裸足の1500マイル
原題:RABBIT PROOF FENCE
東京国際映画祭特別招待作品::http://www.tiff-jp.net/
2001年/オーストラリア/カラー/94分/ 配給:ギャガ・コミュニケーションズ
2003年09月05日よりビデオ発売&レンタル開始 2003年09月25日よりDVDリリース 2003年2月1日よりシネスイッチ銀座ほか全国順次ロードショー公開
公開初日 2003/02/01
配給会社名 0025
公開日メモ 母の待つ故郷まで1500マイル。自分たちを信じて90日間歩き続けた、少女たちの壮大な真実の物語。
解説
お母さんに会いたいーー。
母の待つ故郷まで1500マイル。
自分たちを信じて90日間歩き続けた少女たちの壮大な真実の物語。
母親と共にありたいと願う、切なる子供の気持ち。「裸足の1500マイル」のテーマは国や人種などを飛び払えた普遍的なものである。母の待つ愛する故榔に戻りたい一心で執拗な追跡者と大自然の脅威にさらされながらもありったけの気力と知恵を振り絞る少女たち。そして祈りを捧げながらその邂逅を待ちわびる母の姿。彼女たちのひたむきな姿は本国オーストラリア中を涙で包んだ。物語の背景となるのは1931年のオーストラリア。当時、先住民アボリジニの混血児を家族から隔離し、白人社会に適応させようとする隔離・同化政策がとられていた。政策の対象となり、強制的に寄宿舎に収容されたアボリジニの少女3人は、母の待つ故榔に帰るため、オーストラリアを横断するフェンスをたよりに.2400キロもの距偉を逃走する・・・
少女たちの一人であったモリーの娘、ドリス・ピルキングトンが綴った真実の物語。母親の体験を綴った一冊の本。
作品の持つ圧倒的な強さに、一流のスタッフが集結。本作の原作は少女たちの一人であったモリーの娘であるドリス・ピルキングトンが発表しベストセラーとなったノンフィクション小説。その内容に心勘かされ、一流のスタッフがオーストラリアに集結した。監督のフィリップ・ノイスは「今そこにある危機」「ボーンコレクター』などを手がけたハリウッドのヒットメーカー。同じくオーストラリア出身の撮影監督クリストファー・ドイルは、ウオン・カーウァイ監督との密接なコラボレーションを始め、国境を超えて活量する撮杉監督。また「これほど感動的な実話を映画化するチャンスはめったにない」と、製作総指揮に名を連ねたのは『ラストエンペラー』など多数の名作を世に送り出してきたジェレミー・トーマス。カリスマ的なミュージシャン、ビーター・ガブリエルが久々に映画音楽を手がけ、壮大な大地を駆け抜ける少女たちを包む、スピリチュアルな旋律を鳴らしているのも大きな話窪だ。
大陸中を探してやっと巡り会えた、ダイヤモンドの原石のような少女たち。小さな主演女優たち、エヴァーリン・サンピ、ローラ・モナガン、ティアナ・サンズベリーはオーストラリア全土に及ぶオーディションを経て選ばれた。実際にアボリジニの血を引く3人が、演技慣れした子役とは異なるみずみずしさを湛え、困難な状況に確つた少女たちのピュアな想いを体当たりで表現する。そしてアボリジニ保護局の局長ネピルを演じるのは、数々のシェイクスピアで名を駐せ、映画監督、俳優として活躍する才人ケネス・ブ
ラナー。自らの差別的行為を正当化しようとするネビルの心の葛藤を演じ、ステレオタイプの悪役になりがちなキャラクターに厚みを与えた。
ストーリー
1931年、西オーストラリア・ギブソン砂漠の端に位置するジガロング。この土地には14蔵のモリー(エヴァーリン・サンピ)とその妹で8蔵のデイジー(ティアナ・サンズベリー)、そしてモリーの従妹にあたる10蔵のグレイシー(ローラ・モナガン)というアボリジニの少女たちが生活している。モリーの母親は娘たちに狩りの仕方を教え、悠然と空を舞う一羽の鳥を
