原題:LEPA SELA, LEPO GORE

遠い国の話ではない。”ボスニアを東京まで拡大せよ−−−−” 銃口の向こうに友がいた。炎の向こうに祖国があった。

☆96年サンパウロ国際映画祭グランプリ ☆96年ストックホルム国際映画祭グランプリ ☆96年フォート・ローダーデール国際映画祭最優秀外国映画賞 ☆96年テサロニキ国際映画祭観客賞

1996年/2時間9分/セルビア人共和国[ユーゴスラビア連邦共和国]映画/ ヴィスタサイズ/提供・配給:パイオニアLDC

6月27日(土)中野武蔵野ホールにて衝撃のロードショウ! !!

公開初日 1998/06/27

配給会社名 0147

解説

遠い国の話ではない。ボスニアを東京まで拡大せよ。
映画『ボスニア』の原題は“Lepa Sela,Lepo Gore”。セルビア語で「美しい村、美しい炎」という意味だ。この詩情溢れる言葉を耳にするとあたかも『ボスニア』を多民族が共存していたよき時代に捧げられたオマージュの時代と思うだろう。だが残念ながらこの映画はそのような甘美なイメージに彩られてはいない。スルジャン・ドラゴエヴィッチ監督は制作意図について言う。「この映画で私が目指すのは、戦火から遠く離れた安全な国々の心地良い椅子でぬくぬくと映画を楽しんでいる君たちに惨めな思いをさせることだよ」と…。『M☆A☆S☆H』より強烈なユーモア精神とキューブリックより大胆な政治的マニフェスト(ヴァラエティ誌評)で、我々を圧倒する『ボスニア』は、まさに平和ボケしたこの日本社会の退屈なる日常に対する監督の宣戦布告でもあるのだ。

ストーリー

戦火のボスニア。それは民族紛争に端を発したユーゴスラビアの出口なき哀しき姿であった。まだ彼の地が平和だったころ、何をするのも一緒の仲良し2人組のセルビア人ミランとムスリム人ハリルがいた。だが戦争が竹馬の友を切り裂いた。かつての友情は銃口を向けあう鉛色の憎しみに成りかわった。何故戦うのか?明確な意識を持たないまま、男たちはただ憎しみのためだけに戦場へと出かけていく。敵の奇襲攻撃で壊滅的打撃を受けたミランの部隊は今は廃墟となったトンネルに籠城する。各人の胸に去来するのは戦争前の平和で静かな暮らし…。仲間が一人、また一人と戦死して行く中、生き延びたミランたちの前に現れた敵はなんとハリルだった。ヨーロッパ大陸にあって2つの文字、3つの宗教、4つく言語、5つの民族を抱え、6つの共和国からなり、7つの国と国境を接し、常に戦争の火種を抱えるヨーロッパの弾薬庫、旧ユーゴスラビア。この映画は1992年に起こるべくして起きた悲劇の戦争、憎しみをこえた憎しみのための戦争=ボスニア戦争中の実際のエピソードに基づいている。

スタッフ

監督 ………… スルジャン・ドラゴエヴィッチ
製作 ………… ゴラン・ビエログルリッチ、
ドラガン・ビエログルリッチ、
ニコラ・ヨーコ、
ミルコ・ヨシフォフ
製作総指揮 ………… ゴラン・ビエログルリッチ、
ミルコ・ヨシフォフ
脚本 ………… ワーニャ・ブリッチ、
スルジャン・ドラゴエヴィッチ、
ニコラ・ペヤコヴィッチ
撮影監督 ………… ドゥシャン・ヨクシ・モヴィッチ
音楽 ………… アレクサンドル・サーシャ・ハビッチ
特殊効果 ………… ペータル・ジヴコヴィッチ

キャスト

ミラン ………… ドラガン・ビエログルリッチ
ヴェリャ ………… ニコラ・ヨーコ
グヴォズデン ………… ヴェリミール=バータ・ジヴォイノヴィッチ
ハリル ………… ニコラ・ペヤコヴィッチ
リサ ………… リサ・モンキュア

LINK

□IMDb
□この作品のインタビューを見る
□この作品に関する情報をもっと探す