ゲット・リッチ・オア・ダイ・トライン
原題:Get Rich Or Die Tryn'
言葉は、生きる武器になる。 HIP HOP界のカリスマ“50セント” 魂に突き刺さる壮絶なリアル・ライフ・ストーリー
2005年/アメリカ/パラマウント映画/シネマスコープ/DTS・SRD・SR/ 6巻/10,481ft/3,194m/上映時間:1時間56分/翻訳:風間稜平 サントラ:ユニバーサル インターナショナル 自叙伝:青山出版社(5月発売予定) 配給:UIP映画
2006年10月20日よりDVDリリース 2006年6月17日、渋谷シネマライズにてロードショー
公開初日 2006/06/17
配給会社名 0081
解説
魂に突き刺さる壮絶なリアル・ライフ・ストーリー
華々しいデビューがニューヨーク・タイムズに取り上げられ、エミネムが惚れ込んだヒップホップ界のカリスマ“50セント”。アカデミー賞の常連であり、『マイ・レフトフット』『父の祈りを』『イン・アメリカ/三つの小さな願いごと』などの社会派の名匠ジム・シェリダン。この異色の顔合わせが生み出す衝撃の感動作『ゲット・リッチ・オア・ダイ・トライン』。
シェリダン監督に50セントを紹介したのは、U2のボノだった。50セントの強烈な存在感に触発された監督。そして監督の全作品を観て、本作の主演に挑んだ50セント。世代も世界も違う2人が、互いをリスペクトすることで、まぎれもない傑作が誕生した。
9発の銃弾を浴び、真実を刻印した男
「地面に倒れて9ミリの銃身を見つめた時、死を覚悟しつつ、助けに来る父を待ってた。俺は父を捜し続けてた。まだ会ったこともないその人を……」
??胸に切なく響く物語???。
「この映画は、俺の人生のコラージュだ。俺の人生をそのまま描いたわけじゃないが、俺の人生によく似た出来事を描いている」と50セントが語る通り、このドラマは50セントがジム・シェリダンに語って聞かせた実人生に基づいたストーリー。貧困、ドラッグ、殺人に溢れかえる街、ニューヨークのクィーンズ……父親を知らず、8才の時に母親さえも殺害された過酷極まる生活のなか、溢れ出る言葉をラップで表現し続けた少年がいた。やがて成長し、愛する者に出会い、自分の分身を授かる。真剣に音楽の世界へと歩み始めた彼に待ち受けていたのは、9発の銃弾だった。頬を突き抜けた銃弾で声を失いかけた男が、極限の状況から突き抜け、ヒップホップ界のヒ?ロ?として飛び立つまでを描く、50セントの実人生に基づいたストーリー。エミネム主演の『8マイル』と共通のテーマとはいえ、ジム・シェリダン監督は、貧困地区の日常生活を細やかに切り取りつつ一方で、犯罪が横行するギャングの世界を暴力的なまでにリアルに描いて見せる。より繊細に、より重厚に。本来なら相反するはずのものが50セントとジム・シェリダンによって見事に融合していく。『ゲット・リッチ・オア・ダイ・トライン』の想定外の衝撃が、あなたの目と耳と、そして魂を刺激する!
若きカリスマ“50セント”を取り囲む実力派俳優陣
50セントの分身とも言える主人公マーカスを演じているのは、もちろんカーティス・“50セント”・ジャクソン。これが映画デビューとは思えない堂々たる演技を披露し、音楽界だけでなく、映画界でもカリスマとなり得る存在であることを証明してみせる。刑務所でマーカスの命を救い、出所後にはマネージャーとして苦楽を共にするバマには、テレンス・ハワード。ジョン・シングルトン監督の『Hustle & Flow』で本年度アカデミー賞R主演男優賞にノミネート、アカデミー賞作品賞を受賞した『クラッシュ』にも出演している演技力を遺憾なく発揮している。ヒロインのシャーリーンには、ジョイ・ブライアント。ファッションモデルとしても活躍してきた美貌を活かし、マーカスの初恋の相手であり、献身的で理解ある恋人役を好演している。マーカスをギャングの世界で鍛え上げるマジェスティックには、アドウェール・アキノエ=アグバエ。テレビドラマ『Oz』でのギャング役で有名な彼は、ここでも上昇志向の強い危険な男を演じている。そして、マーカスの少年時代を演じるのは、4歳で映画デビューを飾り、すでに芸歴は10年を超えるマーク・ジョン・ジェフリーズ。寡黙で母親思いな少年を見事に演じ、観客を惹きつける。さらに、トリー・キトルス、オマー・ベンソン・ミラー、アシュレー・ウォルターズが、それぞれジャスティス、カール、アントワンというマーカスの仲間たちに扮している。また、監督・作家としても活躍するベテラン俳優ビル・デュークがギャングのボス、マーカスの祖母リーバー役を、トニー賞ほか数々の受賞歴を誇るヴィオラ・デイヴィスが演じ、物語に真実の深みを与えている。
アカデミー賞常連の名匠のもと、超一流のスタッフが結集!
