ブラック・レイン
原題:BLACK RAIN
東京国際ファンタスティック映画祭2001出展作品::http://www.nifty.ne.jp/fanta/tokyo/
1989年/アメリカ映画/パラマウント/シネスコサイズ/125min 発売:CIC・ビクタービデオ
2006年11月02日よりDVDリリース 2004年10月22日よりDVD発売開始 2001年2月9日DVD発売 1989年10月劇場公開作品
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解説
〈ニュー・ヨーク〉オートバイを乗り回す敏腕刑事がいる。名はニック・コンクリン、そのパワフルな行動力の裏に誰にも言えない苦悩が隠されいた。彼は別れた妻子の為に金を必用としていた…。
〈大阪〉かつての栄光を胸に秘め、陽のあたらない職務に黙々と励む刑事がいる。名は松本正博、彼の額に刻まれた深いみぞと、固く結んだ口もとが、最愛の妻を失った悲しみと、男の意地を物語っていた。
そして、大都会の謀略が渦巻く中、二人は出逢った…。
’70、’80年代をそれぞれ代表する傑作として映画ファンに語り継がれている『エイリアン』、そして『ブレードランナー』。この二大作を演出したリドリー・スコット監督が’80年代の悼尾を飾る作品にと、心血を注いだ入魂の作、それが『ブラック・レイン』だ。
大ヒット作『インティ・ジョーンズ/最後の聖戦』をはるかにしのぐ製作費4200万ドル(約59億円)。その巨額な製作費と、大阪府が全面協力し同地で本格ロケされた初のアメリカ映画とマスコミをにぎわす一方、この作品のために結集した顔ぶれの凄さに世界の映画界、ファンは心からの大きな拍手を送った。
製作は、『危険な情事』『告発の行方』の名プロデューサー・コンビ、.スタンリー・R・ジャッフェとシェリー・ランシング、撮影は『ダイ・ハード』のジャン・デ・ポン、音楽は『レインマン』のハンス・ジマー、編集は、『ライトスタッフ』でアカテミー賞受賞のトム・ロルフ、衣裳デザインは『危険な情事』『ウォール街』のエレン・ミロイニックと、世界の映画界をリードする一流のスタッフが揃った。
物語はアメリカと日本を舞台に、激しく生きる男と、静かに燃える男の友情、そして彼等をめぐる様々な愛とロマンが鮮烈にドラマを綴っていく。
ニューヨーク市警の刑事ニック・コンクリン。妻子と別れたニックには、犯人逮捕時に不明となった大金の嫌疑がかけられていた。そんなニックが、相棒のチャーリー・ビンセントとレストランで食事をしていた時、マフィアのポスのテーブルで殺人事件が起こる。黒いロングコートの男が二人の日本人をナイフで瞬時に殺したのだ。犯人を追ったニックは熾烈な格闘の未、男を逮捕する。男の名は佐藤、日本の夜を支配する組織に属する男だった。日本大便館の強い要望で、チヤーリーとともにニックは佐藤を日本に護送することになったのだが、大阪空港で偽警察官にまんまと佐藤をさらわれてしまう。ニューヨーク市警の威信と男の意地を賭け、ニ人は大阪府警の強力のもと、佐藤を追った。佐藤は、買っての自分のドンである犯罪組織のボス、菅井と激しく対立していた。佐藤と菅井の手には、それぞれ偽の百ドル米紙幣の表と裏の原版があった。両方そろわなければ使えぬ原版をめぐって激しい抗争が続く。だが、佐藤ことってもう一つの戦いは、自分を逮捕したニツクヘの復讐だった。かつて凄腕と謳われながら、今は閑職にある刑事、松本をパートナーに得て、ニックが本格的調査に乗り出した矢先、チャーリーがニックの目前で殺された。犯人は佐藤だ。深い悲しみに襲われながらも、いつしか男の絆で結ばれた松本の助けを得て、ニックは立ち上がった。怒りを胸に友のため、命を賭けた戦いを開始した!
