ベティ・サイズモア
原題:NURSE BETTY
カンヌ映画祭脚本賞受賞作品! 2001年、レニー・ゼルウィガーが熱い!!
2000年カンヌ国際映画祭出品
2000年8月30日フランス公開
2000年度作品/ドイツ・アメリカ合作/112分/シネマスコープ/6巻/3.023m/ DTS,SRD,SDDS,SR/翻訳:戸田奈津子 提供:ユニヴァーサル/パシフィカ・フィルム・ディストリビューション 製作:IMF/プロパガンダ・フィルムズ/AB'-ストラクト・ピクチャーズ 配給:UIP
2002年04月05日よりDVD発売開始 001年5月12日より日比谷シャンテ・シネにて公開
公開初日 2001/05/12
公開終了日 2001/06/15
配給会社名 0081
公開日メモ カンヌ映画祭脚本賞受賞作品! 2001年、レニー・ゼルウィガーが熱い!!
解説
2000年度カンヌ映画祭脚本賞受賞に続き、ゴールデン・グローブ賞主演女優賞受賞
始まりは、彼女の無邪気な憧れだった。それが無茶な恋になり、無謀な旅に発展する。その無邪気さには、殺し屋だってかなわない!
実在しない”恋人”を追って、ベティ・サイズモアが走る!メロドラマの主人公に熱を上げ、夢と現実の境をひょいと越えてしまった女ベティ・サイズモア。彼女は、カンザスからラスベガス、ハリウッドヘと2000キロを車で飛ばす。そして、その跡を、ニ人の殺し屋がつけ狙う……。空想と現実、ロマンスと殺人、なごみとスリルがほどよくブレンドされて、ユニークなドラマが生まれた。
カンヌ国際映画祭脚本賞を受賞した巧みな脚本、スクリーンから伝わる不思議な乾いた空気、そして、この映画の最大の魅力は、”舞い降りた天使”のような無垢な主人公ベティ・サイズモアのキャラクターだ。この役を演じたレ二一・ゼルウィガーは、2000年度のゴールデン・グローブ賞(ミュージカル・コメディ部門)
の主演女優賞に輝いた。身に降りかかる危険も察知せず、自分が周囲をかき回していることにも気づかず突き進むベティ。その存在が、キナ臭さをほのぼのムードに変え、話の発端が殺人事件だったことさえ忘れさせる。
監督は、これが3作目の新鋭ニール・ラビュート。これまでに低予算映画を2本撮っているが、97年に発表した第1作はニューヨークの批評家たちが選ぶ”処女作賞”を受賞した。製作は、『クイズ・ショウ』で共同プロデューサーを務めたゲイル・マトラックスと、『マルコヴィッチの穴』の製作を手がけたスティーブ・ゴリンの二人。製作総指揮は『パリ、テキサ』の製作に名を連ねたクリス・ジーバーニッヒ。2000年のカンヌ国際映画祭で脚本賞を受賞したシナリオは、本作で脚本家デビューのジェームズ・フランバーグが、原作者で短編作家のジョン・C・リチャーズとともに執筆した。カンザス州の田舎町からネオンきらめくラスベガス、華やかな興行の世界ハリウッド、ラストにはローマヘと移動するカメラは、フランス出身のジャン・イブ・エスコフィエが担当。これまでにも『ポンヌフの恋人』といったフランス映画と、『グッド・ウィル`ハンティング/旅立ち』などのアメリカ映画の両方で活躍してきた異色のカメラマンだ。美術監督は『マディソン郡の橋』で美術監督助手を務めた若手のチャールズ・ブリーン。彼は、ラビュート監督の前作でもコンビを組んだ。そして、音楽は、イギリス出身で、最近、舞台から映画に活躍の場を広げたロルフ・ケントが担当した。ラストにゆったり流れる「ケーセラ・セラ」が印象的だ。人生がドラマ通りになり、ドラマが人生通りになっていく。まさに、ケ・セラ・セラ……この映画のそんな独特の諧謔性は、これら新人類世代のフィルムメーカーたちが生み出した。
ストーリー
カンザス州フェアオークスに住むベティ・サイズモア(レニー・ゼルウィガー)は、町のカフェでウェトレスとして働いている。夫のデル(ア一ロン・エックハート)は車のセールスマンだが、どうしょうもない奴。だが、昼の連続メロドラマ『愛のすべて』の大ファンだった。ペティは、いつか看護婦になって、そのドラマの主人公”デヴィッド(グレッグ・キニア)のような素敵な医師と結ばれる日を夢想していた。誕生日の今日、カフェの同僚たちから、看護学校の人学金をプレゼントされ、ベティは有頂天だった。
