原題:DOGMA

アメリカ上映禁止運動が起こった超問題作がいよいよ日本に殴りこみ! 訳あって世の中、ブッ壊すことにしました。

1999年/アメリカ映画/129分/シネマスコープ/カラー/ ドルビー・デジタル、SDDS,DTS/字幕翻訳:松浦美奈 特別協賛:萩島商事株式会社 ギャガ・ヒューマックス共同配給 サントラCD:ワーナーミューシック・ジャパン

2001年3月23日DVD発売/2001年2月9日レンタル開始 2000年7月8日より全国松竹・東急系にて悶絶ロードショー

©1999 MIRAMAX FILMS ALL RIGHTS RESERVED.

公開初日 2000/07/08

配給会社名 0025

解説

ぶっとぴアクション登場!!これはヤバイ!!
 感動作『グッド・ウィル・ハンティング旅立ち』(97年)の黄金コンビ、マット・デイモンとベン・アフレックが帰ってきた、今回はまさに手に手をとって!!!
 黄金コンビの復活を素直に喜んでいいのかは当人たちにも観客にもわからない?上下入り乱れて混乱する天使アクション・ムービー。トバない(トベない)天使たちのぶっトンたお話し。これがホントの真理なのか!!カモノハシが喜ぶ「神」のシンジツの姿はいかに?
 これが世界各国各方面に乱降下する笑いと感動をもたらしたミレニアムなユーモア作ケヴィン・スミスの『ドグマ』である。
 かよわい婦女子(そんな言葉、死語か?)の叫び「おお、ノー!!」、ついでにタマはあってもアタマのない男たちの「おお、マイ・ゴッド!!」の絶叫を誘発し、そのウワサがワールドワイドに急展開という、神も嘆く、いやここに出てくる神なら大喜びのシーンをいくつか隠し持ったいわくのケッ作である。『素晴らしきらしき哉、人生!』(46年)以来、天使が登場する映画はおびただしく、近年は『ベルリン・天使の詩』(87年)、『ワイルド・アット・ハート」(90年)、『シティ・オブ・エンジェル』(98年)と天使はいつもどこかに苦く甘く存在してきたわけだが、そんなところへ、天使ブームに”とどめを刺す”(笑)『ドグマ』が舞い降りたのである。
 出てくるのは天使ばかりではない、神も天上世界にうんざりしたのか、物見遊山に地上に降りてくるし、キリストの末裔は出てくるは、聖書配載もれの黒人の使徒はクレームつけにやってくるわで、いいのか?これで。
 この映画最大の話題は最後に登場の世界の歌姫、ちょいとエキセントリックな歌が赤ん坊もなごませるアラニス・モリセットだろう。グラミー賞も制覇し、来日公演も何度かおこなってすっかりお馴染みの彼女のおでまし。生声というか、破壊力抜群の天声を聞かせてくれる。チャールトン・ヘストン(『十戒』)なら、こめかみピクピク、その立場(全米ライフル協会会長)もあって、弾丸をぶちこみたくなるのは確実である。アルマゲドンよりもひどい、と。
 ケヴィン・スミスの脚本は、いつもどおりのおしゃべりだが、冒頭、マット・デイモンがシスターに改宗をせまるために用いるのが、ルイス・キャロルの『不思議の国のアリス』のエピソード「大工とセイウチ」語である。
ほとんど飲み屋の「ヨタ話」、冴えている。各方面の怒りを買うのは、つねにスミスの台詞には、余計なところに会話をオトすテクを多用するからだ、今回はウィスコンシン州の民を敵に回した?
「彼は地独におちたの?」
このヒロインの問いにパンツを下ろした露出天便(天使にナニはないから、犯罪にはあたらない?)は次のように答える。
「地獄よりもひどいところだ、ウィスコンシン」
 こうした言葉の戯れで急接近の世界消沈の危機を語っていくわけだが、天使たちのイザコザからくる世界消滅から世界を救うのは碓か?どのようにして?これが映画のサスペンス(笑)である。シュワルツェネッガーはすでに出番(『エンド・オブ・デイズ』(99年))を終えて心臓を酷使できないし何度も世界を救いたくもないだろう。カネもなさそうだし、『ドグマ』には。
 人をわざと怒らせ、あるいは面白がらせるためにケヴィン・スミスは、フェミニズム、黒人への目配りをもみせつつ、たっぷり言葉のスペクタクルに遊んでみせる。スミス本人もちゃっかり出演しているが、自分は何も喋れない設定なので問題発言はすべて他の俳優まかせ、最後にちゃっかり自分には「奇跡」を起こさせたりして、本当は悪魔ではないか、こいつは。
 デビュー作『クラークス』(93年)が同時公開される鬼才ケヴィン・スミスの世界的話題の新作で、監督にあおられ懲罰をものともせず宗教ハイウェイを逆走するたわけものにマット・デイモン、ベン・アフレック、リンダ・フィオレンティーノ、サルマ・ハエック、アラン・リックマン、クリス・ロック、ジェイソン・リー、それにアラニス・モリセットの豪華な連中。みんなで走ればこわくない?そこの単なる地上人(あなた)もごいっしょに。