このドラマチックな男の世昇を描くため、スタッフのみならず、絢燗たる国際スターが一堂に顔を揃えた。
アメリカからは、ニューヨーク市警の刑事ニック・コンクリンに『ウォール街』でアカデミー主演男優賞に輝いたマイケル・ダグラス、親友で相棒のチャーリー・ビンセントに『アンタッチャブル』で一躍世界に注目を浴びたアンディ・ガルシア。大阪のナイトクラブの女ジョイスに、『インディ・ジョーンズ/魔宮の伝説』のケイト・キヤブショーが各々扮している。
日本からは大阪府警の刑事、松本に日本が誇るトップスターの高倉健が扮している他、凶悪な殺人犯、佐藤に松田優作、関西の犯罪組織に君臨するドン、菅井に若山富三郎、異彩を放つギャングを、映画で次々に斬境地を開いている内田裕也が熟演。ガッツ石松、小野みゆき、神山繁、安岡カ也といった個性豊な俳優陣が、アメリカ川キャストと火花の散る競演を披露している。
凝りに凝る、リドリー・スコット監督のスタイリッシュな演出の中、彼の代表作に加わる話題作がいよいよ公開の運びとなった。
ストーリー
冬のブライトン・ビーチで、若いオートバイのライダー相手に公道でレースを繰り広げる男がいた。ニック・コンクリン(マイケル・ダグラス)。妻子と別れて間もないニューヨーク市警のこの部長刑事は、抜群のライダー・テクニックを持っていた。
次の日、ニックは出頭命令を受けて警察分署の会議室へ入っていった。すると半年前の彼の行跡が監察官によってチェックされだした。三人の容疑者を逮捕した際に、現金が8000ドル余り減って発見されたというのだ。離婚直後で出費がかさむニックの立場は悪かった。次々に質問を君びせる監察官にニックは怒りを爆発させた。
外に飛び出したニックはスカラリの店へ行き、昼食を約束していた若くてダンディな同僚の刑事チャーリー・ピンセント(アンディ・ガルシア)の隣りに座った。奥のテーブルではマフィアのポスのフランキー・アボラフィアが日本人と会談中だった。そんなところに、ニ人組の日本人が現れて、左右に散った。その後から、黒いコートに身を包み、濃いサングラスの日本人が入ってくる。突然、先に入った二人組がマシンガンを構えると、サングラスの男はフランギーのテーブルにいた日本人の胸ポケットから薄い木の箱を抜き取った。わめく通訳の胸にナイフを刺したかと思うと、それを引き抜きざま、もう一人の日本人の喉をかき切り、サングラスの男は店を出た。すぐさまニックは後を追った。車で逃げるニ人に向けてニックが撃ったピストルは運転手に命中、車はトラックに激突した。車から肉の卸売市場の倉庫へ逃げ込んだ犯人と、銃をはじき飛ばされたニックは熾烈な格闘を展開。犯人に右目の上を切られてニックは窟地に陥るが、駆けつけたチャーリーら警官隊に救われる。
逮捕された男の名は佐藤(松田優作)大阪の夜の世界を支配する犯罪組織に属する人物だった。そして、日本大使館の強い要望により彼は日本の警察に引き渡されることになった。ニツクとチャーリーは佐藤を護送して日本へと向かった。
だが、大阪空港で三人の偽警察官にまんまんと佐藤をさらわれてしまう。
大阪府警察本部に行ったニックとチャーリーは、銃を所持しないという条件で滞在を認められ、かつて敏腕と謳われるも今は閑職に甘んじている松本正博警部補(高倉健)のもとにつくことになった。
クラブ・ミヤコで殺人事件が起こり、松本とニック達が現場に行くと、犠牲者は佐藤を連れ出した偽警官の一人だった。別室で犠牲者と一緒だったミユキ(小野みゆき)というホステスが事情聴取されていた。クラブを出ようとするニックの目に、ジョイス(ケイト・キャプショー)亡いう美しいアメリカ人ホステスの姿が目に飛びこんできた。ニックは彼女から、自分が犯人だと書かれた佐藤のメモを受け取る。佐藤は菅井(若山冨三郎)という大阪の夜に君臨するギャングのポスと抗争を続けていた。翌日、ニックは、佐藤がチンピラからまたたく間に頭角を現し、ハワイの造船界などを賞握、五年前までは菅井の右腕だった事実を知る。佐藤は彫金師を殺害した後にアメリカに飛び、54時間後にスカラリの店で二人を殺したのだった。
