原題:L'EMPIRE DES SENS

カンヌを震撼された”愛のコリーダ”旋風! 「なんと美しい映画だろう」マルセル・マルタン(映画評論家) 「あまりの感激に心を失いそうになりました」レスリー・キャロン(女優) 「この映画は、人間の肉体のもつ情熱の極致を描き切ったことで、映画史にのこる作品となるだろう『ラスト・タンゴ・イン・パリ』や『ディープ・スロート』と同列においてはならないのだ」ニューズウィーク誌

1976年カンヌ映画祭・監督週間オープニング作品

1976年/日本・フランス映画/35mm/上映時間1時間49分/ 提供:大島プロダクション×ギャガコミュニケーションズ

2011年09月24日よりDVDリリース 2000年12月2日より渋谷シネ・アミューズにて公開決定! 2001年5月16日DVD発売/2001年5月18日ビデオ発売

公開初日 2000/12/02

配給会社名 0025

解説

1976年、カンヌ国際映画祭。その監督週間のオープニングに上映された大島渚監督の「愛のコリーダ」は凄まじい反響と絶賛の拍手にむかえられた。試写会場は連日超満員、少なくとも11回という異例の回数を重ね、カンヌ映画祭最高の人気と評判を呼んだのだった。

 日本に軍国主義の黒い影が重くのしかかってきた1936年、世間の目を恐れず、既成の道徳に背を向けて、ひたすら2人だけの世界に没頭していった定と吉蔵…。映画は、日本の恋愛史において最もセンセーショナルな出来事といわれた、“安部定事件”を題材に、男と女の究極の愛の姿を、鮮烈な色彩と匂いたつような官能で激しくも哀しく描いた衝撃の愛の傑作である。

 当時、既にヨーロッパでその才能を認められつつあった大島渚監督に、フランスのプロデューサー・アナトール・ドーマン率いるアルゴス・フィルムが製作投資し、誕生した二十世紀の映画史に誇るべき名作『愛のコリーダ』。フランスでは『L’Empire des Sens(官能の帝国)』という作品タイトルにてひとつの『文化的な事件』として受け入れられ大ヒット、また、ブラジルでは1年以上の大ロングランヒットの末、当時の興行記録を塗りかえるなど、マスコミのみならず一般観客にも熱狂的に受け入れられた。

 1976年の日本初公開当時は、製作サイドとしては不本意な大幅修正※1が加えられたプリントで上映された。この度の上映にあたっては、オリジナル・プリントをフランスから取寄せ、2000年現在において監督の製作意図に限りなく近い本編ノーカット※2版で、公開できることとなった。

(※1初公開時→合計約2分間の本編プリントのカット、及び、画面のマスキング含む、多くのオプティカル処理あり。)
(※2今回→本編プリント自体のカットなし、但し、税関・映倫の精査を受けたボカシあり。)

 主演の安部定には映画初出演にして大役を射止めた松田英子、定の情熱のすべてを身体いっぱいに受けとめる吉蔵には藤竜也。日本側の製作には若松孝二、撮影に、伊東英男、照明に、岡本健一、美術に、戸田重昌、衣装に、加藤昌廣、編集に、浦岡敬一、そして助監督には、崔洋一。1975年の末、京都の大映スタジオで撮影、未現像のフィルムをフランスに送り、大島渚監督自身がフランスで編集を行い、日本とフランスが生んだ傑作『愛のコリーダ』が完成したのである。

ストーリー

昭和11年2月1日、東京中野の料亭吉田屋に安部定という女が住み込み女中としてやってきた。吉田屋の主人、吉蔵は40すぎの男盛り、「苦味ばしった」それでいて優しい男。定は一目惚れしてしまう。一方、吉蔵も、廊下を雑巾がけする後姿など、水商売の歳月を重ねてきた定の漂う色香に惹きつけられる。

 ある日、離れ座敷へ定がお銚子を持ってゆくと、吉蔵が芸者を相手に清元を唄っていた。誘うような男の歌声に定はすっかり聞きほれてしまい、芸者が用足しに立った短い間に吉蔵に体をゆるしてしまう。ほんの遊びにすぎなかった始まりから、定は吉蔵にすっかり夢中になってしまう。吉蔵もそんな走を可愛く思い、2人は夜更けの応接問や朝早くの離れ座敷などで情事を重ねるようになる。

 やがて、2人の仲が吉蔵の妻トクに知られてしまい、吉蔵と定はしめしあわせて駆け落ちする。待合宿に落ちついた2人は、駆け落ちを祝言にみたて芸者をあげて騒いだり、楽しみの限りをつくす。はじめは1日か2日のつもりで家を出てきた吉蔵もいつしか定の情熱にひきずられ、ずるずると日を重ねてゆく。幼児のように天真燗漫に遊びたわむれる定。その定の要求に何ひとっさからわず喜々としてこたえてやる吉蔵。定は生まれてはじめてつかんだ幸せを永遠に離したくないと思うのだった。

 しかしお金がなくなってしまう。吉蔵を家に帰したくない定は、吉蔵に自分の赤い長橋衿を着せて部屋に閉じこめ、自分は名古屋のパトロンのもとへ金策に行くのだった。

 離れている時間の切なさ。再会した2人は更に待合宿を転々、いっそうこまやかな愛欲の世界に入ってゆくのだった。2人が駆けおちしてから、いつのまにか2週間が経ってしまった。吉蔵は「2人が末長く楽しむために」どうしても一度家へ帰り、さまざまなことを取りつくろって来なければならないと言うのだった。長いいさかいの末、定はようやく承諾する。

 互いに思いをつのらせて二人が再び会ったのは、一旦別れてから5日目、5月11日だった。青葉にも風にもそむいて2人は待合の一室に閉じこもったまま果てしない愛欲の生活にのめりこんでゆく。定はたわむれに出刃包丁をふりかざし、「今度別れようとしたら殺してやる!」と叫ぶのだった。吉蔵もふと、ほんとうに殺されるのではないか、ほんとうに殺されでもいいと思うのだった。

 次第に、2人の愛欲には死の影がしのびこんでくる。吉蔵は疲れはじめ、2人の間にもの悲しさが流れはじめる。そして2人はいっそう激しくたわむれるのだった…。

スタッフ

製作:アルゴス・フィルム(フランス)
オセアニック(フランス)
大島渚プロダクション
製作代表:アナトール・ドーマン
脚本・監督:大島渚
製作:若松孝二
撮影:伊東英男
照明:岡本健一
美術:戸田重昌
美術担当:下石坂成典
装飾:荒川 大
衣装:加藤昌廣
録画:安田哲男
編集:浦岡敬一
音楽:三木稔
演奏:日本音楽家集団
美粧:竹村幸二
結髪:大沢菊江
スチール:小山田幸生
合作調整:フランス映画社

キャスト

吉蔵:藤竜也
定:松田英子
「吉田屋」のおかみトク(吉蔵の妻):中島葵
「吉田屋」の女中松子:芹明香
〃キヌ:阿部マリ子
〃千恵子:三星東美
老乞食:殿山泰司
「吉田屋」の女中頭お常:藤ひろ子
芸者八重次:白石奈緒美
「みつわ」女中:青木真知子
芸者(「みつわ」):東祐里子
〃:安田晴美
〃:南黎
〃:堀小美吉
半玉:岡田京子
幇問:松廼家喜久平
「田川」のおかみ:松井康子
大宮先生:九重京司
(満左喜)の女中:富山加津江
蛇の目の娘:福原ひとみ
小料理屋のおやじ:野田真吉
芸者菊竜:小林加奈枝
芸者(「満左喜」):小山明子

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