青いうた〜のど自慢青春編
2005年/日本/115分/ 配給:シネカノン
2006年12月22日よりDVDリリース 2006年5月13日 シネカノン有楽町、渋谷シネ・アミューズほか全国ロードショー
(C)2006『青いうた』製作委員会
公開初日 2006/05/13
配給会社名 0034
解説
ぼくらの心は いつも悲しいほど青い空
淡い想いが蘇る感動の青春群像劇
美しい自然に抱かれた故郷で精一杯に生きる弟良太と、金だけを信じ故郷を捨てて東京に向かう兄達也。そして地元で美容師を目指す達也の彼女恵梨香と東京に進学する俊介。中学卒業後それぞれの道に進んだ4人は、挫折を経験しながらも大人への階段を上り始める。
99年に公開され大きな話題を呼んだ井筒和幸監督の傑作『のど自慢』から、新たなストーリーが生まれた。中学を卒業したばかりの若者四人の心情が切なく絡み合い、それぞれの絆が深く心に刻み込まれる。若い人はもちろん観る者誰もがその胸に秘めた淡い想いを蘇らせ、そして明日への希望が湧いてくる感動の青春群像劇だ。
歌いたい歌がある、聴かせたい人がいる。
後ろには見守るように山がそびえ、前には青い海を望み、そして静かに川がたゆたう青森県むつ市。問題を起こして一年留年した達也は、一才年下の純真な心を持つ弟良太と一緒に、もうすぐ中学を卒業する。達也は歌が大好きな良太に無理矢理誘われて、美容師を目指す彼女の恵梨香と東京に進学する俊介の4人でコーラス・グループを結成し、卒業パーティーで歌う事になる。しかし当日、達也と敵対するグループが乱入し、パーティーはメチャクチャになってしまう。
卒業後、良太は地元の中華料理店に就職する。達也も町工場で働き出すが、すぐに嫌気がさして町を飛び出し東京へと向かう。しかし大都会は達也が胸に秘めた安易な夢をすぐに食い尽くし、強がりばかり話していた恵梨香との仲は次第に疎遠になって行く。そして恵梨香と俊介もそれぞれの道を進み、4人は挫折を経験しながらも一歩一歩大人への階段を上り始める。
やがて一年が過ぎようとする頃、むつ市でのど自慢が開催される事になる。町は色めき立ち、人々はそれぞれの思いを込めてあの晴れ舞台で歌う事を夢見る。そして良太ももう一度4人で歌うためにみんなに連絡を取り始めるが・・・。
ベテランと新たな才能の出会いから生まれた傑作!
監督は劇場用一般映画初監督となる新進気鋭の金田敬。脚本は『黄泉がえり』(02/塩田明彦)『秘密』(99/滝田洋二郎)『SF サムライフィクション』(98/中野裕之)の斉藤ひろし。そして重要な役割を果たす音楽は『パッチギ!』の加藤和彦が担当し、その流麗なスコアが観る者の胸を熱くする。また「木綿のハンカチーフ」「ケ・セラ・セラ」「花のように」「見上げてごらん夜の星を」「地上の星」「One Nighit Carnival」など様々な年代の色褪せる事のない名曲の数々が全編を彩り、歌詞の内容と映像と物語が見事に融合した映画ならではの大きな効果を上げている。
出演はドラマ「3年B組金八先生Part7」(TBS)で注目を集める濱田岳、冨浦智嗣、寺島咲の三人と落合扶樹のフレッシュな面々が顔を揃え、今後の日本映画、ドラマ界を担う有望なスターの誕生を予感させる。そして斉藤由貴や豊原功補、木下ほうか、平田満、緑魔子、団時朗などのベテランが彼らの脇をしっかりと固め、強い印象を残す。また、由紀さおりと生方恵一アナウンサーが実名で、さらには『のど自慢』の主人公の一人である赤城麗子(室井滋)が登場する場面もお楽しみの一つだ。
本作は05年に発足した下北フィルムコミッションの第一回作品として、むつ市の全面的な協力の下で撮影された。
ストーリー
後ろには見守るように山がそびえ、前には青い海を望み、そして静かに川がたゆたう青森県むつ市。大湊中学校では生徒達が卒業パーティに向けてせわしなく準備に追われている。問題を起こして一年留年した達也は、一才年下の純真な心を持つ弟良太と一緒にもうすぐ中学を卒業する予定だ。音楽室では、合唱部が「翼をください」を熱唱している中、良太はパートを無視し気持ち良く歌っている。
