キューティーハニー

1973年の週刊少年チャンピオンでの連載から何度も単行本化、アニメ化され、多くの少年たちのヰタ・セクスアリスとなった日本漫画界の巨匠・永井豪の傑作がついに実写化！　デンジャラスボディ佐藤江梨子を主演に、個性豊かなキャストや、日本アニメーションの最先端を行くスタッフが結集。「エヴァ」ブームで時代を席巻した庵野秀明監督が放つ実写とアニメが融合した“ハニメーション”によって愛の戦士が、生まれ変わるわよ！

キューティーハニーって何？
「キューティーハニー」の鮮烈デビューは、1973年秋。原作マンガとアニメがほぼ同時にスタートし、永井豪による“戦う変身美少女アンドロイド”というコンセプトは、のちのマンガ、アニメ界に大きな影響を与えた。肌も露わになる変身シーンに代表される健康的なお色気、そして、七変化で見せるハニーの華麗なファッション、主題歌のノリのよさなどが当時の少年少女を直撃。男の子は原作のエッチなシーンにドキドキとページをめくり、女の子たちはアニメのハニーの七変化に胸をときめかせた。
　その魅力は時代を超えても衰えることなく、「ハニー」は何度も復活している。まず原作者永井豪は「Cutieハニー」（92）と「キューティーハニー天女伝説」（01）で“ハニー伝説”を描き続けた。一方アニメでも、オリジナルビデオアニメ版（94）や、逆に少女向けにアレンジした「キューティーハニーＦ」（97）が製作されている。このように時代やメディアを超えて人々を魅了しつづけてきた「ハニー」の最新モデルこそ、この映画版『キューティーハニー』なのだ！

ハニメーションとは？
　ハニメーション——。大胆不敵にも、実写とアニメをフュージョンさせる斬新な映像表現は、庵野監督が摩砂雪監督補にふと語ったひとことから始まった。スチル写真を使ったアニメーションで新たなアクション映像をつくり出すことはできないか……。これがすべてのきっかけだった。このアイデアの原型は、庵野監督が学生時代に監督した自主特撮映画「帰ってきたウルトラマン」にあるという。
「目標は日本的なアニメのレイアウトやタイミングを、そのまま人間でやってみようということ。フルＣＧできれいにアクションをまとめることはできたが、サラっと流れてしまっておもしろくない。リアルさよりも、どこか引っかかるところがあるおもしろさを優先しました」（神谷誠特撮監督）。
　日本のアニメは、ＴＶアニメの予算的、時間的制約による少ない枚数の中でいかに印象的な動きを生み出すか、という技法を過剰なまでに発達させた。特にロボットアニメなどを中心に、誇張した遠近感による迫力の誇張、過剰なメリハリをつけた動きが生み出す重量感・飛翔感の表現などにより、独自の表現世界を生み出してきた。このアニメならではの活発なノリを今回の作品にも取り込みたいというのが、ハニメーションのそもそもの狙いというわけだ。