原題:LOVE IS THE DEVL STUDY FOR PORTRAIT OF FRANCIS BACOM

フランシス・ベイコンの歪んだ肖像

☆1998年カンヌ国際映画祭ある視点正式出品作 ☆1998年エジンバラ国際映画祭マイケル・パウエル賞(最優秀作品賞)受賞、  最優秀演技賞受賞[デレク・ジャコビ、ダニエル・クレイグ]

1998年イギリス映画/アップリンク配給/カラー/90分 共同製作:アップリンク,BBC,BFI,Arts Council of England,Premier Heure

2005年02月25日よりDVDリリース 1999年3月13日より、シネマライズにて公開

公開初日 1999/03/13

配給会社名 0009

解説

本作『愛の悪魔』は今世紀最大の画家と言われるフランシス・ベイコン(1909-1992)の生涯を60年代初期から70年代までロンドンを舞台に、彼の作品のモデルとして、最も想像力を掻き立てた恋人ジョージ・ダイアーとの関係を中心に描いています。ベイコンはピカソを越えたとも言われ、彼の真実のとらえ方は今世紀後半の美術界に衝撃を与えた。またベイコンはブニュエルや『戦艦ポチョムキン』などの映像作品から多大な影響を受けたが、今日活躍する映像作家のなかには彼の影響をうけたものが多く見受けられます。本作ではベイコン特有の歪んだ絵画的なスタイルをたくみに映像に取り入れ、異色の画家の内なる悪魔を描いています。監督はシニード・オコナー、ボーイ・ジョージなどのビデオクリップで名を馳せ、『リメンバランス』でベルリン映画祭のデティ・ベア賞を受賞したジョン・メイブリィ。彼はベイコンの死後出版された「フランシス・ベイコン:肉塊の孤独(ダニエル・ファーソン著)を参考に脚本を執筆。60年代のベイコンが入り浸っていたコロニー・ルームと呼ばれた酒場、カジノ、乱雑を極めたアトリエなどが再現しています。音楽は『ラスト・エンペラー』でアカデミー賞を受賞した坂本龍一。撮影はメイブリィ監督とは『リメンバランス』でもコンビを組んだジョン・マティエソン。ベイコンを演じるのは英国演劇界の重鎮サー・デレク・ジャコビ。彼は生前のベイコンに外見が似ているということもさることながら、その卓越した演技力でベイコンになり切っています。他に恋人ジョージ・ダイアーをダニエル・クレイグ、ベイコンを取り巻く友人たちを、ティルダ・スウィントン、カール・ジョンソンらが演じ、カメオ演出として60年代にキース・チリャーズの恋人だったアニタ・パレンバーグ、デザイナーのリフト・オズベックなどが顔を出しています。

ストーリー

1971年、パリのグラン・パレでベイコンの大回顧展のオープニング会場。そこには“現在生存する最も偉大な画家”と誉め称えられ、喝采を浴びる画家フランシス・ベイコン(デレク・ジャコビ)の姿があった。一方、式典が進行するちょうどその頃、ベイコンの作品のモデル、かつ恋人のジョージ・ダイアー(ダニエル・グレイグ)は、ホテルの部屋でドラッグとアルコールを大量に服用する。7年前、ダイアーはベイコンの家に盗みに入ろうとして天井から雑然としてたアトリエに転び落ちてしまう。ジョージを一目見たベイコンは有無を言わさず彼をベットに誘う。この日からジョージの人生は大きく変っていくのだった。ベイコンを取り巻く友人は、女主人ミリュエル(ティルダ・スイントン)が経営するコロニー・ルームと呼ばれる酒場にたむろしては、派手な批評や毒を含んだジョークなどをベイコンにぶつけた楽しんでいた。常連にはヴォーグの写真家ジョン・ディーキン(カール・ジュンソン)美術評論家のダニエル・ファーソン(エイドリアン・スカーボロー)ディーキンの写真のモデル、ヘンリッタ(アナベル・ブルックス)そしてベイコンの長年の友人イザベル(アン・ランボーン)などがいた。ジョージはベイコンの世界に入ろうとするが、常に皆の嘲笑や皮肉を浴び、次第に追い詰められて酒とドラッグに溺れていく。

スタッフ

監督・脚本:ジョン・メイブリィ
プロデューサー:キアラ・メナージュ
エクゼクティブプロデューサー:フランシス・アン・ソロモン、ベンギブソン、
               パトリス・ハダド、浅井隆
監修:ダニエル・ファーソン
製作進行:イヴォンヌ・イシメン・イバゼボー
撮影監督:ジョン・マティエソン
編集:ダニエル・ゴダート
プロダクション・デザイナー:アラン・マクドナルド
衣装:アニー・シモンズ
音楽:坂本龍一

キャスト

フランシス・ベーコン:サー・デレク・ジャコビ
ジョージ・ダイアー:ダニエル・グレイグ
ミリュエル・ベルチャー:ティルダ・スウィントン
イザベル・ロースソーン:アン・ラムトン
ダニエル・ファーソン:エイドリアン・スカーボロー
ジョン・ディーキン:カール・ジュンソン
ヘンリッタ・モラエス:アナベル・ブルックス
リチャード・ニューボルト:ブロンド・ビリー

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