2009年/日本/カラー/??分/ 配給:松竹

2009年2月28日(土)より、東劇ほか全国順次ロードショー

(c)2009松竹株式会社

公開初日 2009/02/28

配給会社名 0003

解説


一作ごとに新たな映像作りにチャレンジを続けるシネマ歌舞伎。
今回は、2008年4月に歌舞伎座で上演され、大評判となった『刺青奇偶(いれずみちょうはん)』が、早くもシネマ歌舞伎として登場します。

『瞼の母』、『一本刀土俵入』など、戦前戦後を通じて小説・戯曲で数多くの名作を残し、また、股旅物の創始者としても名高い長谷川伸の代表作。
昭和7年の初演で六代目菊五郎が半太郎を演じて以来、先代の勘三郎、当代の勘三郎へと受け継がれてきた名舞台が、今回は、半太郎に勘三郎、お仲に玉三郎、そして鮫の政五郎に仁左衛門という豪華配役で上演され、円熟の域に達した俳優陣の名演が深い感動を呼びました。今回の上演は、1999年に同じ顔ぶれで上演されて以来実に9年ぶり。ここ何年かは上演される機会も少なかったこともあり、まさにファン待望の貴重なシネマ歌舞伎最新作となります。
  
博打を止められない悲しい男の業や、夫婦の情愛が巧みに描かれた心に染み入る名舞台。歌舞伎座の臨場感が再現されているばかりでなく、座席からではなかなか観ることの出来ない俳優陣の細やかな芝居までもが余すところなく捉えられ、見応えある圧巻のシネマ歌舞伎が誕生しました。

※題名“奇偶”についてー
題名にある“奇偶”は、物語の重要な要素でもある博打の“丁半”から採ったもので、正しくは偶(丁)奇(半)となるべきですが、作者自身の言葉によると、字面の上と市井の読みに拠って、あえて誤読のまま用いたものです。

(歌舞伎座筋書解説より)

ストーリー

生来の博打好きで江戸を追われた半太郎(中村勘三郎)は、身投げした酌婦のお仲(坂東玉三郎)を救う。不幸続きの人生を送ってきたお仲は、本当の親切心から自分を救ってくれた半太郎の心根の美しさに胸を打たれて、生まれて初めて会った男らしい男、半太郎の後を追う。
こうして半太郎とお仲は夫婦となるが、半太郎は博打を止められない。
やがて死病に罹ったお仲は半太郎の行く末を心配し、博打を止めて欲しいと願って半太郎の二の腕に骰子(サイコロ)の刺青を彫る。
博打を断った半太郎だが、この世の名残にお仲に良い思いをさせたいと最後の博打に出かけ、賭場に難癖をつけ叩き出されてしまう。そこに、その場を仕切る親分の鮫の政五郎(片岡仁左衛門)が現れ、半太郎はお仲のために、政五郎との命を懸けた大勝負に挑むことに…。

スタッフ

作:長谷川伸
演出:寺崎裕則

キャスト

手取りの半太郎:中村勘三郎
酌婦お仲:坂東玉三郎
荒木田の熊介:片岡亀蔵
半太郎従弟太郎吉:市川高麗蔵
鮫の政五郎:片岡仁左衛門

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