ここにいる
2005年/日本/85分 配給/クリエイティブ ファッツ
2006年6月3日(土)〜6月16日(金)渋谷シネ・ラ・セットにて2週間限定ロードショー!!
(C)2005 DAIGO FILM
公開初日 2006/06/03
配給会社名 0739
解説
“身の毛もよだつ”とはまさしくこのことなのだ。『ここにいる』は、よだつ…。そこにあるのは、廃墟(精神病院跡)と、たった6人の登場人物、そしてポラロイドに浮かびあがる人影、雨、暗闇、雷鳴、突然鳴り響く携帯の着信音)という展開…。大仰なVFXもなければ、凝ったギミックもない。にもかかわらず観客を登場人物たちとおなじように焦燥感を煽られ、戸惑い、まるでその世界に入ってしまった錯覚に陥り、無意識のうちに禍々しい廃墟に魅入られていく──。心の奥底では“よだちたい”、その潜在的な欲望を、アイデアと想像力とで刺激する。まさに原点ともいうべき恐怖の具現化がここに達成されている。
また、狂気に憑かれた主人公を迫真の演技で魅せた市瀬秀和をはじめ、高野八誠、唐橋充ら、若手俳優に、グラビアを中心に活動し最近は女優としても目覚しい活躍をみせる川村亜紀、さらに小沢仁志の友情出演と、芸達者な役者陣が出演。エロティック・ホラー『kuchisake 口裂け』で話題を呼び、観客を巻き込む術に秀でた監督・橋口卓明による新感覚ホラーの登場だ。
ストーリー
隼人と恵美、楠田と有希子は友人でパリにいる(らしい?)西本の人里離れた山荘に向かう。山荘の近くの廃墟で俳優をしている楠田のプロモーション用写真を撮影することになっている。もともと恵美と西本は恋人同士だったが、現在は恵美は隼人と付き合っている。それでも西本が恵美を愛し続けていることには皆が気づいていた。一方で隼人は、自分よりもずっと裕福な家庭に生まれ才能にも恵まれている西本にあこがれとも嫉妬ともつかない感情を抱きつづけていた。
一行が山荘に到着し、荷物を運び込もうとすると隼人の兄・和人が姿を現す。楠田が隼人には内緒で和人を呼んだのだった。
「一度みんなで集まってゆっくり話したほうがいいと思って…」
隼人は以前皆から借金をしてまでもスタジオ経営を計画したが、その資金をブローカーに持ち逃げされてしまっていた。隼人は借りた金の返済も滞っており、そのせいかは精神的に不安定になり、最近は病院にも通っている。
「ただ金が欲しかっただけじゃない。西本に負けないよう何とかして恵美のことを幸せにしたかったんだ」
恵美と二人きりになると隼人は語る。兄を呼んでスタジオ経営の一件を皆で責めるのだと思い、恵美がとめるのも聞かずなにかに呼ばれるかのようにひとり廃墟に向かう。
もとは精神病院だったという廃墟に、隼人はなにかに憑かれたようにカメラのシャッターを切る。ポラロイドには、そこに居るはずのない人物の姿が写り、周囲には何かの気配さえ感じる。恐怖に駆られた隼人は医者からもらった薬を大量に飲む。気づくとそこには西本が・・・。西本は驚いたそぶりも見せずに皆が待つ山荘へ戻ろうと隼人を促す。
翌日、一行は廃墟で楠田のプロモーション用写真を撮影する。天候が怪しくなってきたので早々に切り上げて山荘に戻ることにするが、隼人だけは廃墟に残ると言い張る。
日が暮れ、大雨になっても戻らない隼人のことを心配し、和人は廃墟に向かう。廃墟では隼人が薬を飲み続け、幻覚と現実の間をさまよっていた。和人が隼人に声を掛けると、フード付きのコートを着た人影が和人に歩み寄り、持っていたナイフで和人の喉を掻き切る。隼人はその場で気を失ってしまう。
誰が和人を殺したのか?フード付きのコートを着た人影とは?震える隼人の幻想なのか?パリにいるはずの西本なのか?
スタッフ
企画・製作・原案:米津孝徳
プロデューサー: 黒須 功
脚本:不 知 火
撮影:中尾正人
照明:田宮健彦
録音:塩原政勝
助監督:佐藤 吏
制作主任:田中耕作
テーマ音楽:野島健太郎
照明助手:河戸浩一郎
演出助手:氏家とわ子/松岡達矢
ヘア・メイク:嶋津奈央
特殊美術:塚原ヒロノ
スチール:小鮒俊也
監督:橋口卓明
キャスト
市瀬秀和
川村亜紀
高野八誠
藤真美穂
佐藤貢三
小手山 雅
小沢仁志(友情出演)
唐橋 充
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