女性の語りで書かれた太宰治文学の名作を映画化!

2013年/日本/カラー/106分/ 配給:マルパソ事務所

2013年6月15日(土)より横浜シネマ・ジャック&ベティと立川シネマシティにて同時公開!

©2013 GEN-YA FILMS

公開初日 2013/06/15

配給会社名 1419

解説




約三年間の製作期間中に、2011.3.11の東日本大震災と原発事故が起きたこともあって、「なぜ、いま、太宰治なのか」と自問しつづけて来ました。それは、戦争から敗戦へという、同時代を背景に書かれた文学作品を読み解くことが、「第二の敗戦」と呼ばれる3.11以降を考えるヒントになるのではないか、そして、この映画を通じて感じてほしいことですが、ひとりであること(孤独であること)、時代を生きること、自由であることの意味が問われています。それが、3.11以降の、人間の未来につながるのではないか、と。

「燈籠」「女生徒」「きりぎりす」「待つ」の四作品は、1937年7月(日中戦争)から1941年12月(真珠湾攻撃、太平洋戦争)に執筆され、さらに終戦(「パンドラの匣」1945)、戦後(「斜陽」1948)までの、太宰治の目を通し、少女たちが時代を感じ、いま、ひとりで生きていく決意の光と影の中で、社会(世間)に対する抵抗と諦念が、繊細な言葉となって紡がれていく。

字幕、声、台詞、もうひとつの声(無声)、現実の映像、イメージとしての美しい映像が、映画のリズムを刻みながら、発せられる少女の声は、ひとりのヒロインになって音楽と共に歌い出す。この静謐な映画のために、音楽はリコーダー曲と映画監督・原將人作曲のピアノ曲が、時間と空間を超えて、新たな「旋律」を奏でる。

このプロジェクトでは、映画は一人の映画作家の表現であるとともに、参加するスタッフ、キャストによる集団創造として成り立つ芸術であると考え、日本映画の現状にある、何百万人の観客動員や何十億円の興行収入を競うといった大規模な映画産業的な展開からも、また、比較的低予算の何千万規模の製作費で作られ単館上映される映画とも違う、もう一つの、自由に映画をつくる・見せるシステムづくりを横浜から発信する。『女生徒・1936』は、ドキュメンタリー映画『私の青空・終戦63』続く第二弾となる。

ストーリー






「燈籠」

下駄屋のひとり娘・咲子は、年下の商業学校の学生(水野)さんのために、男物の水着を盗んで交番に連れて行かれる。そこで、じぶんの思いを必死に抗弁するが、新聞記事にも取り上げられ、近所でも、笑いものになってしまう。そして、水野さんからの手紙が…。

「女生徒」

父親を病気で一年前に亡くし、姉は二年前に、北海道に嫁いでいる。いま、母親との二人暮らしをしている女学生の佳子の一日の生活を、彼女の意識の流れに沿って展開する。彼女に、十代を生きる意味をするどい感性で語らせ、それは、また、太宰自身の声でもある。

「きりぎりす」

裕福な家庭に育った智子は、社会に対し信念を持って生きる。それをあたりまえのように実践する。妥協を許さないその生き方は、愛する夫に対し、その気持ちをまともにぶつける。「おわかれします。…」

「待つ」

このヒロイン、二十歳の葉子に、前三作の女性の生き様がひとつのイメージになって、この時代を生きることの難しさが象徴的に集約される。駅舎で待つ葉子、それは、太平洋戦争の始まりの昂揚感、未来への希望でもある何か、いま、どこにもない世界に空想が広がる。

スタッフ

原作:太宰治
製作:福寿祁久雄
プロデューサー:櫻井陽一
脚本・監督・編集:福間雄三
撮影:根岸憲一
音楽:原將人(ピアノ曲)、高野浩一(リコーダー曲)
美術:畠山和久
録音・整音・音響編集:田邊茂男
衣装:佐藤真澄
メイク:貴島貴也

制作プロダクション:幻野映画事務所

キャスト

柴田美帆
川原崎未奈
真砂豪

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