原題:7DAYS TO LIVE

20世紀最期のサイコ・ホラー! 北ヨーロッパのとある地。 人里離れた沼地のへりにたたずむ、古びた屋敷。 現代。 移り住んだ一人の女性が、自らの死を予言する 気味の悪いメッセージを受け取る。 悪夢と現実の狭間で そのメッセージは 次第に彼女を追いつめていく。 あと7日で、おまえは死ぬ……。 果たして彼女は、生き残れるのか……

カンヌ国際映画祭2000 ワールド・プレミア上映作品 ☆東京国際ファンタスティック映画祭2000出展作品::http://www.nifty.ne.jp/fanta/tokyo/index.htm

(初公開:ドイツ2000年11月23日公開)

2000年/ドイツ映画/アンバロン・ピクチャーズ=インディゴフィルム・プロダクション=セネターフィルム・プロダクション&ルーフトップ・エンタテインメント作品 /英語/カラー/シネマスコープ/93min/2,657m/ドルビーSRD 日本語字幕:石田泰子/字幕製作:(株)日本シネアーツ 提供:丸紅株式会社/配給:M3エンタテインメント

2001年3月30日DVD発売/2001年3月30日ビデオ発売 2000年11月25日より新宿ジョイシネマ他にて今世紀最期のレイト・ロードショー!

©MM Indigo Filmproduktion GmbH. All Rights Reserved. ©2000 Marubeni CORPORATION. All Rights Reserved In JAPAN.

公開初日 2000/11/25

配給会社名 0024

解説

56年生まれのトーマス・ハベールと、72年生まれのクリスチャン・ペッカー。映画界では新世代にあたる若い2人のプロデューサーが、97年ドイツ・ミュンヘンに設立したのが映画製作会社「インディゴフィルム・プロダクション」である。その目的は、創造性豊かな若いクリエイターたちを擁し、個々の才能を存分に発揮させるためであった。そして他の製作会社とのカラーの違いを際立たせるため、サスペンスあるいはミステリー&スリラーのジャンルに絞ろうとしているのが特徴である。
そのプロダクションに所属している68年生まれの監督セバスチャン・ニーマンと、73年生まれの脚本家ダーク・アーナーが今回初めて長編映画として創りだした『セブンD』は、まさしくこのインディゴが目指す若い才能によって結実した素晴らしい作品なのである。

ホラー作品としては極めてオーソドックスな「古びた洋館」「沼地」という設定。そこのまつわる数々の恐怖の歴史。だが、この若いクリエイターたちには何ら気負いも無く、まったく自然にその設定を受け入れ、これをさらに現代の観客が見ても飽きさせない映像に仕上げている。
その背景には、彼らの拠点北ヨーロッパ・ドイツという土地柄が古くから「沼地」の幻想的な風景に多数の神話と伝説を想像させ、古代の民族に恐れられ子々孫々にまで語り継がれていることが挙げられる。特に中世の頃には、特別な罰としてかなりの犯罪人が「沼地」で死を宣告され、伝説の恐怖とともに生きたまま水中ヘ投げ込まれていたとされる。今日、その事実を検証する証拠はなにも残っていない。だが、このような場所のそばに館が建てられていたらどうだろうか。説明のつかない事が、ここでは起こるのではないかという想像力を否応もなくかき立てられる。
晩夏の雰囲気を背景に映える「沼地」と「古びた洋館」は、まさしく自然に出来上がった恐怖心理を煽るセットである。その不気味な環境のじれったいイメージがこの作品を観る人々の心にじっとりと植え付けられ、それはエンディングで晴れる事は無いのである。

主演に名優クリストファー・プラマーの実娘で『フィッシャー・キング』『パルプ・フィクション』や舞台女優としても卓越したその演技が評価の高いアマンダ・プラマーが、何者かに死を宣告され恐怖におののきながらも果敢に立ち向かって行くエレン役を、ジュード・ロウ、ユアン・マクレガーとともに映画製作会社『ナチュラル・ナイロン』を創設し英国映画界を沸かせている『ショッピング』『イベント・ホライゾン』のショーン・パートウィーが、最愛の妻を思いやる姿から徐々に狂気を帯びていく夫マーティン役を、それぞれ熱演している。
そしてローランド・エメリッヒ監督の大ヒット作『インデペンデンス・デイ』のSFXを担当したマーク・ウェイガートが視覚効果として参加している他、ドイツで活躍中のスタッフたちが本作を支えている。

