原題:CHIYOKO MILLENNIAL ACTRESS

愛して止まない大切な記憶、忘れられない人 ——もう一度あなたに逢いたい

第5回文化庁メディア芸術祭アニメーション部門大賞受賞 (同時大賞受賞作「千と千尋の神隠し」) 第6回ファンタジア映画祭 最優秀アニメーション作品賞芸術的革新賞受賞 第33回シッチェス映画祭最優秀アジア映画作品賞受賞

2001年/日本/87分/ヴィスタビジョン/ドルビーSRD/ 配給:クロックワークス

2014年02月21日よりDVDリリース 2003年02月25日よりDVD発売開始 2002年9月14日より渋谷東急3ほか全国ロードショー公開

(C)2001 千年女優製作委員会

公開初日 2002/09/14

配給会社名 0033

解説



全世界に衝撃を与えたサイコスリラーム、
『パーフェクトブルー』の最強チーム
今敏<監督>+村井さだゆき<脚本>+マッドハウス<アニメーション制作>が放つ最新作!

1998年に公開され大ヒットを記録、海外の数々の映画祭で多くの賞を受賞し、全世界の批評家から驚異のサイコサスペンス・アニメーションとして絶賛された『パーフェクトブルー』。その監督・今敏(こんさとし)と脚本・村井さだゆき、そしてアニメーション制作・マッドハウスという最強チームがふたたび手を組んでつくりあげた、未だかつてない——時空を超越した——衝撃的なラブストーリー、それが『千年女優』である。

愛して止まない大切な記憶、忘れられない人
——もう一度あなたに逢いたい

本作『千年女優』は監督の原案によるオリジナルストーリーである。その内容、ジャンルは今までのジャパニメーションの枠を遥かに越えた前人未踏の領域で、時空を超越し現実と幻想が交錯する、驚異のラブストーリーである。

かつて一世を風摩した女優、藤原千代子は30年前謎の失踪を遂げ、それ以来一度も公の場に現れることがなかった。だが千代子のいた大手映画会社【銀映】の設立記念事業の一環としてドキュメンタリーの制作を依頼された映像制作会社の社長、立花により、その謎に満ちたベールがはがされることになる。栄光の日々の裏で何があったのか、なぜ失嫁したのか、そして彼女が求め続けたものとは何だったのか…。立花とのやり取りの中で少しずつ浮き彫りになってくる一つの真実、それは千代子の“初恋”への情熱。どうしても忘れられない、もう一度逢いたい…千代子は初恋の人を追い求め、時空を駆け抜け運命さえも飛び越えて行く。現実と幻想が交錯するスリリングな展開と、繊細でハイクオリティな映像の中に描かれる、千代子の終わりのない愛。そしてその強い想いはスクリーンから溢れ出し、映画を観ている私たちをもタイムスリップさせ、別世界へと誘うのである。自分自身の淡い“初恋”の記憶、その頃の大切な“何か”。映画を観終わった後、私たちは87分の映像が、千代子という人生とともに、私たち自身の中にあるかけがえのない大事な記憶を呼び起こし、それを体感していたことを知る。

この全く新しい驚異のラブストーリー『千年女優』が、観る者にとって心を揺さぶる映像体験になることは間違いない。

ストーリー

大手映画会社・銀映の70周年記念事業の一環として、かつての看板女優・藤原千代子の半生を振り返るドキュメンタリーの制作を依頼された、小さな映像制作会社の社長・立花源也。千代子の大ファンであった立花は、彼女の全盛期をまるで知らない若いカメラマン・井田恭二を連れ、30年前人気絶頂にもかかわらず謎の失腺を遂げ、二度と公の場に現れなかった“幻の女優”千代子の屋敷へ、彼女の栄光と空白の30年の謎を取材する為に向かった。
彼らの前に現れたのは、若き日の清純さを残したまま老婦人となった千代子だった。彼女は立花たちを前に少しとまどいながらも、女優になる以前にもさかのぼる、封印されていた長い長い過去を語り始めた。それは生涯をかけて初恋の人を追う千代子の、壮大なラブストーリーの始まりだった。

関東大震災と共に産声をあげた千代子。女学生になった彼女がある冬の日、雪道を歩いていると、ふいに一人の男が乱暴にぶつかってきた。倒れた千代子は顔をあげて睨みつけようとするが、男の「すまない」と言って差し出した手と優しそうな眼差しに思わず言葉を失ってしまう。時が一瞬止まったかのように男を見つめる千代子。しかしそれも束の間、彼が警官に追われて逃げており、右足に怪我をしていることを知る。とっさの機転で追ってきた警官に嘘をつき、男をかばった千代子は、彼を自分の家に連れて行き、蔵にかくまうという大胆な行動にも出る。
その夜、満月になりかけた14日目の月を前に、男は蔵の中で千代子に“一番大切なものを開ける”鍵を見せ、今日の礼にいつの日か自分の故郷へ千代子を連れて行く、と約束する。とこるが次の日女学校から帰った千代子は、蔵が警官に見つかり男が駅に逃げていったことを知る。残された“一番大切なものを開ける”鍵を握りしめ、千代子は必死で後を追い駅まで走るが、すでに電車は動き出した後だった。

彼にもう一度逢いたい…その日から「鍵の彼」への想いとともに、千代子の人生の選択が始まる。女優の世界に入った彼女は、映画という虚構と現実の間を自由に行き来しながら、時間も空間も越えて「鍵の彼」を追い求める。遂げられぬ再会の約束と残された大切な鍵を携え、ときには戦国時代のお姫様、ときには幕末の遊女、ときには江戸時代のくの一と、様々な時代の中で「鍵の彼」を追って千代子はどこまでも走って行く。
現実と幻想が交錯する千代子の話を必死で聞く立花らは、彼ら自身もそのまま、彼女の話の中の時代設定に次々とタイムスリップしていく。

時代を越え、あたかも千年の間愛しい「鍵の彼」を追ってひたすら走り続ける千代子。やっとの思いで辿り着いた未来の月面で果たして彼女が見るものは…?

スタッフ

プロデューサー:真木太郎
原案・脚本・監督:今 敏
脚本:村井さだゆき
キャラクターデザイン:本田 雄
美術監督:池 信孝
演出:松尾 衡
音響監督:三間雅文
音楽:平沢 進
エンディングテーマ:[LOTUS-2]作詞・作曲・編曲:平沢 進
アニメーション制作:マッドハウス
制作:ジェンコ
製作:角川書店、WOWOW、クロックワークス、バンダイビジュアル、ジェンコ

キャスト

(声の出演)
藤原千代子(少女期):折笠富美子
藤原千代子(中年期):小山芙美
藤原千代子(老年期):荘司美代子
立花源也:飯塚昭三
立花源也(青年期):佐藤政道
井田恭二:小野坂昌也
島尾詠子:津田匠子
大滝諄一:鈴置洋孝
美濃:片岡富枝
銀映専務:徳丸完
千代子の母:京田尚子
鍵の君:山寺宏一
傷の男:津嘉山正種

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