しかし、せっかくの誕生日なのに、友人との食事の約束がキャンセルになり、夫のカーディーラーから強引に借りてきた赤いビュイックは無駄になってしまう。しかたなく、ベティはビデオで大好きな『愛のすべて』を見て夜を過ごした。画面の中での”デヴィッド”の甘い言葉は、ベティにはまるで自分に愛をささやいているかのように聞こえる。至福のひとときだ。しかし、夜遅く、デルが二人の男と一緒に帰ってきた。昼間カフェで見かけたこの二人は、実はプロの殺し屋チャーリー(モーガン・フリーマン)とその子分ウェズリー(クリス・ロック)だった。デルが横取りした10キロもの麻薬を取り戻しに来たのだ。二人はデルを縛り上げ、ブツのありかを聞き出そうと脅していた。物音に気づいて、ベティがドアのすき間からのぞいたその時、勢い余ったウェズリーが、デルを惨たらしく殺してしまう。強いショクを受け、その瞬間、ペティは現実と夢の境目を越えた。
ベティは自分を看蔓婦だと思い込み、6年前に別れた医師”デヴィッド”との愛を今こそ貫こうと決意し、赤いビュイックに乗って旅立った。行き先はハリウッド。テレビドラマと現実が彼女の頭の中で完全に一体化してしまったのだ。アリゾナ州グランドキャ二オンを通過してカリフォルニア州へ。ベティは、恋人との再会を信じて車を走らせた。そんな彼女を追う者がいた。デルを殺したあの二人連れ、チャーリーとウェズリーだ。何しろベティの乗っているビュイックには例のブツが隠されているのだ。一方、地元のフェアオークスでは、保安官のバラード(ブルート・テイラー・ビンス)と記者のロイ(クリスピン・グローバー)が、デルの殺人事件とベティの失踪について調査し始める。
ついにベティはロサンゼルスに着いた。さっそく大病院を訪ねて”デヴィッド”を探すが、ドラマのヒーローが実際にいるわけもない。だが、病院の前でたまたま銃撃戦に出くわし、その最中に、ベティは運び込まれてきた救急のけが人を救う。これがきっかけで、本当は資格もないのに、看護婦として雇ってもらえることになった。夢の一つはこうして叶った。救ったけが人の姉ローサ(ティア・テクサーダ)の家に一緒に住まわせてもらえることにもなった。あとは、いとしい”デヴィッド”にめぐり逢えれば……。その頃、血まなこでベティの居所を探し回っていた殺し屋チャーリーに、予期せぬ変化が起こり始めた。たった一度、カフェでコーヒ一を注いでもらっただけなのに、なぜかベティの笑顔が目に焼きついてはなれない。不思議な魅力にとらわれていく。そんなチャーリーに、子分のウェズリーは苛立ちをあらわにする。
ルームメイトとなったローサは、ベティが恋人とめぐり逢えるようにと心から願った。しかし、ある時、ベティがドラマと現実を混同していることに気づく。はじめはからかわれているのかと思って怒るが、どうやらペティは本気らしい。これは、なんとか目を覚まさせなければ。ローサはある時、慈善パーティで、”デヴィッド”役でドラマに出ている俳優のジョージ・マクコードとベティを鉢合わせさせてみた。ベティにいしてみれば、恋いこがれた人との劇的な再会だ。彼女はつかつかとジョージに歩み寄り、丸覚えしていたドラマのセリフを連発する。これにはジョージも驚いたが、ベティが売り込みのために自分に近づいてきた女優のタマゴなのだと思い込む。
ベティが”デヴィッド”ことジョージとめぐり逢えたその頃、殺し屋たちもゆっくりと、しかし確実にベティに忍び寄っていた。さらに、その後を、保安官と記者が追いかける。ここハリウッドで、ドラマと現実が、今、絡み合おうとしていた・・・・・・。
スタッフ
監督:ニール・ラビュート
製作:ゲイル・マトラックス/スティーブ・ゴリン
脚本:ジョン・C・リチャーズ/ジェームズ・フランバーグ
ストーリー:ジョン・C・リチャーズ
製作総指揮:フィリップ・ステュアー/スティーブン・ペブナー/モーリッツ・ボーマン/クリス・シバーニック
撮影:ジャン・イブ・エスコフィエ
プロダクション・デザイナー:チャールズ・ブリーン
編集:ジョエル・プロッチ/スティーブン・ワイズバーグ
音楽:ロルフ・ケント
衣裳:リネットメイヤー
キャスティング:ハイディ・レヴィット
キャスト
チャーリー:モーガン・フリーマン
ベティ・サイズモア:レニー・ゼルウィガー
ウェズリー:クリス・ロック
ベティの亭主:アローン・エック八一ト
記者ロイ:クリスピン・グローバー
保安官バラード:プルート・テイラー・ビンス
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