ストーリー

 懇切丁寧に人を小馬鹿にした注意書きのあと、まず、ニュージャージー、アズベリー・パークで一人のホームレスが、3人のスケート・ホッケー・キッズに襲撃される。次に、ニュージャージー・レッドバンク。教会で、宗教イメチェンのために、磔像はいかにも古い、これでどうだ、と神父(ジョージ・カーリン)は、ポップな聖像、ウィンク&親指立て(中指立てたら大変だ)の「バディ・キリスト(キリストオトモダチ)」、ついで、聖堂に入っただけですべての罪が許される「特別の日」を提案。
 この情報を伝える新聞の切れ端(誰かが送ってきたらしい)をバートルビー(ベン・アフレック)とロキ(マット・デイモン)が、ウィスコンシンの空港ロビーで読んでいる。ロキはソドムとゴモラを滅ぼしたり、神のためにいろいろと大量殺戮を工面してきたが、ちょっとした反抗が原因で、お目付け役バートルビーとともに追放の身なのだ。「特別の日」で罪を清め、天上世界への帰還を望んでいる。置き土産に、漫画のキャラ映画、キャラ・グッズなどで大設けのムービー王国一派を皆殺しといこう(これにそれとはいえないがD社がおれたちのことかと激怒したことは周知の事実)。
 イリノイ州マクヘンリー。冒頭のホームレスの命を教う募金説教を教会で聴いていたのが、ベサニー(リンダ・フィオレンティーノ)、彼女は中絶クリニック勤務だが、彼女がアパートで寝ていると、なにやら怪しい音。ついで火柱。消化器を消し止めると白い煙の中から怪しい人物(アラン・リックマン)が現れる。「われはメタトロン」、メタトロンは天使階級の最上位で神と直に接触する数少ない大天便なのである。全人類の全情報をインプットされた存在で、それがベサニーに言う。「きみに十字軍の役割りを与えよう。追放天使が天上世界に戻るのを阻止せよ」。
 いっぽう、「天使がキリストの末窩に接触する。阻止せよ」と、冒頭のスケートホッケー・キッズに命令しているのは、堕天便(悪魔)アズラエル(ジェイソン・リー)である。
 なにをいってんだか状態のベサニーだが、メタトロンは付け加える。「君は一人ではない、預言者がいっしょだ」。なにいってんだか。クルマに乗ろうとしたとき、3人キッズに襲われるが、それを救ったのがジョン・ヒューズ映画マニアのヤラせろ青年ジェイ(ジェイソン・ミューズ)としゃべれない髭男サイレント・ボブ(ケヴィン・スミス)。預言者ってこいつら?
 三人組は、ふっくさとニュージャージーに向かうことになるが、ハイウェイで空から全裸落下してくるのが、キリスト13番目の使途ルーファス(クリス・ロック)である。キリストの伝導待ち合わせメモ(おお、ご真筆!!)なんかも持ってたりして。キリストは黒人だぜ。
 街で入ったストリップ小屋でブラもとらずに踊っている手抜きストリッパーは芸術の女神セレンゲィビティ(サルマ・ハエック)である。お前、なにやってんだ?まったく天使たちの地上世界は狭い。
 ここに、食事時に誰もが思い出すことになるアレが・・。
 かくして、余計な台詞オンパレードの怪作は、寄り道しながら周到にクライマックスにむけて突き進むのであります。

スタッフ

脚本&監督:ケヴィン・スミス
製作:スコット・モージー
製作総指揮:ジョナサン・ゴードン
撮影:ロバート・ヨーマン
美術:ロバート・ホルツマン
編集:ケヴィン・スミス&スコット・モ・ジー
共同製作:ローラ・グリーソリー
衣裳:アビゲイル・マーリー
音楽:ハワード・ショアー

キャスト

バートルビー:ベン・アフレック
ロキ:マット・デイモン
ベサニー:リンダ・フィオレンティーノ
セレンディピティ:サルマ・ハエック
アズラエル:ジェイソン・リー
メタトロン:アラン・リックマン
ルーファス:クリス・ロック
ジェイ:ジェイソン・ミューズ
サイレント・ボブ:ケヴィン・スミス

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