原題:Belphegor, Phantom of the Louvre

決して、眼を合わせてはいけない。 フランスNO.1ヒット。ルーヴル美術館史上〈最悪のタブー〉

2001年4月4日フランス初公開

2001年/フランス/カラー/シネマスコープ/ドルビーデジタルSRD、DTS/97min サウンドトラック:ワーナーミュージック・ジャパン/協力:RMNジャポン 提供:日活、テレビ東京/配給:日活株式会社

2002年11月22日よりDVD発売開始 2002年6月15日より渋谷東急3ほか全国松竹・東急系にてロードショー公開

公開初日 2002/06/15

配給会社名 0006

公開日メモ 世界最古の美術館に数えられるルーヴル美術館。そこには、世界中から観光客が押し寄せる昼間の顔とは別に、恐怖に震える、もう一つの顔があった・・・。知られざるルーヴル美術館の闇の部分とは何なのか?

解説



800年以上の歴史を誇り、世界最古の美術館に数えられるルーヴル美術館。そこには、世界中から観光客が押し寄せる昼間の顔とは別に、怨念と恐怖に震える、もう1つの顔があった…。知られざるルーヴル美術館の闇の部分とは何なのか。昔から言い伝えられながら、誰もが口を閉ざして語りたがらなかったルーヴル美術館の呪いの伝説。この“フランス史上最大のタブー”が、今、劇場映画初の本物のルーヴル美術館での長期ロケという画期的快挙を得て、スクリーンにすべての全貌を現した—

リュック・ベッソン作品を抜いて、
フランスでNo.1ヒットを記録!

華麗なイメージとは全く正反対の、恐怖の館の全貌を露にするルーヴル美術館。その変遷は、信じられないほど波乱万丈だ。かつて城塞から王宮となり、やがて血塗られたフランス革命の惨劇を目撃し、ナポレオンの結婚式の舞台ともなった。美術館になってからは、生と死、愛と憎悪、情念が渦巻く古今東西の膨大な美術品が、広大な館内に収蔵された。歴史のひとつひとつが血と涙の呪いを生み、亡霊たちが彷徨い、それらが謎の怪奇現象をもたらしたとして、何の不思議があろうか。こうして、知らず知らずの間に人々の口に上り、民間にひろがったルーヴル怪奇伝説。この言い伝えを基に原作が生まれ、1926年にはサイレントで映画化。そして1965年、当時の大人気シャンソン歌手ジュリエット・グレコ主演で「べルフェゴール」というタイトルでTVドラマ化されてからは、フランスで知らぬ人はいないほど、この伝説は有名になった。以来、ルーヴル美術館に実際には存在しないベルフェゴール怪人像のありかを尋ねる来館者が今も後を絶たないという。この有名な伝説に、1981年から始まったグラン・ルーヴル<美術館改修計画>のエピソードを新たに重ね合わせ、最新デジタル技術を駆使して完成したのが、本作品『ルーヴルの怪人』である。フランスでは公開第一週で『15ミニッツ』『トラフィック』など並みいるハリウッド大作を押し退けて見事、興行成績No.1を記録。大ヒット・ロングラン上映となると同時に、その人気はヨーロッパ全土に拡大し、記録的な数字を達成した。さらに香港、カナダ、アメリカでも公開され、大きな話題を呼んだ。

劇映画初!ルーヴル美術館の本格的協力で実現した
長期ロケによる本物の臨場感

華麗なるルーヴル美術館内を見舞う、不可解な怪奇現象、そして謎の不審死—。真夜中の館内では、警備員たちが次々に謎の死を遂げついには謎の怪人が館内を彷徨っているという噂までが流れていく—。ビデオカメラには何も写らず、防犯ベルも機能しない。どんな厳重な警備も、この怪奇現象の前では成すすべがない。そして、何かを目撃した人間は容赦なく死を迎えることになる—。美術館の前に住んでいる、身寄りもなく、恋人とも別れたばかりの孤独な美しい女性が、ある夜、偶然にもルーヴル美術館に迷い込んでしまうが、そのときから彼女の身に変化が起こる—。幻覚につき纏われ、時折、自分を見失ってしまう彼女の不可解な行動。彼女を動かす怪奇な現象とは、一体、何なのか—。
ルーヴル美術館を舞台に展開するこの作品で最高の見どころは、スクリーンに本物のルーヴル美術館が登場することである。これほどの長期にわたる劇映画のロケは初めて。ルーヴル美術館の本格的協力が得られ、毎回閉館と同時に撮影機材が運び込まれ、実際に展示室や廻廊での撮影が行われた。モナリザやサモトラケのニケなど、スクリーンに映し出される美術品の数々はすべて本物。いくつかの秘められた部分までがスクリーンに姿を現す。歴史を重ね、血塗られた歳月を生きてきた本物のルーヴル、そのまさに呪いの伝説が生きている現場での撮影という、映画史上にも前例のない出来事が、スクリーンに、言葉では言い尽くせない圧倒的な臨場感と重厚な威圧感をみなぎらせた。これ以上の戦慄は望めない、まさに最高の映画体験として、全身全霊が震えるのは間違いない。

