水霊 ミズチ
2006年/日本/カラー/ヴィスタサイズ/DTSステレオ/102分/ 配給:トルネード・フィルム
2006年09月20日よりDVDリリース 2006年5月27日、池袋シネマサンシャイン、渋谷シネ・アミューズほかロードショー
(C)「水霊 ミズチ」製作委員会
公開初日 2006/05/27
配給会社名 0633
解説
それは人類滅亡の序曲か!?
200X年、命の水源はとてつもない何かに汚染された。
透明なる悪夢、滲み込む恐怖。
戦慄のアクアティック・ホラーに世界は凍える!!
この夏、呪いがしたたる。
地球の70%、人体の70%は水である。人間は水がなければ生きられない。もし、その水が死を招くとしたら? 神話の時代から、呪われた水は、“水霊(ミズチ)”や“死に水”と呼ばれ言い伝えられてきた。その水が、今わたしたちの生活する都市の水道水に混入してしまったとしたら? それを飲んだ者は異様なまでにのどが渇き、おぞましい幻覚を見続けてやがて自ら目を潰して死を迎える。はたして、呪いを解き、拡大する感染を阻止する方法はあるのか?
『リング』『着信アリ』『呪怨』に続く角川ホラー文庫の超人気作、田中啓文の「水霊」待望の映画化! 全編にちりばめられた壮絶なショック・シーンと呪いの謎に挑む緊迫したミステリー、そして明らかになるかつてなく壮大な恐怖と戦慄の全貌、ジャパニーズ・ホラーの最終兵器がここに誕生した!
東京都・西部エリア。井戸水を飲料水として利用しているその地域で謎の自殺事件が多発していた。新聞記者の戸隠響子は取材を続ける中、事件に“水”が関係していることを突き止め、水道局で水質分析の仕事をしている元夫の岡祐一に相談するが、事態は単なる汚染ではなかった。やがて、“水”をめぐる死と惨劇はさらに拡大、増殖し、原因不明の不安と恐怖が平和な街を包み込んでいくのだった…。
出演は、事件の謎を追う記者、響子に映画、テレビ、CMと幅広く活躍する『樹の海』『大停電の夜に』の井川遥、響子の元夫で水質分析の専門家、岡祐一に『ケイゾク』『最後の恋、初めての恋』など国際的にも活躍中の演技派、渡部篤郎、さらに「3代目なっちゃん」として人気を博した星井七瀬、ミスマガジン2004・読者特別賞受賞の山崎真実、ミス週刊少年マガジン2005の鈴木美生らの“スクリーミング・ギャルズ”たちが初々しくも恐ろしい絶叫演技を披露するほか、矢沢心、三輪ひとみ、柳ユーレイ、でんでんなどが脇を固める。
監督・脚本は、『ほんとうにあった怖い話 劇場版 怨霊』『日野日出志のザ・ホラー 怪奇劇場 第二夜〜オカルト探偵団 死人形の墓場』などを手掛けたジャパニーズ・ホラー界の新鋭・山本清史。また、プロデューサーに『ほんとにあった呪いのビデオ』の大橋孝史、撮影に『呪怨』『着信アリ2』の喜久村徳章、美術に『こっくりさん日本版』の井上心平、編集に『リング』『呪怨』の高橋信之など、ホラー界のスペシャリストが集結して究極の恐怖を盛り上げる。
あなたはもう、水を飲めなくなるかもしれない。
ストーリー
その頃、関東地方で震度3から4の中規模地震が頻発していた。
東京中央新聞の記者、戸隠響子(井川遥)は、取材のため訪れた武蔵野市の老人ホームで、“みずち”と書かれた紙切れを握り締め、ハサミで両目を潰して自殺した老人の死体を発見する。それが、彼女の悪夢の始まりだった。響子は、乳児の洋平を育てるシングル・マザーで、夫の岡祐一(渡部篤郎)とは洋平が生まれてすぐに離婚していた。
響子のもとに大西大学の助教授、杜川乙一郎(柳ユーレイ)が自殺したという知らせが届き、彼女は通夜に参列する。半年前、響子はある宗教団体が起こした事件のコメントを取りに杜川の研究室を訪ねていた。そのとき杜川は「黄泉」や「死に水」、「水霊(みずち)」と呼ばれる呪われた湧き水について研究していると話していた。杜川はその後、失踪してホームレスとなり、最後は自ら両目をえぐり出して自殺したのだった。そして、彼の手帳には何ページにも渡って「しにみすをのむな(死に水を飲むな)」という言葉が書き残されていた。
