原題:The Tale of Iya - A man in the heart of the mountains

東京国際映画祭「アジアの未来」部門 『スペシャル・メンション』受賞 トロムソー国際映画祭コンペティション部門 最高賞『オーロラ賞』受賞 エーテボリ国際映画祭(スウェーデン) グラスゴー映画祭(スコットランド) パンアジア映画祭(ロンドン)出品 『最優秀作品賞』受賞 ヘルシンキ シネアジア映画祭(フィンランド)出品 3rd Ecofalante Environmental Film Festival(ブラジル)出品 香港国際映画祭ヤングシネマ・コンペティション部門『審査員特別賞(ジュリー賞)』受賞 全州国際映画祭(韓国) ニッポン・コネクション(ドイツ) 台北映画祭(台湾) コンペティション部門

2013年/169分/35mmフィルム/シネマスコープサイズ/ドルビーSR 配給:一般社団法人ニコニコフィルム

2014年6月7日〜20日、渋谷ユーロスペースにて2週間限定都内アンコール上映 2014年5月17日(土)〜6月13日(金)、第七藝術劇場にて公開 2014年2月15日、渋谷ユーロスペースにて公開

© 2012 ニコニコフィルム All Rights Reserved.

公開初日 2014/02/15

配給会社名 1426

解説


スタジオジブリ作品を彷彿とさせる映像美と感動!
 その美しくも厳しい大地に根をおろし、時代に翻弄されながらも逞しく生きる人々がいる。本作『祖谷物語—おくのひと—』は、そんな人々の営みを真摯に見つめ、現代社会が見失って久しい“本当の豊かさ”を見出そうとする意欲作である。東京を除く全てのシーンをオール徳島で撮影し、若草萌える春から雪に閉ざされた冬まで、四季折々の表情を見せる祖谷を克明に記録。また、揺れ動く人々の心情を温かに綴った物語は、スタジオジブリ作品「となりのトトロ」や「おもひでぽろぽろ」のように、誰の中にも眠る“心の故郷”を呼び覚まし、時空を遡ったかのような体験をさせてくれる。
アクション女優、ダンサー、演技派俳優、異彩のキャストが集結!
 主人公の女子高生・春菜を演じたのは「ハイキック・ガール!」「KG カラテガール」「女忍 KUNOICHI」など本格アクション映画の主演を務め、最近では井口昇監督の話題作「デッド寿司」や「ヌイグルマーZ」でコメディにも活躍の場を広げた武田梨奈。本作ではアクションを完全封印し、忍び寄る時代の変化や将来の不安に揺れ動く心の機微を巧みに表現。演技派女優としての新境地を披露する。

 
 春菜と暮らすお爺役には、ダンサー・俳優として国内外を問わず活動し、映画「たそがれ清兵衛」では日本アカデミー賞に輝いた田中泯。東京からやってきた青年・工藤役には、「赤目四十八瀧心中未遂」「キャタピラー」「さよなら渓谷」など、全身全霊の演技で映画界を揺るがしてきた大西信満と、これ以上ない豪華キャストが出揃った。
 また、『殯(もがり)の森』『萌の朱雀』など、奈良を舞台にした作品で、世界的に活躍する映画監督・河?直美も女優として参加し、その独特の存在感で作品に彩りを加えている。

自主製作の範囲を超えた“奇跡の自主製作”がここに誕生!
監督は、舞台となった徳島県出身の蔦哲一朗。東京工芸大学時代にアナクロ映画集団「ニコニコフィルム」を立ち上げ、前作『夢の島』を発表。デジタル化に堂々と反旗を翻し、本当の「映画らしさ」を追求したモノクロ16mmフィルムによる撮影で、バンクーバー国際映画祭、イギリス・グラスゴー映画祭などに出品。海外からも高評価を獲得した期待の若手監督である。待望の新作となる本作においても、完全35mmフィルムでの撮影を敢行。デジタル化が浸透していく映画業界の逆風に屈することなく、100年後、1000年後まで残る名作を制作しようと志高く撮影に挑み、世界の映画に引けを取らない映像美を実現した。

ストーリー





 東京から来た青年・工藤は自然豊かな山里の「祖谷」で、自給自足生活を始めようとしていた。ところが、一見平和な村では、地元の土建業者と自然保護団体との対立や、鹿や猿から畑を守ろうとする人間と獣の戦いなど、様々な問題が起こっていた。
 そんな中、工藤は人里離れた山奥でひっそりと暮らすお爺と女子高生の春菜に出会う。電気もガスもなく、物もほとんど持たない質素な2人の生活は、時間が止まったかのようにゆっくりしている。お爺は毎朝、神様が祀ってある社まで山を登ってゆき、お神酒を奉納する。春菜は一時間かけて学校に通い、放課後はお爺の畑仕事を手伝う。効率とは無縁の2人の生活は、工藤の心をゆっくりと浄化していく。
 しかし、季節が巡り、お爺の体が蝕まれるにつれて、おとぎ話のような3人の生活も終わりを迎えようとしていくのだった…。

スタッフ

監督・脚本:蔦哲一朗
脚本:河村匡哉、上田真之
撮影:青木穣
照明:中西克之
録音:上條慎太郎
衣装:田中美紗紀、渡邊彩香
メイク:桑本勝彦
スチール:内堀義之

キャスト

武田梨奈
田中泯
大西信満
石丸佐知
村上仁史
クリストファー・ペレグリニ
山本圭祐
木村茂
西トミヱ
田岡佳子
城戸廉
小野孝弘
美輪玲華
森岡龍
河瀬直美

LINK

□公式サイト
□IMDb
□この作品のインタビューを見る
□この作品に関する情報をもっと探す