『マイ・レフトフット』『父の祈りを』『イン・アメリカ/三つの小さな願いごと』などで知られるジム・シェリダンが、監督とプロデューサーを務める。アイルランド出身のシェリダンだが、25年前にアメリカに移民し、ラップとそれを取り巻く文化に造詣が深く、50セントをも驚かせたという。脚本は、TVドラマ『ザ・ソプラノズ/哀愁のマフィア』を手がけるテレンス・ウィンター。撮影は、『イン・アメリカ/三つの小さな願いごと』でジム・シェリダンと組み、インディペンデント・スピリット・アワードを受賞したデクラン・クイン。プロダクション・デザインは、『マイ・レフトフット』『イン・アメリカ/三つの小さな願いごと』のマーク・ジェラティ。編集は、『タイタニック』でアカデミー賞を受賞したコンラッド・バフと、『スターウォーズ エピソード3/シスの復讐』のロジャー・バートン。衣装デザインは、『グローリー』『交渉人』などのフランシーン・ジェイミソン=タンチャック。音楽は、27度のグラミー賞受賞を誇る巨匠クインシー・ジョーンズが務める。
そして、もちろん50セントは劇中で多くの楽曲を披露。映画から受けたインスピレーションを、撮影の合間にトレーラーハウスで曲にしていくという離れ業をやってのけ、サウンドトラック・アルバムを大ヒットさせた。
ストーリー
ニューヨークのクィーンズ。マーカス少年は、父親が誰かわからないという生い立ちが苦にならないほど満ち足りていた。若くて美人の母親カトリーナと暮らし、いつも足元には最新のスニーカー。思いついたラップの歌詞をノートに書き留めることが日課だった。しかし、ある日、ドラッグの売人だった母親が、売人同士のトラブルが原因で無残に殺害されてしまう。祖父母の家で大勢の親戚たちと暮らすことになったマーカスは、お下がりのボロボロのスニーカーしか履けなくなってしまい、地下室で過ごすようになる。そんなどん底生活から自力で脱するために、マーカスは母親と同じ危険な世界に飛び込む決意をする。
それまでラップに向けていた情熱のすべてをドラッグの売買に向けたマーカスは、カトリーナと親しかったギャングのマジェスティックにかわいがられ、猛烈な勢いで実績を積んでいく。やがて、ボスのリーバーにも一目置かれる存在となり、現金で新車を買うほどのお金を手にしていた。そして、仲間のジャスティス、アントワン、カールとご自慢のメルセデスを乗り回している途中、幼なじみのシャーリーンと偶然の再会を果たす。幼い頃からラップの才能を信じてくれていたシャーリーンとつき合うようになり、それまでに感じたことのない幸福感を覚えるマーカス。しかし、その矢先、コロンビア人との抗争でアントワンが半身不随となってしまい、マーカスは銃を片手に報復に向かう。殺人こそ踏みとどまったものの、襲撃事件を起こしたマーカスは警察の家宅捜査を受け、銃のかわりにドラッグを発見されて投獄されてしまう。
刑務所に入所するや、早速刺客に襲われるが、同室のバマに間一髪のところで命を救われる。皮肉にも曲作りに没頭する時間ができたマーカスは、刑務所内でもその才能を認められ、バマが出所後のマネージャーを買って出る。やがて、刑期を終えたマーカスを刑務所の外で待っていたのは、2台の車だった。ボスのリーバーを陥れ、今やボスに成り代わったマジェスティックと、マーカスより一足先に出所していたバマ。マーカスは、「自分の右腕になれ」というマジェスティックの誘いを断り、バマの車に乗り込む。
やがて、シャーリーンとの間に子供が生まれ、名前はアントワンと名付けた。デモテープを作り、マーカスはバマと共に売り込みに行くが、すでにマジェスティックからの圧力がかかっており、どこのレコード会社もとり合ってはくれない。とうとう策もお金も尽き果てたマーカスたちは、強盗を働き、さらには仲間割れまでしてしまう。その帰り道、マーカスは何者かに襲われ、9発もの銃弾を浴びる。マーカスは倒れながら、来るはずのない父親の助けを求める……。
奇跡的に命をとりとめたマーカスだが、身体が思うように動かず、やる気もなくし、もはや負け犬同然。しかし、シャーリーンと息子アントワンの存在が、再びマーカスの心に火をつけた。猛然と曲作りを始め、ついにライヴを行なうことが決まるが、その歌が発表されればメンツが丸つぶれになってしまうと激怒するマジェスティックが会場に現れる。自分の父親かもしれない男との最後の戦い。マーカスの下した決断とは……。
スタッフ
監督/製作:ジム・シェリダン
脚本:テレンス・ウィンター
製作:ジミー・イオヴァイン
ポール・ローゼンバーグ
クリス・ライティ
製作総指揮:ジーン・カークウッド
スチュアート・パー
ヴァン・トフラー
デイヴィッド・ゲイル
アーサー・ラピン
ダニエル・ルピー
撮影:デクラン・クイン
プロダクション・デザイン:マーク・ジェラティ
編集:コンラッド・バフ
ロジャー・バートン
衣装:フランシーヌ・ジェイミソン
=タンチャック
音楽:クインシー・ジョーンズ
ギャビン・フライデー
モーリス・シーザー
キャスト
カーティス“50セント”ジャクソン
テレンス・ハワード
ジョイ・ブライアント
ビル・デューク
アドウェール・アキノエ=アグバエ
オマー・ベンソン・ミラー
トリー・キトルス
ヴィオラ・デイヴィス
マーク・ジョン・ジェフリーズ
アシュレイ・ウォルターズ
セレナ・リーダー
ウォルター・アルザ
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