原題:The Count of Monte Cristo

この想い永遠に・・・今、華ひらく運命の大河ラブロマン

2002年1月25日全米初公開

2002年/アメリカ/カラー/2時間11分/ 配給:東宝東和

2003年04月16日よりビデオ発売&レンタル開始 2003年04月16日よりDVD発売&レンタル開始 2002年11月2日より日比谷スカラ座2ほか全国東宝洋画系にてロードショー公開

ビデオ時に変わった場合の題名 モンテ・クリスト

公開初日 2002/11/02

配給会社名 0002

公開日メモ この想い永遠に・・・今、華ひらく運命の大河ラブロマン

解説


19世紀のフランスを代表する文家アレクサンドル・デュマ。多彩な彼の作品の中でもひときわ評判が高く、時代を超えて読み継がれているのが「モンテ・クリスト伯」だ。
「巌爺王」の名でも知られる本作はマルセイユ、パリを舞台にした波欄万丈の大河ロマン巨編。そして、デュマ生誕200年記念の今年、鮮やかな映像美を放ちながら、狂おしいほどの愛の情熱、燃えさかる憎しみの炎を描いた壮大なスケールの映画「モンテ・クリスト伯」が誕生した。
純朴な青年をある日突然襲った13年の幽閉生活。脱出不可能な暗黒の牢獄の中で、壁の石を数えながら復讐を誓った青年は苦難の脱出の末、永遠の愛を誓うため、そして、その愛を阻んだ者に復讐するため、名を変え、姿を変え、身も心も大変身を遂げて、パリ社交界に乗り込む・・・
 大冒険活劇を背景に最高の“恋愛”を描きたい…スタッフ、キャストの一致したこの夢は壮大なスクリーンをフルに使う撮影技術の粋に支えられ、ドラマチックな冒険、華麗なアクションを画面に生み出すと同時に友情、裏切り、苦悩、愛などの激しい内面のドラマが絡み合う。そして、アクションと感情が渾然一体となって、激しくも美しい、嵐のような恋愛絵巻が展開していく。
どのような苦難も一度燃えあがった愛の灯を消すことはできず、それどころか、その苦難をも糧にして、ますます鮮やかに燃焼する姿がここに現出する。ケヴィン・レイノルズ監督は「歴史絵巻の中にこそ描きたかったのは、絶対に死なずに生きのびていく人間の情熱と行動だ」と語っているが、それはここに忠実に映像化されている。まさに生誕200年記念にふさわしい大作、デュマの名とともに永遠に残るラブ・ストーリーの名作が誕生した。
激しい愛憎ドラマを演じる3人の男女には「シン・レッド・ライン」のジム・カヴィーゼル、「メメント」のガイ・ピアース、ポーランド生まれの新星タグマーラ・トミンスクが選ばれ、瑞々しくも、熱情こもるアンサンブル
を見せる。また、物語の要となる人物に「ハリー・ポッター」シリーズに出演中の名優リチャード・ハリスが登場、重厚な演技で作品に厚みを加えている。

