原題:MONGOL

闘って、生きた。 守るべきは、この愛しきもの

第80回米アカデミー賞外国語映画賞ノミネート

ロシア、ウクライナにて2007年9月20日公開

2007年/ドイツ、ロシア、カザフスタン、モンゴル/カラー/125分/ 配給:ティ・ジョイ/東映 共同配給

2008年10月21日よりDVDリリース 2008年4月5日(土)丸の内TOEI①、新宿バルト9他全国ロードショー

(c) 2007 CTB FILM COMPANY/ANDREYEVSKY FLAG FILM COMPANY/X FILME CREATIVE POOL/KINOFABRIKA/EURASIA FILM.ALL RIGHTS RESERVED.

公開初日 2008/04/05

配給会社名 0534/0004

解説



総製作費50億円!ドイツ、ロシア、カザフスタン、モンゴル4国合作! 全編モンゴル語で描く壮大な闘いの叙事詩が誕生。

 陰謀が渦巻く時代、モンゴルの一部族の頭領の息子として生まれたテムジン。彼は、父の毒殺、裏切り、復讐、異国での投獄という壮絶な運命と闘い、優しさを秘めた強靭な魂で統率者として頭角を現してゆく。ついに、宿敵・ジャムカが大軍を率いて迫って来たとき、迎え撃つテムジンのもとには、史上最強の軍団が生まれようとしていた。彼こそ後にチンギス・ハーンと呼ばれた男。大帝国を築くにいたる最強の野望が、今、モンゴルの大平原に放たれる!
 壮麗な大自然を舞台に、全編モンゴル語で描く壮大な闘いの叙事詩が誕生。過酷な運命に巻き込まれたひとりの少年が、いかにして史上最大のモンゴル帝国を築く最強の統率者、チンギス・ハーンとなりえたか。その、ひとつの答えがここにある。

 主演は、『座頭市』『母べえ』など、錚々たる監督達の多彩なジャンルの作品で実力を見せ、国内外で高い評価を得る俳優・浅野忠信。誇り高き戦士、テムジン=チンギス・ハーンの優しくも激烈な魂を、力強い存在感をもって体現。騎馬や渾身の格闘シーンのみならず、闘うことでしか生き抜けぬひとりの人間の内面を見事に演じ、世界の熱い視線を集め、作品は、本年度アカデミー賞外国語映画賞ノミネートの快挙を成し遂げた。
 監督は、戦いの哀しみを描いた『コーカサスの虜』でカンヌ国際映画祭国際批評家連盟賞および観客賞に輝くロシアの精鋭セルゲイ・ボドロフ。丹念なリサーチによって謎多きチンギス・ハーンの闘いの人生に新たな光を当て、人間としての成長や愛を浮き彫りにした。自然を畏怖する視点が、物語に崇高な情感を添える。
 撮影は、アカデミー賞外国語映画賞受賞作『キャラクター/孤独な人の肖像』、『ジョンQ—最後の決断-』のロジェ・ストファーズと『ナイト・ウォッチ』のセルゲイ・トロフィモフ。編集は、『マトリックス』でアカデミー賞編集賞を受賞したザック・ステーンバーグ。美術は、モンゴル系民族の伝統と革新的視点を融合させた彫刻でセンセーションを巻き起こした、ロシアの若き芸術家ダシ・ナムダコフ。
 総製作費50億円、ドイツ・ロシア・カザフスタン・モンゴルの4カ国合作の一大プロジェクトに13カ国に渡る世界の俊英が結集した。
 そして、モンゴルを駆け抜けたテムジン=浅野忠信と共演するのは、アジアを牽引する俳優たち。テムジンと熱い友情で結ばれながら、宿敵となる勇士ジャムカには、中国の実力派スター『初恋のきた道』『セブンソード』のスン・ホンレイ。互いを認めるがゆえに戦わねばならぬ悲劇と野望を、ダイナミックに演じきった。
 テムジンの妻ボルテには、本作が映画デビューとなるモンゴルの新星・クーラン・チュラン。強い愛を貫く勇敢なモンゴルの女を、初演技とは思えぬ素晴らしい演技で表現、その凛とした瞳とともに鮮烈な印象を残す。
緑の草原、雪の湖、霧に煙る山々や夕映えの砂漠など、息を飲むほど美しく荘厳な大自然。大平原を轟かす騎馬戦や死闘の臨場感。かつて実在したひとりの人間の壮絶な半生が、今、魂揺さぶる感動となる。

