自由で革新的な問題作を生み、 画壇に新風を吹き込んだ異端児・中村正義の足跡を娘が辿る

2012/日本/カラー/HD/102分/ドキュメンタリー 配給:太秦

2013年1月5日、東京都写真美術館ホールほか全国順次ロードショー

© 2012「父をめぐる旅」製作委員会

公開初日 2013/01/05

配給会社名 0864

解説


中村正義は凄い、本物の創作者だ!−今村昌平(映画監督)

「僕はね、あたり前の事を、あたり前に言ってるだけだよ」

信念を貫き、真の芸術を求め続けた反骨の画家の生涯と、
常識を超越した自由で革新的な作品群

戦後、「日本画滅亡論」まで登場した日本画壇において、新しい時代の新しい日本画の創造を目指して活躍した中村正義。日本画壇の重鎮・中村岳陵の画塾に入門し、本格的に画家としての道を歩み始めた正義は22歳で日展に初入選。たちまち頭角をあらわし、早世の天才日本画家・速水御舟の再来とも言われ将来を嘱望された。26歳で特選を受賞、36歳という若さで日展審査員に推挙され、若くして日展の頂点に登り詰めながらも、古い体質の画壇、権威主義的体質に異を唱え、日展を脱退。
それ以降は画風を一転させ、絵具に蛍光塗料を混ぜて描いた《男女》や《舞妓》のシリーズ、現代社会に生きる人間の《顔》に現われた心の闇を描いた作品群、ポップアートかと見紛う肖像画など、日本画の既成概念を遥かに超越した多様多彩な作品を次々と発表していく。また、謎の浮世絵師・写楽の実像を画家の立場から探求することにも精力的に取り組んだ。そんな正義の生涯は病との闘いでもあった。二十代で結核を患い、後年癌を発症。52歳という若さで逝去。旧勢力からの圧力や妨害を受けながらも、自らの信念を曲げず、死と向き合いながら真の創造を求め続けて生涯を終えた。

写楽に、ピカソに、ゴーギャンに、ウォーホールさえ、ぶっ飛ばした天才画家!
苛烈に生きた画家は、私たちに何を問いかけるのかー

本作は、父を敬愛し、「中村正義の美術館」を守り続けてきた正義の娘・さんが、自分の未だ知らない本当の父の姿を探して旅をするドキュメンタリー映画です。苛烈に生きた画家が何を求め、何を恐れ、何を愛したのか、人間・中村正義とその生きた時代を描きだします。共同監督を務めるのは、今村昌平とともに今村プロダクションを結成し、『楢山節考』の監督補、『復讐するは我にあり』をプロデュースした武重邦夫と、テレビ番組やビデオ作品のドキュメントの演出・プロデュースを手掛け、本作が監督デビュー作品となる近藤正典。
確固とした信念を持ち、大きな壁に正面から挑んだ中村正義という天才画家の姿は、事なかれ主義や出来合いレースの蔓延する今の日本に何を問いかけるのだろうか。

ストーリー


スタッフ

企画:武重邦夫、野々川千恵子
プロデューサー/共同監督:武重邦夫・近藤正典
撮影監督:松根広隆
音楽:丸山朋文
ラインプロデューサー:杉山美枝
録音:若林大介
編集:金子数生
照明:谷本幸治
助監督:伊東尚輝、二宮英之
製作:ドキュメンタリー映画『父をめぐる旅』製作委員会(シネマネストJAPAN、キャバレット、シネマユース、中村正義の美術館)
製作協力:NPO法人KAWASAKIアーツ
特別協力:「映像のまち・かわさき」推進フォーラム

キャスト

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