ストーリー

1814年、皇帝ナポレオン・ボナパルトが捕らえられ、エルバ島に流された。 眩い港町マルセイユに2人の若者がいた。曲船ファラオン号の航海士エドモン・ダンテスとモンデーゴ伯爵の子息フェルナン・モンデーゴ。境遇の違いを越え、生涯親友であることを誓い合う仲だった。ダンテスは貧しい船乗りであることに引け目を感じなかった。彼にはメルセデスというフィアンセがいたからだ。彼女はひと目みたら男は恋せずにはいられない魅力的な娘。モンデーコも隙あらば言い寄ったが、メルセデスは相手にせず「高価な指輪なんていらない」とドレスの皮紐を引きちぎり、指輪代わりに薬指に巻きつけてダンテスヘの永遠の愛を誓った。
 しかし、ある嵐の夜、すべてが一変する事件が起きた。航海途中、ファラオン号はエルバ島に漂着。そこでタンデスはナポレオンから私信を託され、それが謀叛の手紙とも知らず持ち帰った。帰港後、ダンテスは船長に昇格し、晴れて結婚式をあげることになった。ところが、何者かの密告で、謀反の手紙を運んだ罪人としてイフ島へ島流しとなる。
 断崖絶壁に守られたイフ城に送られるや、典獄に鞭打ちの歓迎を受けたタンデスは、問答無用で独房に放り込まれた。真っ暗な牢獄の石壁を手で探りながら、運命を呪った。別れも言わず姿を消した自分をメルセデスは待っていてくれるだろうか?壁を叩いても答える者はなく、暗黒の中に虚しいこぶしの音が鈍く反響した。
 1年に1度だけ獄から出され、嫌というほど鞭打たれる悪夢が13年間続いた。痛さで熱くなった体でまだ生きていることを実感し、その熱さの中でメルセデスを想った。一体誰が罠にはめたのか?今や目に見えぬ敵への殺意と狂わんばかりの彼女への思慕だけがダンテスを生かしていた。明かりもなく夜と
も昼ともわからぬ歳月の中で、それは次第に強く、異常なほどに膨れ上がった。暗黒の獄中を歩きながら、壁の石を数え続けた…72,519個。絶望の怒りは次第に復讐心へと形を変え、メルセデスヘの想いは暗黒を照らす唯一の炎のごとく激しく燃え続けた..
 ある日、聞き慣れない音がすると床の石がはがれ、老人が顔を出した。ファリア司祭。掘り続けた脱獄用の穴の方向を誤り、ここに辿り着いてしまったと哀しく笑った。しかし、この時ダンテスは人生の師にめぐり合うこととなった。司祭は問わず語りを聞き、事のいきさつを見事解いてみせた。罠を仕掛けたのはメルセデスに横恋慕していたモンデーゴ。船長となったダンテスに嫉妬した同僚ダングラール、そして判事ヴィルフォール。今こそ、復讐の相手が明白になった。ダンテスは不運な落石で瀕死状態となった司祭から秘宝の在り処を教えられる。そして、間もなく息絶えた司祭の亡き骸と入れ代わって脱獄に成功、運命を変えてくれた司祭に深く感謝するのだった。
だが、奪われた13年間の重みが容赦なくのしかかる。まず、自分は既に死んだ人間だと思い知らされる。さらにあれほど愛を誓い合ったメルセデスがモンテーゴと結婚したという事実に打ちのめされるのだった。
時は経ち、パリの社交界はモンテ・クリスト伯の話題でもちきりだった。パリー番の豪奢な城で土侯も及ばぬ贅を尽くした社交界デビューのお披露目するというのだ。桁外れの財力を持つ謎の伯爵への期待に久方ぶりに社交界は沸き立っていた。
 宴の日、客は時遅しと伯爵の登場を待った。モンテーゴ伯爵夫妻、今は検事総長となったヴィルフォールの顔もある。伯爵は空から会場へと舞い降りた。なんという優雅さ。物腰の美しさはパリ広しといえども、伯爵の右に出る者はない。伯爵はゆっくりと会場を見渡し、モンテーゴを見つけると鋭い視線を送った。モンテーゴ、親友のふりをしてタンデスを陥れた卑怯な男。そう、誰ひとり気付かないが、モンテ・クリスト伯とは復讐を心に誓った。”エドモン・ダンテス”がまったくの別人として牛まれ変わった姿だった。と、モンデーゴに寄りそうメルセテスの姿に伯爵の心は揺れた。永遠の愛を誓ったのに10数年、一途に想い続けたこの愛を刃〈やいは〉に変え、いっそ彼女を切り裂いてしまいたい…不実な女へ憎悪が鋭い牙をむくのを必死で押える力、もう一度彼女をこの腕に抱きしめたいという欲求に襲われる伯爵。憎しみはこれほどまでに深いのに愛は消えぬはかりか燃えあがる..せめぎ合う感情の中、それを悟られまいと歩を進め、モンデーゴに精一杯の笑みで会釈をすると「奥様を奪っても?」と囁いた。その意味深な申し出に戸惑うモンデーコに、伯爵は「ワルツにね」と重ねた。伯爵の優しく力強い手に懐かしい温もりを感じるメルセデス。「あなたは亡くなった親しい友人を思い出させます」その時、彼は知った。彼女の指には豪華な指輪ではなく、今もまだあの粗末な皮紐がしっかりと結ばれていたことを・・・。

スタッフ

監督:ケヴィン・レイノルズ
脚色:ジェイ・ウォルバート
製作:ロジャー・バーンバウム、ゲイリー・バーバー、ジョナサン・グリックマン
撮影監督:アンドリュー・ダン
プロダクション・デザイン:マーク・ジェラーティ
編集:スティーブン・セメル、クリス・ウォマック
音楽:エドワード・シェアマー
衣裳:トム・ランド
製作総指揮:クリス・ブリガム

キャスト

エドモン・ダンテス:ジム・カヴィーゼル
フェルナン・モンデーゴ:ガイ・ピアース
メルセデス:ダグマーラ・ドミンスク
ファリア司祭:リチャード・ハリス
ヤコボ:ルイス・ガスマン
判事ヴィルフォール:ジェームズ・フレイン
アルバート:ヘンリー・カヴィル
ダングラール:アルビー・ウッディングトン

LINK

□公式サイト
□IMDb
□この作品のインタビューを見る
□この作品に関する情報をもっと探す