本作は、今年5月のカンヌ映画祭2000においてワールド・プレミア上映を果たし、そのクオリティの高さから世界各国より一斉にオファーが入ったと、世界配給を担当しているアンバロン・ピクチャーズは笑顔で語っている。

ストーリー

なかなかヒット作に恵まれない小説家マーティン・ショー(ショーン・パートウィー)とその妻エレン(アマンダ・プラマー)は最愛の息子トミー(エディ・クーパー)突発的な事故で亡くしてしまい、絶望の悲しみに打ちひしがれていた。
少しでもその悲しみを和らげ、妻との再出発と自らの小説家としての道を大成したいと考えたマーティンは、リフレッシュを目的にエレンと共に寂村クロートンのはずれに引っ越すことにした。そこは神秘的な雰囲気漂う一軒の古びた築150年の洋館だった。
エレンもまたマーティンとの新たな生活に希望を抱きながら、館のリフォーム計画や彼の執筆活動を手伝おうと、かいがいしく努めていたのだった。

だがある日の館への帰り道、エレンは自分宛の不気味なメッセージが道路標識に書かれているのを発見する。それは「おまえの命は、あと6日」というものだった。
その前日にもエレンは、浴室で“7”と書かれていた事を思い出す。
そしてそのメッセージは、その後もラジオの天気予報の声、食器棚のガラス戸、とエレンの周りの様々な場所で“5”“4”とカウントダウンを刻み続けていく……。
はじめこそ、息子の死のショックから、我が身の精神状態がおかしいのではないか、と疑ったエレンは夫に内緒で精神科医の元を訪れるが、その兆候は見あたらない。
だがその夜、あまりにリアルな息子トミーの悪夢を見たエレンはとうとう夫にこれまでの出来事を告白する。だが執筆に打ち込むマーティンはいっこうに取り合おうとしなかった。

そんな中、二人の様子を見に来た友人で編集者のポール(ショーン・チャップマン)とその妻クラウディア(ジーナ・ベルマン)は、今から23年前にこの館で奇怪な殺人事件があった事実をを告げる。それは女性が何故か館内で溺死体として発見され、その場に居合わせた夫フランク・コジンスキー(クリス・バルネス)が逮捕されたというものであった。事件当時の新聞記事に載っている警官が、村で知り合った男ファレル(ニック・ブリンブル)である事を知るエレン。いらだちをつのらせるマーティン。重苦しい雰囲気の中で再び、“3”のメッセージが刻まれた……。

翌朝さらに飼い犬が謎の死を遂げ、いてもたってもいられなくなったエレンはファレルの元を訪れ23年前の事件の真相を問いただすが、ファレルは過去を蒸し返すなと拒絶する。ファレルの妻エリザベス(アマンダ・ウォーカー)からフランクの住所を教えられ、その精神病院の閉鎖病棟へ向かうエレン。そこでも聞こえてくる“あと2日”という声。恐怖におののく彼女の問いかけにフランクは、中世から長らく行なわれてきた生きたまま沼地に沈められていった大量虐殺処刑の歴史と、あの館の周り全てがその沼地であり、巨大な一つの墓なのだと告げた……。

もはや、身の周りで起こっていることが館の呪いであることを確信したエレンは、マーティンを説得しようとするが、鬼気迫る夫の姿はすでに仕事のせいではなく、何者か夫との別の存在を垣間見せていた。そして自分に対し殺意を向けていることに気づくのだった。
そしてエレンは7日目を迎えようとしていた。「死」を宣告された7日目を……。

果たしてエレンは生き残ることができるのだろうか。

スタッフ

監督:セバスチャン・ニーマン
製作:クリスチャン・ベッカー、トーマス・ハベール
脚本:ダーク・アーナー
撮影:ゲルハルト・ズツェーロ
音楽:エゴン・リーデル
美術:マッティアス・ムッセ
視覚効果:マーク・ウェイガート
衣装デザイナー:アンケ・ウィンクラー
編集:モエンネ・バリウス

キャスト

エレン・ショー:アマンダ・プラマー
マーティン・ショー:ショーン・パートウィー
カール・ファレル:ニック・ブリンブル
エレザベス・ファレル:アマンダ・ウォーカー
トーマス・ショー(トミー):エディ・クーパー
ポール:ショーン・チャップマン
クラウディア:ジーナ・ベルマン
フランク・コジンスキー:クリス・バルネス
セールス・レディ:ジーン・マーロウ
ソーシャル・ワーカー:ジョン・ヒギンズ

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