津軽百年食堂
2010年/日本/カラー/106分/ 配給:日活、リベロ
2011年10月05日よりDVDリリース 2011年4月2日(土)より全国順次ロードショー
©2011 「津軽百年食堂」製作委員会
公開初日 2011/04/02
配給会社名 0006/0223
解説
百年永々と受け継がれてゆく日本人の心と味“魂”が咲かせる感動の物語。
明治末期、弘前。やっとの思いで津軽蕎麦の店を出した賢治。
そして、時は流れ現代。四代目にあたる陽一は、父との確執から「大森食堂」を継がずに東京で暮らし、故郷への反発と捨て切れぬ思いの間で揺れていた。ある日、父が交通事故で入院し、陽一は久しぶりに帰省する。
本作は若い陽一が、葛藤を乗り越え、百年続いた津軽の食堂を受け継ぐ重みを受け入れて、四代目となるまでを、初代・賢治の人生と重ねて描く心の物語。
賢治の魂、その“娘”である祖母の思い、父の覚悟。それぞれの人生を生きたひとりひとりが、それぞれに受け継いで来た味と魂。
彼らの心が、そして東京で知り合った七海の生き方や郷里の友人達との触れ合いが、陽一の気持ちは少しずつ変化してゆく。そして、さくらまつりの日、小さな奇跡が起きる‥。
ヒット小説「津軽百年食堂」を原作に、名匠・大森一樹が紡ぎ上げた心温まる人間ドラマ
原作は、青森県のみならず全国でも根強い人気を誇る森沢明夫の「津軽百年食堂」(小学館刊)。『恋する女たち』(86)、『わが心の銀河鉄道〜宮沢賢治物語〜』(96)で2度の日本アカデミー賞監督賞に輝く大森一樹がメガホンをとり、陽一達の心の揺れをすくい取って、心温まる人間ドラマを紡ぎ上げた。
テーマソング「暁月夜 〜あかつきづくよ〜」を手掛けるのは、THE BOOM。
また、一部の外景を除き、弘前市をはじめ、八戸市、黒石市など青森県で
全ての撮影を行い、延べ600人を超える地元エキストラ、スタッフが参加した、生き生きとした“青森県映画”としても注目の作品である。
劇場用映画W初主演!オリエンタルラジオ藤森慎吾と中田敦彦。
陽一と賢治という2人の主役を劇場用映画初主演とは思えぬ演技力で演じ切ったのは、人気お笑いコンビ、オリエンタルラジオの藤森慎吾と中田敦彦。
故郷への反発と愛着に揺れ、道を決め切れぬ現代の若者・陽一を藤森慎吾が見事に表現し、明治に生きる実直でシャイな賢治を中田敦彦が体現した。
亡き父の写真館に思いを抱きながら、夢を見つけていくヒロインには福田沙紀。
そして脇を固める豪華キャスト陣。
今は無き実家の写真館の思い出を抱きながら、夢を見つけていくヒロイン七海には、『櫻の園 —さくらのその—』(08)をはじめ、TVドラマ、舞台、映画と活躍が続く福田沙紀。“伝統の味”へ覚悟や誇りゆえに、陽一に厳しく接する父・哲夫には『最後の忠臣蔵』(10)の伊武雅刀。
弘前で生きる同級生・美月には、『ヒーローショー』(10)のちすん。さらに、藤吉久美子、大杉漣、かとうかず子、野村宏伸、手塚理美ら名優陣が脇を固める。
故郷を想うこと、家族を想うこと、それぞれが誰かから何かを受け継ぐこと‥。忘れかけていた心が、心地よく目覚めていく。価値観の定まらぬ今だからこそ、百年の心の繋がりを描く感動の物語が、全ての人の心を癒す。
ストーリー
明治42年、弘前。大森賢治(中田敦彦)は、津軽蕎麦の屋台を営んでいた。鰯の焼き干しからとるその出汁は、ほかに真似のできぬ深い味を出していた。焼き干しは、戦争で夫を失ったトヨ(早織)がその幼い娘フキと共に青森から運んで来るもの。賢治は、トヨに淡い想いを抱いていた。そして、自分たちの店を持つことを夢見ていた。
現代の東京。結婚披露宴の会場でバルーンアートを披露している大森陽一(藤森慎吾)。写真を撮っているカメラマンの筒井七海(福田沙紀)。陽一が、うっかり七海の照明器具を壊してしまい、慌てた七海から飛び出た津軽弁。2人は、どちらも弘前出身だった。陽一は、借家を七海とシェアすることで照明器具代を弁償するという提案をする。
経済的理由からの共同生活が始まった。陽一は、七海に蕎麦を作ってご馳走する。陽一の実家は、弘前に百年続く「大森食堂」。四代目にあたる彼は、中学生の頃から父・哲夫(伊武雅刀)に津軽蕎麦作りを仕込まれていた。しかし、父との確執から、店は継がずにバルーンアートをしながら東京で暮らしている。故郷に対する反発と捨て切れぬ思い、将来への不安に陽一は揺れていた。
そんな時、弘前で、父・哲夫が交通事故で入院した。当分「大森食堂」は閉めることになるという。「でも帰って来なくて大丈夫」という姉の電話に、陽一は複雑な気持ちになる。だが、翌朝、「お客さんを待ってる店が可哀想で‥」という祖母フキの切実な電話の声を聞いて、一時的な帰省を決めるのだった。
一方、写真撮影スタジオで仕事中の七海も、アクシデントに見舞われる。師匠の浅尾(大杉漣)が倒れたのだ。病院で、浅尾とその妻・美音子(かとうかず子)の強い絆を見て、七海はショックを受ける。浅尾は、師匠であり、七海の恋人のはずだった。
陽一は、久しぶりに弘前に帰った。数年前、就職に失敗して「店を継ぎたい」と哲夫に言った夜、「店を安く見るな!」と怒鳴られ、大喧嘩になったことを思い出す。その時以来の帰省だった。
祖母フキは、陽一の帰りを待ちわびていた。陽一は、津軽蕎麦を作り始め、「大森食堂」を開ける。そして、やって来た高校時代の同級生、美月(ちすん)や政宗(永岡 佑)との交流に、故郷の心地よさを感じるのだった。
ある日、七海が突然帰省する。彼女は、今は使われていない実家の写真館に陽一を案内する。亡き父の思い出を語り、失恋を認め、自分を見つめ直す七海。そんな彼女を陽一は優しく受け止める。
陽一は、自分なりに味をアレンジした津軽蕎麦を入院中の父に出前する。だが、「出汁はいいが、何だ、この麺は!」と雷を落とされ、猛反発。そして、「代々の味を受け継ぐことは柄じゃない」と東京に戻ろうと考える。
そんな時、突然、祖母のフキが亡くなった。陽一の心に熱いものがこみ上げる。初代・賢治の津軽蕎麦を、「大森食堂」を生涯愛し続けたフキ。陽一は、彼女が楽しみにしていたさくらまつりへの出店を決意する。
明治時代の賢治と現代の陽一。満開の桜が見守る中、それぞれに、小さな奇跡が起ころうとしていた‥。
スタッフ
監督:大森一樹
脚本:青柳祐美子 大森一樹
原作:森沢明夫
製作総指揮:川阪実由貴
製作:二村慈哉
キャスト
藤森 慎吾(オリエンタルラジオ)
中田 敦彦 (オリエンタルラジオ)
福田沙紀
ちすん
伊武雅刀
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