指差して「あれは“精霊の鳥”よ。どこにいようともお前を見守って<れる」と語って聞かせるのだった。
そんなアボリジニの平穏な営みがある日突然打ち砕かれる。アボリジニ保護局の局長ネビル(ケネス・ブラナー)が、モリー、グレイシー、デイジーの3人を拘束するため、部下をジガロングに派遣したのだ。ネビルは“アボリジニを保護する”という名目の下、アボリジニと白人の混血の子供たちを家族から引き挺し、白人に同化させる政策の法的責任者だった。ネビルの部下によってむりやり車に押し込められたモリーら3人は、西オーストラリアの静市パースの北にあるムーアリバー先住民居留地に収容される。
ここの寄宿舎で寝起きするアボリジニの少女たちには粗末なベッドと貧しい食事をあてがわれ、白人文化に溶け込むための厳しいしつけが行われていた。そこには脱走者を連れ戻すためにムードゥ(デビッド・ガルピリル)という名の凄腕のアボリジニの追跡人がおり、絶えず子供たちを監視していた。
ムーアリバーに収容されてほどな<、最年長で気丈なモリーはこの施設から逃げ出し,母の元へ帰ろうと言い出す。「どうやって?」と尋ねるデイジーに向かってモリーはきっぱりと「歩<の」と言う。幼いデイジーとグレイシーは不安に竈られて脱走をためらうが・モリーの固い決意に押しきられ、彼女についてい<ことを選ぶ。彼女達の果てしな<厳しい家路はここから始まるのだ。
3人が脱走したとの知らせを受けたネビルはすぐさまムードゥや警察隊に追跡を命じる。その追跡にはマスコミまでもが動員された大掛かりなものとなった。しかし頭のいいモリーは、グレイシーとデイジーを励ましながら森を抜け、足跡が残らないよう林の中を通ったり、木の枝で足跡を消すなどの機転を利かせて、目ざといムードウの追跡をかわしていく。彼
女達は、自然の脅威、そして遭遇する人々たちと闘わなければならない。白人や、アボリジニすらも、時には彼女たちに手を差し伸べ、時には彼女たちを脅かす存在となった。
あてどなく荒野をさまよっていたモリーらはかすかな希望を見つける。ある白人女性がウサギよけフェンスの場所を教えて<れたのだ。そのフェンスが大陸を縦断し、遥か遠くのジガロングまで繋がっているということを思い出したのだ。ついに脱走から一ヶ月が過ぎた頃、モリーは
フェンスを発見し、ありったけの勇気をふりしぼって再び歩き続ける。しかしネビルも3人がフェンス沿いに移動していることを見抜き、ムードゥと警察隊に入念な追跡指示を送るのだった。3人がムードゥに捕まることはいまや避けられようもないと思われた。
それでもなおモリーは最後の気力を奮い起こし、つかれきったデイジーを背負いながら、未開の砂漠地鮨に足を踏み入れてい<。この危険な一帯にはネビルの追っ手もやってこない。しかしふたりの行く手に待ち受けていたのは唯一の道標であるフェンスが途絶えているというあまりにも残酷な現実だった。もはや精も根も尽き果て、荒涼とした砂漠で意識を失う少女達。彼女達は愛する母の元にたどり着けるのだろうか…?
スタッフ
監督・製作:フィリップ・ノイス
原作:ドリス・ピルギングトン
脚本・製作:クリスティン・オルセン
製作総指揮:ジェレミー・トーマス
撮影監督:クリストファー・ドイル
音楽:ピーター・ガブリエル
キャスト
モリー:エヴァーリン・サンピ
グレイシー:ローラ・モナガン
デイジー:ティアナ・サンズベリー
ネビル:ケネス・ブラナー
ムードゥ:デビッド・ガルビリル
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