2006年/日本/35mm/カラー/ビスタサイズ/ドルビーデジタル/ 配給:松竹

2007年02月23日よりDVDリリース 2006年9月30日、東劇ほか全国ロードショー

(C)2006「オトシモノ」フィルムパートナーズ

公開初日 2006/09/30

配給会社名 0003

解説


 交通手段として誰もが気軽に利用している電車、そしてその駅。そこで拾ったオトシモノに忌まわしい呪いが秘められていたとしたら?—観る者をかつてない恐怖に引きずり込む『オトシモノ』。これは新機軸のホラー映画だ!

 駅でオトシモノの定期券を拾った者たちがその後、次々と行方不明になるという事件が起こる。彼らはどこに消えたのか? 駅に出現するという黒衣の女性と事件との関係は? 主人公の女子高生・木村奈々はオトシモノを拾ったばかりに行方不明になってしまった妹を捜し続ける。そんな彼女は、やはりオトシモノの呪いに翻弄されていたクラスメイトの藤田香苗とともに謎の解明に乗り出すことに。一方、鉄道会社に勤務する久我俊一は、かつて行なわれたトンネル工事の作業中に禍々しい何かが掘り起こされたことを知ってしまう。その邪悪な力は奈々や香苗、そして俊一の運命までもねじ曲げていく……!

 『オトシモノ』は、得体の知れない恐怖とともに、どこにでもいるティーンエイジャーたちの命がけの友情を描いたドラマでもある。登場人物は皆、大切なものを失い、それを取り戻そうともがき苦しんでいる者たちばかり。そんな中、性格も、家庭環境も異なり、同じ教室にいながら昨日までまともに口をきくことさえなかった奈々と香苗は手を取り合い、恐怖に対峙する。熱い友情で結ばれるふたりの少女の姿は観る者の心を打ち、クライマックスには感動の涙を誘うことだろう。

 キャスティングも話題を呼ぶこと必至。映画賞総なめの『パッチギ!』、そしてテレビドラマ『1リットルの涙』でヒロイン役を務め、たちまちスターの座を掴んだ若手女優・沢尻エリカが本作でついに映画初主演を飾った。彼女が今回演じたのは、家族思いの女子高生・奈々。内気でおとなしい少女が勇気を奮い、恐怖に真っ向から挑んでいく姿には誰もが心を揺さぶられるはずだ。そんな主人公と友情を育む香苗役を演ずるのは、各メディアで大活躍の若槻千夏。個性的なキャラで人気を博す彼女の好演が本作を魅力あふれるものにした。初めは消極的ながら、奈々によって触発され、やがて彼女の協力者となる鉄道会社の職員・俊一を演ずるのは、小栗旬。清廉な奈々と接することで次第に変わっていく大人一歩手前の青年役はドラマに厚みを加えている。さらに、杉本彩、板尾創路、浅田美代子といった豪華キャストが集結。

 監督・脚本は、『ドッペルゲンガー』など黒沢清監督作品に携わってきた古澤健。そして主題歌を“女子高生のカリスマ”と呼ばれるミュージシャン、加藤ミリヤが担当している。

ストーリー


 駅のホームでオトシモノの定期券を拾った小学生の孝は、友人の木村範子、そしてその姉で高校三年生の奈々(沢尻エリカ)と出くわしたのち、行方不明になってしまう……。

 奈々は真面目でおとなしい性格ゆえに友人が少なく、さらに複雑な悩みを抱えていた。父親の不在、卒業後の進路、そして心臓を患う母親・靖子(浅田美代子)の入院。そんな奈々には、仲間たちとつるみ、楽しそうに毎日を送っているクラスメイトの藤田香苗(若槻千夏)がうらやましく思えた。

 三葉電鉄の運転手・久我俊一(小栗旬)は水無(みずなし)駅へ続くトンネル内を運行中、線路に横たわる怪しい人影を目撃。電車を急停止させ、近くで確かめようとするが、次の瞬間、それは忽然と消えてしまう。こんなことが何回か続いたため、俊一は運転業務から外されることに。

 範子はオトシモノの定期券を駅員室に届けた帰り、行方不明になっていた孝をホームで見かけ、その事を奈々のケータイの留守電に残す。だが、その電話を最後に範子もまた消息を絶ってしまう。妹を捜す奈々は孝の自宅に向かうが、そこで目の当たりにしたのは、恐ろしい形相に変わり果てた孝と、それを見て錯乱状態に陥った母親の姿だった。

 香苗はボーイフレンドの茂からブレスレットをプレゼントされるが、それが手首から外れなくなり困り果てていた。聞けば、ブレスレットは電車内で拾ったオトシモノらしい。そんな香苗にも恐怖が忍び寄る。水無駅のホームにいた彼女に、何かに憑かれた茂が突然襲いかかったのだ。線路上に落ちた途端、正気に戻った茂は香苗に告げる。「ヤエコに気をつけろ!」。その直後、茂は電車に轢かれて絶命する。

 奈々は水無駅構内を撮影していた防犯カメラの記録映像を見ることに。そこには範子の後姿とともに、怪しい人影が映っていた。範子の行方がわからず、不安な日々を送る奈々は同席していた俊一に捜索の協力を求めるが、運転業務復帰を望む彼は厄介事に巻き込まれたくない一心からそれを断る。

 やがて俊一は遺失物倉庫勤務の先輩・川村(板尾創路)から、水無駅を通過するトンネル工事の際に「何か」が掘り起こされたこと、そして作業関係者たちはすぐにもそれをもとの場所に戻し、のちにトンネルがその一帯を迂回して開通したことを知らされる。一方、奈々は、孝と範子がふたりそろって『青沼八重子(あおぬまやえこ)』という女性の定期券を拾っていたことを掴む。

 香苗は、茂の死後、つるんでいた仲間たちから犯人と疑われ見放されてしまう。そんな彼女と出くわす奈々。互いの境遇を理解し、わかり合うことができた奈々と香苗はふたりで青沼八重子にまつわる謎を解き明かそうとする。だが、彼女たちに新たな恐怖と危機が迫りつつあった……!

スタッフ

監督:古澤健
共同脚本:田中江里夏
撮影:水口智之
美術:丸尾知行
音楽:林祐介
主題歌:加藤ミリヤ

キャスト

沢尻エリカ
若槻千夏
小栗旬
杉本彩
板尾創路
浅田美代子

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