原題:strawberry shortcakes

2005年/日本/カラー/35mm/1:1.85 ヴィスタサイズ/127分/DTSステレオ/ 配給:アップリンク、コムストック

2015年9月5日より『××× KISS KISS KISS』公開記念、新宿K’s cinemaで特集上映 2007年04月25日よりDVDリリース 2006年9月23日(土)、渋谷シネ・アミューズほか全国ロードショー!

公開初日 2006/09/23

配給会社名 0009/0028

解説


魚喃キリコの傑作コミックを原作に、
映画監督矢崎仁司、小説家狗飼恭子が紡ぎ出したもうひとつの『ストロベリーショートケイクス』

映画評論家トニー・レインズに「ジャン・コクトーの『恐るべき子供たち』以来の、近親相姦を描いた秀作」と言わしめた『三月のライオン』(’91)[PRIX DE L’AGE D’ORルイス・ブニュエル「黄金時代」賞受賞]から15年。矢崎仁司監督の新作は、4人の女性たちが恋愛、仕事、友情を通してアイデンティティを模索する日々をやさしく抱き締めるように描いた作品です。矢崎監督の長編デビュー作『風たちの午後』を自らの創作の原点という魚喃キリコ。女性の心情を鋭く描いた傑作コミック『strawberry shortcakes』の映画化を矢崎監督が魚喃キリコに持ちかけた時、この企画はスタートしました。そして矢崎仁司監督の『三月のライオン』にインスパイアされた小説『恋の罪』など、恋に落ちた女性の切ない心情を軽やかに描き出す小説家、狗飼恭子。この気鋭の恋愛小説家によって新たな『ストロベリーショートケイクス』という脚本が生まれました。

恋の訪れを待つフリーターの里子、一途に一人の男を想い続ける人気デリヘル嬢の秋代、結婚願望の強いOLちひろ、過食症のイラストレーター塔子。性格も職業も異なる4人の女性が、それぞれの幸せを求めて自分との小さな闘いを積み重ね、自らを肯定して生きていくまでの模様が描かれています。里子には、『ジョゼと虎と魚たち』の演技でいまや実力派ナンバーワン女優の地位を築く池脇千鶴。恋に恋する可愛らしい部分やどこかさっぱりとした骨太な里子像を演じきっています。OLのちひろにはNHK朝の連続小説『こころ』に抜擢されて以降、人気上昇中の中越典子。確かな演技力で、ともすると女性の敵にもなりがちなキャラクターを、未知の温かさを感じさせる魅力的な存在に昇華しました。秋代には「血と骨」での壮絶な演技も記憶に新しい中村優子。安藤政信演じる菊地に向けられた切ない思いは、多くの女性に伝染することでしょう。また、ちひろの恋人役永井として、加瀬亮が出演しています。

やさしいまなざしで彼女たちをいとおしく包んだ珠玉の感動作が誕生しました。

ストーリー





「恋したいなあ・・」スペシャルな人のスペシャルになりたいと願う里子。
人生最悪にみじめな失恋を乗り越え、デリヘル店ヘブンスゲイトの電話番や、日本語の喋れない店員しかいない中華料理屋でバイトをしつつ、それなりに毎日楽しく暮らしている。既婚の店長からセクハラまがいの恋のアプローチを受けとまどいと腹立たしさを感じ、DVを受けているらしい同僚に「愛の形は複雑っすね」と眩く。そんなある日、里子は道で不思議な石ころの”神様”を拾い、家に飾ってお願いごとをしはじめる。「神様店長を殺して下さい。……あと、恋がしたいです」。

「…楽しいって、大切なことですか?」里子が密かに憧れるナンバー1デリヘル嬢の秋代は専門学校の同級生・菊地を強く想いながらも、彼の前で「友達」でいることを貫いていた。スーパーの野菜を実家のものと偽って菊地と会うきっかけを作る秋代。彼女はお金を貯めて5階以上の一人用のマンションを購入し、ボケそうになったら飛び降り自殺することを決めている。それが、菊地以外を愛せず、決して一緒になれないことを知っている秋代の”堅実的な夢”だった。

「あたしを・・馬鹿にするなよ」プライドが高く、強く生きようとするがために過食と嘔吐を繰り返すイラストレーターの塔子。幼なじみのちひろと暮らしているが、男の事と占いと美容にしか興味がないちひろを内心馬鹿にしている。ある日塔子は本の表紙として「あなただけの”神様”」を描いてくれという依頼を受ける。
しかし仕事の発注元である大手出版社の編集アシスタントは塔子が描き上げたイラストをどこかに置き忘れてきたという。誠意のない出版社の対応。そんな時、元彼が結婚した事を知らせるハガキが舞い込んだ。

「あたしにとっては、彼氏が神様かな」自分の居場所を求める事務OLのちひろ。
故郷を離れ、憧れだった東京で、男に愛される事でしか自分の存在を確認できないでいる。イラストレーターとして独立している塔子に憧れつつ、自分は男に愛される女性を頑なに演じ続けているが、恋人の永井は結婚に執着するちひろから少しつつ離れていく。誕生日の日に永井にデートを断られたちひろはコンパで知り合っただけの男とセックスし、自分で買ったプレゼントを彼氏からもらったと塔子に見せる。
塔子に悩みを話そうとするが、うまく気持ちが通じないまま衝突してしまう。

傷つき、泣きながらも、人生にきちんと向かい合った時、彼女たちに小さな奇跡が起こる。

スタッフ

監督:矢崎仁司
プロデューサー: 浅井隆
アソシエイトプロデューサー: 泉正隆
原作: 魚喃キリコ 『strawberry shortcakes』(祥伝社刊)
脚本: 狗飼恭子
撮影: 石井勲
美術: 松本知恵
衣装: 小林身和子
編集: 多田徳生
音楽: 虹釜太郎
音楽監督: 虹釜太郎
ラインプロデューサー: 遠藤肇
照明: 大坂章夫
録音: 古谷正志

キャスト

池脇千鶴:里子
中越典子:ちひろ
中村優子:秋代
岩瀬塔子:塔子
加瀬亮:永井
安藤政信:菊池
趙民和:リー
奥村公延:田所
中原ひとみ:町子
村杉蝉之介:森尾
前田綾花:ミチル
宮下ともみ:ユリ
桂亜沙美:サキエ
伊藤清美:松下
諏訪太朗:秋代の客
高取英:秋代の客
保坂和志:秋代の客
戌井昭人:秋代の客
いしのようこ:女医
矢島健一:編集長
高橋真唯:近藤
安藤玉恵

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