原題:Bicentennial Man

愛することなど、プログラムされていないはずだった・・・・・。

1999年/コロンビア映画・タッチストーン映画作品/ソニー・ピクチャーズエンタテインメント配給/ ビスタ/全7巻/3,595m/SDDSドルビーSR SRD/字幕翻訳:戸田奈津子/上映時間:2時間11分

2004年10月27日よりDVD発売開始 2000年5月13日より日劇プラザほか全国東宝洋画系にて公開

記者会見::http://www.nifty.ne.jp/rforum/fcinema/topics/200004/21rw/index.htm

公開初日 2000/05/13

配給会社名 0042

解説

感じたい、抱きしめたい、涙を流したい−−−。
もしも僕がただの機械なら、この思いはどこから来たんだろう?

割れてしまったガラスの馬は、少女の小さな宝物だった。
彼女のために、拾ってきた流木で木彫りの馬を作った日。その日から、彼は歩き始めた。
ほんとうの自分にたどり着くための、長い長い道のりを。
彼の名は”アンドリューNDR114”。
鋼のボディの中に眠っていたのは、誰よりもやわらかな心だった。

『ホーム・アローン』シリーズのクリス・コロンバス監督が、『ミセス・ダウト』に続いてロビン・ウィリアムズと組んだ話題作『アンドリューNDR114』は、自分の中に芽生えはじめた感情に気づき、人間になろうとするロポットを描く新世紀ヒューマン・ドラマ。
SF界の巨星、アイザック・アシモフの小説を原作とし、ジェームズ・ホーナーとセリーヌ・ディオンの『タイタニック』コンビが主題歌を担当している。
工場の製造ラインから生まれ、愛する心などプログラムされていないはずなのに、誰かとともに生きたいと願うロボット、アンドリュー。生まれたての子供のような無垢な心を持ちつづけ、時にはかなわぬ想いに傷つきながら、人間へと”進化”していく彼の姿を通して、愛とは何か、人間であるとはどういうことなのかを問いかける。

こく近い未来に始まり、200年にわたって展開するこの物語の中で、変わらないのはただひとつ、ロビン・ウィリアムスが演じるアンドリュー役だ。
最初に登場する時はごく普通のロボットだが、アップグレードされるにしたがって表情が豊かになり、動きもスムースになっていく。そして最後には、人間と変わらない外見になる。
250以上のピースを組み合わせて作られた、16キロもある”ロボット・スーツ”を着て演技をしたロビン・ウィリアムズは語る。
「ロボティック担当の人たちと僕にとって最大の賛辞だったのは、スタジオの人たちが最初にラッシュフィルムを見た時に、CGだと思ったと言ったことです。そして、あのスーツを僕が着ていると、単なるアニマトロニックスとはまったく違って見える、生命がある、と言ってくれたことです」。
ロボット・スーツは顔にも装着するため、ロビンの生身の顔は隠れてしまう。当然ながら、「この段階では、中に入るのはロビンでなくてもいいのでは?」という声が、スタッフからあがったという。それでも彼は、この重たいスーツの中に入ることを選んだ。その結果、ロビンならではのエッセンスが見る者に伝わり、スタジオの人々の”生命がある”という賛辞を引き出した。
”ユーモラスでいてどこか切なく、ロボットでありながら人間よりもっと人間的”という、映画史上類を見ない、ヒューマンなロボットが誕生した。冷たくて硬いアンドリューの身体には、一滴の血も流れてはいない。けれど、彼は思う。
僕だって感じたい。涙を流したい。そして、誰かに愛されたい−−−。
その願いは、思いもしなかった結末を彼にもたらすことになる。それがハッピーエンドなのかアンバッピーエンドなのかは、見る人自身が決めること。しかし、アンドリューと映画館で出会う”最初から人間として生まれてきた”私たちは、不思議なあたたかさを胸に感じながら映画館を後にすることになるだろう。
その切ない願いに涙し、決して他人を傷つけることのない無垢な生き方に癒され、意外な結末に胸をしめつけられた後に…。

ストーリー

 そう遠くない未来のある日。郊外に住むマーティン家に、ノース・アム・ロボティックス社から大きな荷物が届く。中に入っていたのは、父親のリチャード・マーティン(サム・ニール)が家族のために購入した最新型のNDR114ロボットだった。料理、掃除、簡単な修繕、子供の遊び相手あるいは見張り役など、家事全般の仕事をこなすために作られたこのロボットは、アンドリュー(ロビン・ウィリアムズ)と名付けられた。マーティン家には4人のメンバーがいた。アンドリューが尊敬を込めて”サー”と呼ふリチャード・マーティン、”マム”と呼ふリチャードの妻(ウェンディ・クルーゾン)、”ミス”と呼ふ長女グレース(リンジー・リザーマン)、そして”リトル・ミス”である次女のアマンダ(ハリー・ケイト・アイゼンバーグ)。

