胡同(フートン)愛歌
原題:看車人的七月 The Parking Attendant In July
第28回モントリオール国際映画祭 審査員大賞・最優秀主演男優賞受賞
2003年/中国/100分/35mm/カラー・ビスタ/中国語 配給:フォーカスピクチャーズ
2009年01月07日よりDVDリリース 2007年4月28日、ポレポレ東中野にて公開
公開初日 2007/04/28
配給会社名 0837
解説
2008年のオリンピックに向けて変貌を遂げる北京。再開発の波が押し寄せ、昔ながらの面影を残す路地・胡同は姿を消しつつある。一般庶民の描き方に定評のあるアン・ザンジュン監督は本作『胡同愛歌』で、その胡同を舞台に肩を寄せ合い助け合って生きる市井の人々の暮らしをあたたかな目線で描き出し、第28 回モントリオール国際映画祭で審査員大賞を受賞した。「世の中に物があふれ、人々の生活が豊かになっていく一方で、近代化の大きな波に取り残されている人々に目を向けて、映画を撮りたかった。」とアン監督は言う。監督自身も20才頃まで胡同で暮らしていた。子供の頃は自転車で胡同を駆け抜け、北京中を走り回っていたと言う。脚本家のチャン・ティン氏も大学を卒業後、家賃が安かったという理由で胡同に暮らした経験がある。その時に出会った人々、出来事がこの作品が生まれる下地となった。。撮影は北京で最も雰囲気を残していると言われる胡同「什刹海」で行われた。真夏で汗だくになりながらのロケだったと言う。
物語の軸となるのは、離婚し、リストラされ、駐車場の案内係をして働く父親と高校生の息子。胡同に住む二人は貧しくても日々の暮らしにささやかな幸せを感じ、誇りを持って生きている。父親を演じるのは中国でコメディアンとして活躍する範偉(ファン・ウェイ)。本作で映画に初出演したが、自然体ながらも哀愁漂う演技で作品に情感を与え、第28回モントリオール国際映画祭で最優秀主演男優賞を受賞した。
ストーリー
北京の路地裏・胡同に暮らす杜(トウ/ファン・ウェイ)は、高校生の息子小宇(シャオユー/チャン・ウェイシュン)とつつましくも平穏な日々を送っていた。
息子は成績が悪い上に言うことも聞かず、二人は衝突してばかりだった。杜は花屋の店主小宋(シャオソン/チェン・シャオイー)との再婚が決まっていたが、小宋と前夫の劉三(リュウサン/チャオ・ジュン)との離婚の協議が正式には成立してなかったことを知る。刑務所あがりの劉三は二人の再婚を阻もうとあの手この手で杜らに嫌がらせを始める。その様子を見てたまらなくなった息子は、父親を思うあまり後先考えず小宋に出て行けと言ってしまう。今まで幸せに暮らしいていたのに、父さんを不幸にするな、と。杜はそんな息子の気持ちを知らずに、頭ごなしに怒ってしまう。お互いを思いやりながらも不器用な性格が災いし、二人はすれ違ってばかり。
そんな中、劉三の嫌がらせは日に日にエスカレートしていき、追い込まれた杜はある方法で家族を守る決意をする。
息子の16歳の誕生日。決意を固めた杜は息子に語り始める。「母さんの所へ行け。一生懸命勉強して大学へ行くんだ」。父と離れたくない息子は泣いて今までのことを反省するが、そのときはまだ父の言葉に託された本当の意味を知る由もなかった。二人がようやくわかり合えた時、別れがやってきてて・・・。
父と息子の絆を軸に、北京の路地裏・胡同で地道に生きる市井の人々を描く感動の物語。
スタッフ
プロデューサー : ツァオ・ピャオ(曹 彪)
監督 : アン・ザンジュン(安 戦軍)
脚本 :チャン・ティン(張 挺)
撮影 : ジャン・シュウジャ(江 秀佳)
美術 :ヤン・バオチェン(楊 宝成)、
ニュウフーズー(牛 福智)
録音 :クヮン・チェン(関 鍵)
配給:フォーカスピクチャーズ
後援:中国大使館
キャスト
範偉(ファン・ウェイ) 「求求你表揚我」「芳香之旅」
陳小芸(チェン・シャオイー)「離婚」
趙君(チャオ・ジュン)
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