ソフィー・マルソーをはじめ
超一流の顔ぶれがキャスト&スタッフに勢揃い

謎の悪霊に取り憑かれるヒロインを演じるのは、かつてのアイドル女優から今やフランス・トップ女優の座に君臨し、『007/ワールド・イズ・ノット・イナフ』などハリウッド映画でも活躍するソフイーマルソー。彼女のゴージャスな魅力がルーヴル美術館という華麗なステージで最大限に生かされ、さらにミステリアスな官能美が妖しいまでの輝きを放つ。彼女を助ける青年を演じるのは、『TAXi』シリーズで注目された若手フレデリック・ディフェンタール。その他、脇を固める演技陣として、セザール賞受賞3回の名優ミシェル・セロー(『クリクリのいた夏』)、『ドクトル・ジバゴ』などのオスカー女優ジュリー・クリステイら、超一流の顔ぶれが揃っている。さらに本作のTV版「ベルフェゴール」にかつて主演した大御所シャンソン歌手のジュリエット・グレコがカメオ出演を果たしているのも、往年のファンには見逃せない。
製作は、フランスで40年近いキャリアを誇る大プロデューサーで、デイヴイッド・リンチの話題作『マルホランド・ドライブ』などで国際的にも活躍するアラン・サルド。サルドは、60年代にフランスで驚異的視聴率を上げ、日本でも放映されたTVシリーズ「ベルフェゴール」を現代的に進化させて映画化することを企画。彼から直々の指名を受けて映像派の鬼才ジャン=ポール・サロメ監督が、シャープなビジュアル・センスを発揮した。
怪奇現象のVFXを担当したのは、『エイリアン4』『ジャンヌ・ダルク』『アメリ』の特撮を手掛けたアラン・カルス。気鋭の映像クリエイター、ピトフ(『ヴィドック』)のコラボレーターとしても知られるカルスが、160にも上る特撮3Dショットを20人のチームで制作。ルーヴル美術館の怪奇の世界に命を吹き込んだ。

ストーリー





1935年、考古学者デフォンテーヌ教授率いる遺跡調査団は、3000年前のミイラを発掘した。石棺に収められたミイラは、ルーヴル美術館に向けて船で搬送すべく、港を出航。が、間もなく、教授も乗組員たちも悪夢にうなされ、謎の自殺が続出。教授も謎の死を遂げ、その記録はルーヴルの収蔵室の奥深くにしまわれたきり、忘れ去られてしまう。
やがて現代—。大規模な拡張工事を開始したルーヴル美術館の地下収蔵室から謎の石棺が、デフォンテーヌ教授の日誌と共に発見される。イギリスからミイラ学の権威グレンダ・スペンサー博士(ジュリークリステイ)が呼ばれ、ミイラの調査が始まった。しかし、そのときから不可思議な現象がルーヴル内に蔓延する。度重なる電気回路の故障は、周囲の建物にも広がっていった。
美術館正面のアパートの一室に住む若い女性リザ(ソフィー・マルソー)は、病弱の祖母との2人暮らし。急な停電で電気会社に連絡すると、スタッフのマルタン(フレデリック・デイフェンタール)が飛んできて即座に修理するが、その直後、リザの祖母が倒れ、息をひきとってしまう。祖母から受け継いだ香水店も立ち退きを強いられ、彼女は仕事も失ってしまう。そんなとき、またも電気回路がショートし、彼女はマルタンを呼び寄せる。電気ボックスを調べようとアパートの地下に降りた2人は、そこがルーヴル美術館の工事現場に繋がっていることを知る。好奇心に駆られてどんどん奥に進むリザをマルタンが追い掛け、気がついたとき、2人は誰もいない夜中のルーヴル美術館内に停んでいた。守衛にみつかり、逃げる2人。リザはマルタンとはぐれ、地下室に迷い込む。そこで横になっているミイラを見てしまったりザは、その直後から不思議な感覚に襲われた。心配して外で待っていたマルタンも、リザの様子にそれまでとは違う、只ならぬ気配を感じるが…。その夜以来、リザは原因不明の耳鳴りに悩まされる。寝ているはずなのに、朝目覚めたとき、疲れ果てている。昼間は、自分でも知らぬ間にルーヴル美術館をさまよい歩いている。そんなとき、見学の子供たちの前で「死者の書」をすらすらと解読して回りの人々を驚かせるという一件もあった。リザ自身、それまで「死者の書」を読んだことなど一度もなかったのに…。その頃、真夜中のルーヴルでは謎の怪奇現象が頻発していた。真っ黒なマントの亡霊を見たと証言する守衛たちを、館長はバカにして信じないが、そんな彼らが次々に謎の死を遂げるに至って、彼は元刑事ヴェルラック(ミシェル・セロー)を呼び寄せる。ヴェルラックは、その怪奇現象に覚えがあった。若い頃、ルーヴル美術館内で謎の現象が発生し、死者が出た事件を彼は捜査したことがあった。しかし、そのときは謎のまま、いつしか忘れ去られてしまっていた。ヴェルラックは、<グラン・ルーヴル>の改修工事が始まったことと、この怪奇現象が無関係ではないと踏んでいた。彼は今度こそ亡霊の正体を暴こうと、館内に寝泊まりを始める。そして、謎の怪人がエジプトに関係のある死者の弔いの品々を集めていることを発見。これが何か解決への糸口となるのだろうか—?
一方、リザの身を心配するマルタンは、彼女が夜中になると憑かれたようにルーヴル美術館内に入っていくのを目撃する。それだけではなく、彼女は昼間、見たこともない謎の文字を家の中の壁に書きなぐるようになっていく。一体、リザの身に何が起きているのか。そして、この一連の怪奇現象を引き起こしているパワーとは、一体、何なのだろうか—。

スタッフ

監督:ジャン=ポール・サロメ
製作:アラン・サルド
撮影:ジャン=フランソワ・ロバン
脚本:ダニエル・トンプソン、ジェローム・トネール
VFXディレクター:アラン・カルス
美術:ミッシェル・アベ
編集:シルヴイ・ランドラ
オリジナル・ミュージック:ブリュノ・クレ

キャスト

リザ:ソフイー・マルソー
刑事ヴェルラック:ミシェル・セロー
マルタン:フレデリック・テンフェンタール
グレンダ・スペンサー博士:ジュリークリステイ

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