1965年06月09日公開

1964年/日本/9巻 2,443m 白黒 ワイド/80分/ 配給:日活

2006年10月28日、シアター・イメージフォーラムにてロードショー

公開初日 2006/10/28

配給会社名 0106

解説


 鮮烈なエロティシズムで常に騒然たる話題を巻き起こした武智監督が、米軍基地周辺にうごめく“女たち”を鋭いタッチで描いた衝撃的作品。オリジナルシナリオを武智監督が自ら執筆。基地にのたうつ白い肉体を描き、裸同然の日本の危機を描いた。公開と同時に、「わいせつ図画公然陳列罪」に問われる。その弁護には三島由紀夫や大島渚が立ち上がり、結局裁判では無罪となる。しかし、その後の映倫審査のあり方に対し、大きな波紋を残した作品である。

ストーリー

 崎山次郎の母彌須は、横田基地で売春宿を経営している。彌須の妹由美が、駐留軍のボスの情婦なので、商売は秘密裡に運んでいた。次郎は娼婦たちと関係をもっているが、彼は、ハイヤーの運転手堀田の娘静江の清純さに魅かれる。しかし、自称共産党員黒瀬に、静江を譲る。だまされて犯された静江は、基地を裸のまま逃れたが、ジェット機の衝撃波によって地上に打ち倒されてしまう。まるで弱小民族の運命を象徴するかのように。次郎は、黒人兵を殺し、由美から元は公金の2万ドルを奪い、由美を犯し、そして射殺した。彼の心の中で、民族的な怒りと、人間的憐みが走ったのだ。次郎は駐留軍に捕えられる。駐留軍は2万ドルの公金紛失と、殺人事件の罪で次郎を責めた。自白を拒否する次郎のもとに、静江が面会に来た。次郎は、静江の彼に対する純粋な愛情を知って罪の一切を告白する。ところが、自白が駐留軍ボスの横領罪に触れると、事件はうやむやに葬られ、次郎は殺人罪で起訴された。日本の警察に引渡される日、彌須は、「坊や、悪い奴は他にいるんだよ、基地なんかなければいいんだ」と絶叫した。かつて占領軍に協力的だった母に、こう叫ばせたのは何か?黒い雪は降り積もって止まない。

スタッフ

製作:池俊介
監督:武智鉄二
脚本:武智鉄二
撮影:倉田武雄
音楽:湯浅譲二
美術:大森実
録音:田中安治
照明:大住慶次郎
製作:第三プロダクション 

キャスト

紅千登世
花ノ本寿
美川陽一郎
村田知栄子
松井康子
内田高子
滝まり子

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