佐藤の隠れ家のタレこみが入り松本達は急行する。逮捕された5人の中に、佐藤の姿はなかった。だがそこで、ニックは偽の100ドル札を見つける。そんなニック達の姿を黒のライダー・スーツに身を固めた佐藤が、バイクから見つめていた。
実直で優しい松本と、強引だがストレートな熱血漢のニックは、いつしか心を許し合い男ので結ばれていった。そんなある日、ニックとチャーリーと松本は、クラブ・ミヤコでカラオケを楽しむ。チャーリーと松本が意気投合している間、ニックは店に居合わせた菅井に近づき、気を引き、話しをしようとするが失敗する。
ニックとチャーリーがホテルに帰る途中、チャーリーのコートがバイクに乗ったライダーにひったくられた。バイクを追って地下の駐車場へと消えたチヤーリーに、次々とバイクに乗ったライダーが切りつけてきた。息絶え絶えのチャーリーにニックが駆け寄るよりも一瞬早く、一台のバイクが猛然と突進してきた。ニックの目の前で、チャーリーは切り殺された。やったのは佐藤だ。
半狂乱のニックを慰めるかのように、ジョイスは彼を自分のマンションに連れて行く。翌日、マンションを訪ねた松本は、形見だといってチャーリーの持ち物を持ってきた。二ックはその中にピストルを見つけ、そっとと手にした。松本は黙っ見ていた…。
ニツクと松本は、クラフ・ミヤコのホステスのミユキが佐藤の情婦であるとにらみ尾行する。ミユキは銀行の隠し金庫から偽札の原版を取り出すと、大阪空港に警察になりすまして現れた梨田にそれを渡した。ニックと松本が梨田を追っていくと、披は工業地帯の巨大な製鋼所に入っていった。そこでは、偽札の原版の裏と表をそれぞれ持った佐藤と菅井が、対峠していた。互いに相手をなじる二人の話し合いは決裂。佐藤が立ち去ろうとした時ニックは彼の目の前仁飛びだした。激しい銃撃戦の中、佐藤はバイクで脱出を企てる。出入口へ駆けつけた警官隊を潮笑うかのように、ニック達の前から佐藤は逃げのびた。
銃を手にしたニックはアメリカへ退去を命じられる。大阪空港に運ばれジェット機に乗せられたニックは、監視の自を盗んで脱出に成功した。すぐさま松本を訪れ、協力を要請するが断わられてしまう。松本は停職の身なので手助けは出来ないというのだ。松本の家を後にしたニックはジョイスの力を借りて菅井に会う。ニックは相棒を殺された復讐を果たしたいので佐灘の居場所を教えてくれるように頼んだ。菅井は車にニックを乗せると郊外のある農家の近くに行き、ショットガンと弾を車から投げて渡した。この農家に手打ちのため佐藤も来るというのだ。
身を潜めて佐藤を待つニックの前に、停職の身となった松本が突然、姿を見せた。再会の喜びを目で交わし、胸に眠る友の復讐を誓う二人の熱き男。彼等の前に、奴が現れた。血の臭いを漂わせた、佐藤という名の死の狼が……。
スタッフ
製作:スタンリー・R・ジャッフェ、シェリー・ランシング
共同製作:マイケル・ダグラス
監督:リドリー・スコット
脚本:クレイグ・ボロテン、ウォーレン・ルイス
製作総指揮:クレイグ・ボロティン、ジュリー・カーカム
製作補:アラン・ポール
撮影:ジャン・デ・ボン
音楽:ハンス・ジマー
編集:トム・ロルフ
美術:ジョン・J・ムーア、ハーマン・F・ジマーマン
衣装:エレン・ミロイニック
キャスト
ニック・コンクリン:マイケル・ダグラス
松本正博:高倉健
チャーリー・ビンセント:アンディ・ガルシア
ジョイス:ケイト・キャプショー
梨田:内田裕也
大橋刑事部長:神山繁
片山:ガッツ石松
ミユキ:小野みゆき
菅井のガードマン:安岡力也
佐藤浩史:松田優作
菅井国雄:若山富三郎
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