ストーリー

部族間の陰謀や復讐が渦巻く12世紀に、モンゴルの一部族の頭領・イェスゲイの息子として生まれたテムジン。9歳の時、敵対するメルキト部族から花嫁を選ぶため、父に連れられ旅に出る。イェスゲイには、かつて、メルキト部族からひとりの女性=テムジンの母を略奪して来た過去があった。テムジンの花嫁選びは、敵対関係になった2部族間に平和をもたらすための政略。だが、途中立ち寄った村で、テムジンは少女・ボルテと運命的な出会いをし、彼女を許嫁として選んでしまう。帰路、部族間の友好を望んだイェスゲイは、望みむなしく、また別の敵の部族に毒殺された。
 父を失ったテムジンの運命は暗転した。頭領の座を狙うタルグタイの裏切りによって、家財を奪われ、命を狙われる身となる。過酷な自然の中に小さな身を潜め、生き抜くテムジン。凍てつく池に落ちた彼を助けてくれたのは、たくましい少年ジャムカだった。2人は、兄弟の杯を交わす。
 幾度となくタルグタイの手を逃れ、強靭な若者となったテムジンは、許嫁ボルテを迎えに行く。ボルテは彼を信じて、ずっと待ち続けていた。だが、2人の幸福は、獰猛なメルキト部族騎馬軍団の奇襲によって壊される。それは、父母の過去から続く因縁の復讐。ボルテは、弓矢に貫かれたテムジンを守るため、自らメルキト部族に身を投じた。
 翌年。未だ10人の戦士しか持たぬテムジンは、多くの戦士を抱えるジャムカの助けを借り、共にメルキト部族に攻め入った。激戦の末、彼が見たものは、男の寝首をナイフで掻き切って静かに待っているボルテの姿だった。彼女のお腹にはメルキト部族の子が宿っていた。テムジンは、何の迷いもなく、その子を我が子として慈しむ。

 厳しいモンゴルの大地で生き抜くための掟は、自身のサバイバルを優先すること。だが、テムジンは家族を愛し、戦士達を守った。テムジンの厳しくも寛大な精神は、ジャムカの戦士たちをも惹き付け、ジャムカから離れ、テムジンについてゆく者も出始めた。モンゴルに強い頭領は2人はいらない。ジャムカは、“兄弟”テムジンを討つ覚悟を決める。タルグタイもジャムカに合流した。
 ジャムカ率いる軍団が地平から姿を現す。テムジンは、配下の家族達を逃がし、ボルテと別れ、死を覚悟で数ではかなわぬ戦いに挑む。次々と死にゆくテムジンの戦士達。ひとり死闘を続けるテムジンに、幾本もの槍が襲う。テムジンを殺すに忍びぬジャムカは、命乞いを迫るが、彼は、それをはねのけ、奴隷として売られて行く。敗戦がもたらす残酷。共に鎖に繋がれ、極寒の荒野を歩く配下の姿に、テムジンは自身の無力を悟り、苦悩する。 
遠い異国・タングートの地で投獄され、幽鬼のような姿になりながら 強い眼光を放ち、生き続けるテムジン…。

 数年後、モンゴルの大地に立つ、テムジンがいた。彼の生還は、ボルテの身を挺した愛が成し遂げた奇跡だった‥。
 今や、彼の心は、乱れたモンゴルに規律をもたらそうとする強い意思に満ちていた。“兄弟”にして宿敵、ジャムカの大軍との決戦を目前にして、彼のもとには、最強の戦士達が集まりつつあった。テムジンこそ、後にチンギス・ハーンと呼ばれた男。大帝国を築くにいたる最強の野望が、今、モンゴルの大平原に放たれる!

スタッフ

監督・脚本・製作:セルゲイ・ボドロフ
プロデューサー:セルゲイ・セリリアノフ、アントン・メルニクアソシエイトプロデューサー:浅井隆 
撮影監督:セルゲイ・トロフィモフ、ロジェ・ストファーズ 
編集:ザック・ステーンバーグ 
プロダクションデザイン:ダシ・ナムダコフ 

キャスト

浅野忠信
スン・ホンレイ
クーラン・チュラン

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