ばかもの
原題:BAKAMONO-THE IDIOTS
2010年/日本/カラー/120分/PG12 配給:東北新社
2011年06月03日よりDVDリリース 2010年12月18日(土)、有楽町スバル座、シネマート新宿他全国ロードショー!
©2010「ばかもの」製作委員会
公開初日 2010/12/18
配給会社名 0051
解説
一生忘れられない恋がある——
生きること、愛することの哀しみと歓びを描く、究極のラブストーリー。
気ままな大学生と、強気な年上の女。
かつての無邪気な恋人たちは、いつしか別れ、
気づけばそれぞれに、取り返しのつかない喪失の中にいた。
行き場をなくし、変わり果てた姿で再会した二人の、
むき出しの愛。
10年ぶりで会った彼女の姿は…
19歳のヒデは、年上女・額子と初体験をする。ぶっきら棒だけど率直な額子に、ヒデはのめりこんでいく。しかしある日突然、額子は一方的にヒデを捨てる。ヒデは呆然としたまま大学を卒業、就職、新たな恋もするが、虚しさだけが募っていく。いつしかアルコールに頼るようになり、墜ちてゆく。一方、額子もその頃、惨い運命の中を懸命に生きていた。そして10年後、変わり果てた姿で2人は再会する。
片腕になった額子。その姿にたじろぎながら、惹かれずにいられないヒデ。愛と優しさに、不覚にも涙がこみ上げる。忘れたくても忘れられなかった2人の10年にわたる《不器用な純愛》に、私たちの心は深く静かに震える。
成宮寛貴×内田有紀 奇跡のキャスティング!
かつてない難役にチャレンジ、迫真の体当たり演技!
19歳から29歳までのヒデを演じるのは、人気絶頂の成宮寛貴(「ララピポ」「ドロップ」)。初めて女性を知る戸惑いや悦びに、世の年上女性はほだされずにいられない。対照的に後半の、アルコール依存症になり、堕ちてゆくヒデの演技には鬼気迫るものがある。間違いなく本作は彼の代表作になるだろう。
そして、額子を演じるのは、「クワイエットルームにようこそ」「踊る大捜査線 THE MOVIE3 ヤツらを解放せよ!」など、個性的な作品から人気作品まで幅広い活躍で、女優として飛躍的に成長を遂げている内田有紀。複雑な役を、しなやかに見事に演じ、まさに“実力派女優”という印象を本作で決定的なものにした。
そのほか、息子を心配しつつ大きな愛で見守るヒデの母親に浅田美代子、ヒデの新恋人役の白石美帆、そして額子の母であり、ヒデの最悪のときを温かく支えたおでん屋の女将に古手川祐子など、魅力的なキャストが出演。額子の愛犬「ホシノ」の名演も忘れがたい。
芥川賞作家・絲山秋子×ヒットメイカー監督・金子修介(「デスノート」)
最強コラボで「将来への希望が持てる」力強いエンディングが完成!
原作は、芥川賞作家・絲山秋子の同名小説『ばかもの』(新潮社刊)。映像化に挑んだのは「デスノート」のヒットメイカー、名匠・金子修介監督。どん底まで墜ちる主人公の愚かさを真正面から見据え、絲山作品のもつ原始的とも言える生命力や官能をも見事に捉え、共感と愛しさを抱かせてしまう。そして最後、一抹の清涼の風を吹かせ得た。監督は「将来、希望を持てるようにしたい、という点で絲山さんと一致した」。その結果、絲山文学と金子監督のエンターテイメント性が見事にコラボレートし、稀にみる傑作が誕生した。
脚本は「プライド」でも金子監督と組んだ高橋美幸。撮影は、「蝉しぐれ」から「罪とか罰とか」「GOTH」まで、時代劇からポップな作調まで幅広く手掛ける釘宮慎治が担当。日本映画界の才能が結集した。
ロケ地、群馬県高崎の温かい風土
舞台は、東京生まれの原作者・絲山氏が5年来、居を構える群馬県・高崎市。風光明媚な田舎とは違う、どっしり現実感のあるちょっと栄えた地方都市。絲山氏によると、額子は「話し方はきついが、情に厚い」という群馬女性をイメージしているという。撮影は、白衣大観音や達磨市など高崎市周辺から、額子の新天地・片品へ。吹割の滝、ラストシーンの渓流など、清らかで美しい自然環境は、いつまでも記憶に残る。
ストーリー
1999年。群馬県・高崎市。大学生・ヒデこと大須秀成、19歳(成宮寛貴)。父親(小林隆)の使いで、高崎競馬場近くのおでん屋《よしたけ》へ自転車をこぐ。店の娘・吉竹額子、27歳(内田有紀)に声をかけられる。スーパーマーケット堀田屋。試食販売のバイトをするヒデ。額子は同じスーパーの総菜売り場で働いていた。突然、映画に誘われ、額子の運転する車に乗せられる。その夜、額子に童貞を奪われる。その後、連日額子のアパートに通う日々…「餃子の王将」で餃子を買って。
「やりゃーいーんだろ、やりぁー」後ろから抱きつくヒデの手を振り払い、自分からさっさと服を脱ぎだす額子。額子はホシノという犬を飼っていて、2人がセックスしている時、ベランダに追いやられる。「あ?????っ」セックスの最中、声を上げるヒデに額子が言った。
「女みたいな声出すんじゃねーよ」。焦って萎えてしまうヒデ。
「額子って終わった後の方がかわいいよな」
額子が呟く。「・・・ばかもの」
2000年。深夜に、ヒデは、額子に公園のケヤキの木に両腕を後ろ手に縛られ、ボクサーパンツを膝下まで下げられる。「結婚するんだ、私」「え……」
額子は長いキスをすると「遊び以外のなんだって言うんだよ」と言い放ち、いきなり去った。
2003年。22歳、ヒデは大学を留年した。同学年のネユキこと山根ユキ(中村ゆり)が、大学を中退した。株のデイトレーダーで自活し、東京の恵比寿に住むと言う。大学の親友・加藤(池内博之)は就職が決まった。23歳、ヒデも家電量販店に就職が決まった。加藤とメグミ(岡本奈月)の結婚式で東京に行った時、清楚な女性・翔子(白石美帆)に出会った。ヒデは恵比寿に住んでいるネユキを訪ねた。新築の高級マンションに住んでいたネユキはある宗教について熱に浮かされるようにしゃべり続けた。翔子は教師をしていた。彼女のアパートで過ごすヒデ。いそいそと朝食をしたくする翔子の姿にげんなりするヒデ。
2004年。休みの日には、翔子のアパートで昼から酒を飲んだ。翔子は帰宅すると、酒瓶が10本も転がっている光景に、顔をしかめた。
2005年。ヒデは28歳になっていた。
スタッフ
監督:金子修介
原作:絲山秋子『ばかもの』(新潮社刊)
製作総指揮:植村伴次郎
エグゼクティブ・プロデューサー:奥山和由
プロデューサー:沖元良、中林千賀子
脚本:高橋美幸
撮影:釘宮慎治
照明:田辺 浩
美術:高橋俊秋
録音:尾崎 聡
編集:洲 千恵子
音楽:MOKU
主題歌:shela「めぐり逢い」(バーニングパブリッシャーズ)
製作:東北新社
制作プロダクション:東北新社クリエイツ
制作協力:ブースタープロジェクト
企画協力:新潮社
配給:ゴー・シネマ
宣伝:Lem
キャスト
成宮寛貴
内田有紀
白石美帆
中村ゆり
浅見れいな
岡本奈月
浅田美代子
小林 隆
池内博之
古手川祐子
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