燃ゆるとき
守りたいんだ! 信じてくれた人たちを…。
2006年/日本/カラー/114分/ 配給:東映
2006年07月14日よりDVDリリース 2006年2月11日(土) 全国東映系ロードショー
(C)2006「燃ゆるとき」製作委員会
公開初日 2006/02/11
配給会社名 0004
解説
“M&A(企業の合併・買収)”や”リストラ”……そんなフレーズが日常的に使われるようになった現在の日本社会。企業がどんどんアメリカナイズされて行き混迷の度合いを深める中、忘れかけていた日本の男たち(企業戦士)の戦う姿を爽やかに描いた傑作映画が誕生した。
原作は、経済小説の第一人者・高杉良のベストセラー小説「ザ エクセレントカンパニー/新・燃ゆるとき」「燃ゆるとき」(角川文庫刊)。日本映画界に一大旋風を巻き起こした『金融腐蝕列島一呪縛一』以来、待望の映画化となる本作は、20世紀終盤にアメリカ市場という”戦場”に戦いを挑んだ実在の食品会社をモデルにした作品で、アメリカ大陸で日本のカップ麺を売るために歩んできた軌跡を描いた勇気と感動の物語。
主人公は、食品会社・東輝水産の資材担当の営業マン・川森潔。アメリカでのカップ麺の売り上げが頭打ちとなり、工場再生の指揮を執る任務を受け、単身渡米。現地従業員の一時的なレイオフ。旧態に凝り固まった営業担当や工場長など古株の社員との対立。そしてアメリ力人の嗜好に合う新たなカップ麺の開発。安くておいしいカップ麺を効率よく製造するための工場のスピードアップ化や新規オイルの導入……。川森の奔走や工場スタッフの努力の甲斐あって、新規開発された《チキン&レモンフレーバー》のカップ麺の評判は上々で、全米から注文が増えていった。しかし、工場が軌道に乗り始めた矢先、川森は現地で全幅の信頼を寄せていた女性部下からセクハラの嫌疑をかけられ、また、水面下では会社の買収工作という不穏な動きが発覚するなど波乱の連続。日本に残してきた妻の悩みや病気にかかった息子の問題も川森に襲いかかる。逆境の中、どう踏ん張り、どう乗り切るのだろうか一一一一。
川森潔を演じるのは今や名実ともに日本映画界を代表する俳優・中井貴一。アメリ力大陸でカップ麺を普及させるため、慣れない海外単身赴任の地で食品開発に力を注ぐ企業戦士を演じている。川森の妻・隆子役に大塚寧々が扮するのをはじめ、川森と共に戦う上司や仲間たちを鹿賀丈史、津川雅彦、伊武雅刀、長谷川初範、中村育二といった超豪華な顔ぶれが演じ、物語に奥行きと厚みをもたせている。
メガホンを取ったのは、今村昌平、長谷川和彦、相米慎二監督らに師事し、『シャブ極道』『竜二Forever』などで知られる細野辰興監督。真正面から男同士の友情と絆、そしてそれを支える家族愛を描ききり、骨太な作品に仕上げている。また、主題歌を提供したのはこれまで数々の名曲を生み出してきた小田和正。情感あふれる唄声が胸を揺さぶる。
築地市場に誕生した小さな食品会社が大企業に成長した理由とは?社員と経営者との揺ぎない信頼関係が働くものたちにどう影響を与えるのか?家族とは?そして仕事とは?数々の困難や逆境にも負けず新商品の開発と市場の拡大に命を賭けた男とそれを支え続けた家族、そして仲間たち。忘れかけていた日本の男たちの物語が、深い感動を呼び起こす!
ストーリー
戦後、東京・築地市場に誕生した小さな食品会社《東輝食品》は、即席麺・カップ麺を主力商品として、今や日本全国をマーケットにする大企業に成長し、20世紀終盤にはアメリ力大陸にも進出していた。しかし、アメリカでのカップ麺での売り上げは安価なアジア企業のカップ麺に押され売停上げが頭打ち、工場の再生が不可欠となっていた。そこで、現地法人《サンサン・インク》の社長・深井光司は、信頼をおく資材担当の営業マン・川森潔を日本から呼び寄せることに。
言葉の壁に不安を抱きながらも単身渡米した川森。カリフォルニア州にある《サンサン・インク》工場に到着した川森は、工場長・大村薫が自分たちの仕事場を「ここはまるでスラムだよ」と言うのを聞き撫然とする。工場には150人ほどの現地従業員がいて、多くのメキシコ人のほかアングロサクソン、アフリカ系などが混在していた。そして川森は着任早々厳しい現実を目にする。従業員を前に社長の深井がコストカットのため従業員を一時的にレイオフ(雇用調整)することを通告していたのだ。そして、企画販売会議では旧態に凝り固まった販売部門のマネージャー小田島武史や大村たちと意見が対立、険悪な雰囲気となる。
また、新商品開発でもひとつ難問が持ち上がる。これまで使っていた油とは違うアミーゴオイルを使用した試作品の味に川森も舌鼓を打つが、これだと価格が折り合わないという。意を決した川森は部下のキャサリンを連れて、精油会社社長マルケスがいるメキシカンバーを訪ね価格交渉をするが、けんもほろろに断られる。それでも「安く、うまい、ラーメンを作りたいんだ」と食い下がる川森は、キャサリンを帰し、マルケスとテキーラの飲み比べを開始。最後は意識を失い、ぶっ倒れた川森だが、その姿にマルケスも心を動かされ、2人の間に友情が芽生える。
高品質のアミーゴオイルを手に入れ、工場スタッフの努力の甲斐もあって新製品のカップ麺《チキン&レモンフレーバー》が完成。味の評判も上々で、全米から注文が増えていき、小田島が大量受注を受けてきたことをきっかけに、レイオフした従業員を呼び戻すことを決め、工場は一気に活気づく。
工場が軌道に乗り始め、すべてが1頂調に動き始めたかに思えた矢先、川森は全幅の信頼を寄せていたキャサリンからセクハラ嫌疑をかけられる。身に覚えのない告発にとまどう川森。川森の潔白を信じる深井は「裁判をすればいい」とかばうが、弁護士の「裁判自体が会社のイメージダウンになる」という言葉に社長として苦悩の表情を浮かべる。この間題と連動して、水面下でサンサンを買収しようする動きがあることも発覚。また、日本に残してきた妻・隆子の悩みや病気にかかった息子の問題も川森に襲いかかる。
この逆境の中、起死回生の道はあるのだろうか。
スタッフ
原作:高杉良
「ザエクセレントカンパニー/新・燃ゆるとき」
「燃ゆるとき」(角川文庫刊)
製作指揮:石畑俊三郎
エグゼクテイブプロデューサー:藤尾充
プロデューサー:鍋島壽夫・安倍夏彦
協力プロデューサー:貝原正行
脚本:鈴木智
監督:細野辰興
撮影:鈴木達夫
照明:熊谷秀夫
美術:愛甲悦子
録音:鴇田満男
助監督:猪腰弘之
編集:岡安肇
音楽:川崎真弘
主題歌:小田和正「そして今も」(BMGファンハウス)
キャスト
中井貴一
大塚寧々
長谷川初範
中村育二
木下ほうか
鈴木英介
佐藤一平
奈良橋陽子
矢島健一
サマンサ・ヒーリー
スティーヴン・グライヴス
ピーター・ケント
ジョン・ギブソン
津川雅彦
伊武雅刀
鹿賀丈史
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