 ロポットという新しいメンバーが家にやってきたことに少し興奮気味のサー。どう接したらいいか戸惑い気味のマム。一方ミスは、家事ロボットなんてどうせつまらない家電製品だとバカにしていた。「ロボットは人間の命令に服従しなければならない」という原則を、アンドリュー自身から聞いて知ったミスは、彼を2階の自分の部屋に呼び、窓から飛び降りるように命じる。アンドリューは命令に従って飛び降り、身体(部品)に大きなダメージを負う。この事件をきっかけに、サーは「これからはアンドリューを人間と同様に扱う」と宣言したのだった。

 最初からアンドリューを友達か家族のように感じていたのは、幼いリトル・ミスだった。浜辺でピクニックをしている時、彼女は宝物にしている小さなガラスの馬をアンドリューに見せる。しかし馬は、アンドリューの金属の指から滑り落ち、岩に当たって割れてしまった。「アンドリューなんか大嫌い!」というリトル・ミスの言葉を聞いたアンドリューは、その夜、流木を使って木彫りの馬の人形を作り、リトル・ミスにプレゼントする。彼女の喜ぶ顔を見た時から、アンドリューはたくさんの優美な木彫りの動物たちを生み出すようになる。それを見たサーは、アンドリューがただの機械ではなく創造性や個性を梼った存在だと確信する。たとえ、ノース・アム・ロボティックス社の重役が「人間の形をした家電装品が機械故障の兆候を示していて、それが変わっていると解釈されているだけ」と断言しようとも…。

 時は流れ、アンドリューはその創造性にさらに磨きをかけていく。大人になったリトル・ミス(エンベス・デイビッツ)とアンドリューの心の交流は相変わらず続き、それは彼女が結婚し、子供を産み、年老いても変わることはなかった。成長し、変わっていくマーティン家の人々に対し、ずっと変わらない自分。アンドリューは、彼らとは決定的に違うがゆえに、これからも自分がずっと孤独であることを思い知る。

 人間とのギャップを狭めるためには人間のような姿になれぱいいのかもしれない、と彼は思う。しかし、そのための機械的なアップグレードをしてもまだ何かが欠けている。それは自分が住む場所を決めたり、自分の気の向くままにどこかへ行ったり、物事を選択する権利、つまり”自由”だった。それを得るために彼は大きな犠牲を払う。生涯の友人であり師であるサーが、アンドリューの望みを理解できなかったのだ。

 やがて旅に出た彼は、発明家でロボットエキスパートのルパート(オリバー・プラット)と友人になり、ロボットがより人間に近くなれる可能性があることを知る。アンドリューには今や、かけがえのない友人であり理解者がいた。リトル・ミスの孫娘のポーシャ(エンベス・デイビッツ/2役)だ。彼女に触れたい。彼女と同じように涙を流したい…。
切ない想いを抱えたアンドリューは、部品をすべて人工臓器にし、さらに人問に近づく決心をする。

スタッフ

監督:クリス・コロンバス
脚本:ニコラス・カザン
原作:『バイセンテニアル・マン』
     アイザーツク・アシモフ『聖者の行進』
     創元SF文庫内所収短編小説
小説『アンドリューNDR114』創元SF文庫刊
アイザック・アシモフ&ロバート・シルヴァーバーク
製作:ウォルフガング・ぺ^ターゼン、ゲイル・カッツ、
   ローレンス・マーク、ニール・ミラー、クリス・コロンバス、
   マーク・ラドクリフ、マイケル・バーナサン
製作総指揮:ダン・コルスラッド
撮影:フィル・メヒュー.B.S.C.
美術:ノーマン・レイノルズ
編集:ニール・トラビス,A.C.E
衣裳:ジョゼフ・G・アウリシ
音楽:ジェームス・ホーナー
主題歌
「ゼン・ユー・ルック・アット・ミー」
作曲:ジェームス・ホーナー
ヴォーカル:セリーヌ・ディオン
サントラ盤:ソニー・クラシカル
シングル:Epic Records

キャスト

アンドリュー:ロビン・ウィリアムス
リトル・ミス/ポーシャ:エンベス・ディビッツ
サー:サム・ニール
ルパート・バーンズ:オリバー・プラット
ガラテア・ロボティック/人間:キルステイン・ウォーレン
マム:ウェンディ・クルーゾン
リトル・ミス7歳:ハリー・ケイト・アイゼンバーグ
ミス9歳:リンジー・リザーマン
ミス:アンジェラ・ランディス
ビル・ファインゴールド:ジョン・マイケル・ヒギンズ
ロイド:ブラッドリー・ウィットフォード
ロイド10歳:イゴー・ヒラー

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