達也は対立する赤髪一派に追われ逃げていると、ちょうど家に入ろうとしているクラスメイトの恵梨香と出くわし、無理繰り家に入れてもらいかくまってもらう。クラスメイトといっても達也は先輩になるのであまり話をした事がない。
そんな中、外からデコトラの音が聞こえる。恵梨香の母、留美が帰ってきたのだ。まだ父の面影が忘れられない恵梨香は留美が父以外の人と付き合う事自体が許せない。そんな事もあり最近はめっきり話をしないようになっていた。
いつも合唱部でパートを無視し歌い続けている良太にほとほと飽き飽きしている海野先生は、兄と歌えと言われたと達也に相談をもちかける。しかし、それでなくとも笑われる存在の良太と一緒に歌ったら何を言われるかわからない達也は拒むが、良太がこんなに歌を好きなのは、小さい頃達也が歌った「ケ・セラ・セラ」のテープがきっかけだった。結局、良太のグループに入らざるをえなくなった達也は、俊介と恵梨香をグループに誘う。
卒業パーティー当日。ねぶた太鼓や合唱部の「翼をください」などがステージ上で披露されている。出番を待つ緊張のリョーターズ。良太は楽しそうに上映中の喜劇を見ている。他の三人は緊張のあまり気分が悪くなってきた。良太はばっちゃのおまじないをしようと提案。「ケセラセラ、ケセラセラ、ケセラセラ」緊張はほぐれ晴れの舞台に立つ四人。しかし、赤髪一派が乱入しパーティーはメチャメチャになってしまう。
春、きらきらと輝く陸奥湾。町工場で働き始めた達也。中華料理店に就職した良太。昼間は美容院で働き、夜は美容学校へ通う恵梨香。そして、東京の高校へ進学し、東京で生活を満喫している俊介。それぞれの道を歩き始めた。
達也は恵梨香とデート中。シャンプーで手の荒れる恵梨香にハンドクリームをプレゼントする。「何でも買ってやる」と言う達也に対して恵梨香は「お金で買えないものもある」。隣にいても常に金だけを信じ、東京に行く事を夢みる達也と距離を感じる恵梨香だった。
町工場での単調な日々と良太の面倒。そんな毎日に嫌気がさし、故郷を捨て東京へ向かう達也。片手には朝に
弱い達也の為に買った恵梨香からのプレゼント、目覚まし時計があった。
しかし、東京での達也は胸に秘めていた安易な夢はすぐに食い尽くされ、、強がりばかり話していた恵梨香との仲は次第に疎遠になって行く。
夏、すっかり東京の高校生になった俊介は帰省し、東京とむつに離れてしまった達也と恵梨香の仲を心配していた。「だめじゃん、二人とも」と言う俊介。寂しげに遠くを見る恵梨香。俊介はそんな恵梨香を見つめていた。
やがて一年が過ぎようとする頃、むつ市でのど自慢が開催される事になる。町は色めき立ち、人々はそれぞれの想いを込めてあの晴れ舞台で歌う事を夢見る。そして良太ももう一度四人で歌うためにみんなに連絡を取る
始める。無事、予選も通過し本選の日になるが、まだむつに戻らない達也は東京で荒んだ生活をし、今は金融業を生業にした事務所にいた。のど自慢に出場すると連絡をうけた達也は、小さなラーメン店のテレビで良太達の姿を目にする。そこにはかつて卒業パーティーで歌おうとした「ケ・セラ・セラ」を良太、俊介、恵梨香と自分がいない変わりに良太が用意した古いウォークマンと幼いころ達也が歌ったテープ「ケ・セラ・セラ」が流れていた。ラーメンに箸もつけずられずにいる達也。顔は涙でぐちゃぐちゃだった。
むつ市の文化会館では、留美は娘恵梨香と東京で暮らす達也の為に「木綿のハンカチーフ」を歌っている。人々は口に出して言えない事を歌に乗せて伝えていく。
懐かしいむつの風景、夕焼けに染まる海岸。達也は帰ってきた。恵梨香のいる町に。
スタッフ
企画・製作:李 鳳宇
プロデューサー:椎井 友紀子
監督:金田 敬
脚本:斉藤ひろし
撮影:志賀葉一
照明:吉角荘介
録音:志満順一
編集:菊池純一
美術:石毛朗
キャスト
濱田岳
冨浦智嗣
落合扶樹
寺島 咲
斉藤由貴
緑魔子
豊原功補
魚谷輝明
岡本奈月
平田満
木下ほうか
甲本雅裕
団時朗
赤城麗子
由紀さおり
生方惠一
LINK
□公式サイト□この作品のインタビューを見る
□この作品に関する情報をもっと探す