒崎は、嫉妬と自虐的な状況にかつてない興奮と欲情を覚え、川田に二人の情事を録音させる。
彼女は何を考えているのだろう?
目の前には淡々と日々を送る静子がいた。
そして、黒崎は妻への愛を小説に書き始める…。
ある日、黒崎は静子をスナックに誘った。驚いたことに、そこには京子や川田だけでなくマックも揃っていたのだ。すべては黒崎の仕業だった。
「うわっはっは、今日は小説のめどが立ってね、だから日頃苦労をかけてる妻に罪滅ぼしってわけだッ」
黒崎は、卑屈な態度をとり、憑かれたように笑った。
そして、トイレで静子を抱きしめると言うのだ。
「興味があるなら言えばよかったんだッ、私が縛ってあげたのに！」
そんな、黒崎に静子は、冷たくしかも穏やかに言った。
「だめよ。あなたは川田のように上手に縛ることはできないでしょ?文章だけの、観念だけの男よ」
ムキになって川田と同じことをしようとする黒崎。
受け止める静子。
だがやがて、黒崎が動かなくなる。眠ったのだ。静子の目の前に、酔いつぶれた呑気な黒崎がいた。
二人に、そろそろ別れの時が近づいていた…。

スタッフ

原作：団鬼六(新潮文庫『美少年』収録)
監督：廣木隆一
プロデューサー：横畠邦彦、成田尚哉
脚本：石川均
撮影：鈴木一博
照明：上妻敏厚
美術：高橋俊秋
録音：深田晃
編集：菊池純一
音楽：遠藤浩二
プロダクションマネージャー：東康彦
助監督：西保典
キャスティング：水永久美子
緊縛指導：雪村春樹
製作担当：緒方昌孝
メイク：永江三千子
スタイリスト：小倉久乃
スチール：渡辺辰己
方言指導：office RA-JA
タイミング：飯野浩
効果：福島音響
ネガ編集：三陽編集室
監督助手：稲葉博文、白垣量童
撮影助手：岡宮裕
照明助手：荻野真也
録音助手：岩丸恒
車輌：工藤秀優
製作進行：北村卓嗣、田村豊
エンディングテーマ：『星をください』
作詞/作曲：甲本ヒロト
歌・編曲：The Blue Hearts
衣裳協力：上野眼鏡屋
協力・ソニーPCL、日活健康保険組合、福島音響、日本映機
報映産業、シバテック、グリフィス、山崎美術、ＪＫＳ、ランナーズ、ギンガム音楽出版
製作協力：ボノボ
製作：Y・F・C・、大洋図書

キャスト

黒崎悌造：大杉漣
黒崎静子：星遙子
川田：村上淳
京子：山崎絵里
トメ：しみず霧子
マック：チャーチル・ウィリアム・ブライアン
編集者：伊藤裕作

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