一方、清花高校では学生の謎の自殺が頻発していた。それは、ペンを自分の目に突き刺して自殺した矢沢弘美(鈴木美生)の死から始まった。彼女は、死の数日前からのどが異常に渇き、体がだるいという症状を訴えていた。その後、野田美里(山崎真実)も弘美と同じ症状が続いた後、恐ろしい幻覚に襲われ、割れた鏡の破片で目を潰して自殺してしまう。
響子の元夫、岡祐一は東京都水道局の多摩技術センターに勤務する水質調査の専門家だった。続発する変死事件が水と関係があると感じた響子は岡に水道水によって人間が発狂したり死んだりする可能性について尋ねるが、岡は日本の水道水の安全性を強調するばかりだった。
渚由美(星井七瀬)は、自殺した弘美と美里の親友だった。彼女も響子と同じく友人の死に、水が関連していると思い、水について調べている響子のもとを訪れた。だが、由美は響子からかつて面識のあった杜川が死んだことを聞かされると、突然取り乱し、その場から走り去ってしまう。由美の不審な行動が気になった響子は、由美の自宅を訪ねる。響子が由美の部屋の扉を開けたそのとき、由美はまさに首吊り自殺をする瞬間だった。間一髪、響子は由美の自殺を阻止して病院に運ぶが、由美は自ら両目に数十本のまち針を刺しており、失明は免れなかった。「どうして死なせてくれなかったんですか?」由美は恨めしそうに響子に言い残し、目の前で自分の首を捻って絶命した。
響子は調査の結果、自殺や変死事件が多発している場所が、「三鷹」「武蔵野」「調布」「昭島」「羽村」の地区に限定されていることを発見し、インターネットでその地域の共通点を探した。そして、地下水に恵まれたその地域では井戸から汲み上げられた水が水道用水として利用されており、消毒も最小限の塩素処理のみで“おいしい水”として有名であることを知るのだった。
響子はさらに、杜川研究室の助手、目黒彩(矢沢心)の助けを借りて多発する地震のデータを揃え、震源の中心地が“四方平(よもひら)”という地名の土地で、そこには東京の水源でもある四方平ダムがあることを発見する。響子の脳裏に、かつて杜川が彼女に尋ねたある言葉が浮かんだ。「黄泉比良坂(よもつひらさか)ってわかります?黄泉の沸く場所が黄泉比良坂なんですよ」
その地域では最近頻発する地震で水道水が濁り、土砂崩れによって古い遺跡が発見されていた。響子は事件の背景に、杜川の言っていた呪われた水、「死に水」が関わっていることに確信をもつようになっていった。
その頃、岡は自分の身に起こり始めた異変—のどが渇き、おぞましい幻覚に悩まされる—を認識していた。ついに彼も感染したのだ。彼は響子には隠していたが、変死事件への水の影響を一早く認知していたのだった。岡は大村医師(入江昌樹)に相談し、原因究明のため自分を生きたまま解剖して欲しいと頼む。大村の診察室で響子は、岡の遺言を撮影したビデオを発見、岡の解剖が四方平にある大村の実家の病院で行われることを知って彼らの後を追った。「死に水」の呪いはもはや手がつけられないほど拡大を続け、それを止める方法はまったく見つからなかった。
そして、さらに信じられない驚愕の事実が響子を待っていた…。
スタッフ
監督・脚本:山本清史
原作:田中啓文
撮影:喜久村徳章
照明:才木 勝
録音:岩丸 恒
美術:井上心平
キャスト
井川遥
渡部篤郎
星井七瀬
山崎真実
松尾政寿
入江昌樹
矢沢心
三輪ひとみ
鈴木美生
でんでん
柳ユーレイ
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