原題:Rent

《ピュリッツァー賞受賞》伝説のブロードウェイ・ミュージカル──待望の完全映画化!

本国アメリカにて、2005年11月23日公開

2005年アメリカ映画/ドルビーSRD/シネマスコープ・サイズ/2時間15分/日本語字幕:稲田嵯裕里 レボリューション・スタジオ、1492ピクチャーズ、トライベッカ・プロダクション提供/RENT/ オリジナル・サウンドトラックCD:ワーナーミュージック・ジャパン 配給:ブエナ ビスタ インターナショナル(ジャパン)

2007年06月22日よりDVDリリース 2006年10月04日よりDVDリリース 2006年4月29日、Bunkamuraル・シネマ、東劇ほか全国順次ロードショー

© Sony Pictures Digital Inc. All Rights Reserved Motion Picture © 2005 Revolution Studios Distribution Company, LLC © Columbia Pictures Industries, Inc. All Rights Reserved

公開初日 2006/04/29

配給会社名 0069

解説


52万5600分 ──1年を計る基準は何?
昼 夕焼け 深夜 飲んだコーヒー
インチ マイル 笑い ケンカ…
52万5600分という時間 ──
人生の1年をどうやって計る?
(“SEASONS OF LOVE”より)

そのミュージカルは、上演前からすでに“伝説”となることを運命づけられていた──。脚本、作詞、作曲を手がけたジョナサン・ラーソンが、プレビュー公演の前日に35歳の若さで死亡するという波乱の幕開け。1996年2月にニューヨークのダウンタウンにある小劇場で初演されるや否や、センセーショナルなストーリーと、ロックをベースとしたドラマティックな音楽が瞬く間に話題を呼び、たった3ヵ月でブロードウェイの大劇場へ進出。その後、演劇界のアカデミー賞と称されるトニー賞を始めとする各演劇賞を総なめにし、さらにミュージカルとしては異例となるピュリッツァー賞をも受賞。そして今、その“伝説”は待望の映画化によって、新たなる輝きを放つ。

1989.12.24〜1990.12.24──ニューヨーク、イースト・ヴィレッジを舞台に繰り広げられる1年間の物語。そこに、傷だらけの愛や夢を抱えた若き芸術家たちがいた。ロジャー(アダム・パスカル)は、かつて人気ロックバンドの一員として活躍していたミュージシャン。しかし、ガールフレンドの自殺と自身の“病気”によって精神的に打ちのめされ、今ではロフトの自室に引きこもりの状態。階下に住むエキゾチックなダンサー、ミミ・マーキーズ(ロザリオ・ドーソン)に惹かれるものの、彼女との恋愛に踏み出せずにいた。ロジャーのルームメイト、マーク(アンソニー・ラップ)は芸術と商業性とのバランスに悩むドキュメンタリー映像作家。彼のガールフレンドのモーリーン(イディナ・メンゼル)は、自由奔放なパフォーマンス・アーティストで、最近マークを捨て、女性弁護士のジョアンヌ(トレーシー・トムズ)の下へ去ってしまった…。
クリスマス・イブの夜。彼らのロフトに遊びに来た、哲学教授トム・コリンズ(ジェッセ・L・マーティン)は、強盗に襲われたものの、後にソウルメイトとなるエネルギッシュなストリート・ドラマーでドラッグ・クィーンのエンジェル (ウィルソン・ジェレマイン・ヘレディア)に救われる。そしてもうひとり、ロフトにやってきた望まれぬ客──それは、家賃(ルビ:RENT)の催促にやってきた、ベニー(テイ・ディグス)だった。彼はかつてロジャーやマークのルームメイトだったのに、資産家の娘と結婚し付近の土地の所有者となってからというもの、彼らに立ち退きを迫るようになった。ベニーが言うには、彼は若き芸術家たちが自由に音楽や映画を作れるような、マルチメディア・スタジオを作ろうとしているとのことだが、それには“ある条件”があった…。

1830年頃のパリの下町が舞台であるプッチーニのオペラ“ラ・ボエーム”をベースにし、脚本家ジョナサン・ラーソンは、その舞台を1980年代末のニューヨーク、イースト・ヴィレッジに置き換え、これまでのブロードウェイ・ミュージカルの歴史にないようなリアル且つドラマティックな物語を書き上げた。そこに描かれる若き芸術家や恋人たちは、日々様々な問題に直面している──貧困、犯罪、エイズ、ドラッグ、同性愛、友の死…。しかし、たとえ死と隣り合わせの孤独や絶望の淵にあっても、愛や友情を信じ、夢に向かって懸命に生き抜くその姿は、美しいバラードからロック、R&B、ゴスペル、タンゴまで次々と繰り出されていくバラエティ豊かなミュージカル・ナンバーに乗せられ、生き生きと感動的に描き出されている。
「『RENT/レント』は若い人たちにとって代弁者なのだと思う」と、映画でミミ役を演じたロザリオ・ドーソンは語る。「何故多くの人がこの作品に夢中になるのかというと、彼らの伝えようとすることを要約しているから。『RENT/レント』は因習的なものから抜け出そうとする若者たちの挑戦心を語り、そしてどのように人生を見極めようとしているかを語り・・・彼らにこう発言させるの——“これはまさに私自身なんだ”って」。

現在もなおブロードウェイでロングラン上演が続き、世界中で翻訳された各国語版も大ヒットを記録する中、ミュージカル初演時のメイン・キャストに『シン・シティ』(05)での衝撃的な演技で観客を魅了したロザリオ・ドーソンらを加え、名優ロバート・デ・ニーロが製作、「ハリー・ポッター」シリーズのクリス・コロンバスが監督を務め、見事に完全映画化された。この春、「“いつか”ではない“今日”を生きる──No day but today」という世代を超えた普遍的なメッセージが、日本中に勇気と感動を与える。

ストーリー



未来なんてない 過去なんてない この瞬間を生きるだけ
自分しかない 今しかない 後悔してると 人生を逃してしまう
ほかに道はない 方法もない ──あるのは今日という日だけ
(“Another day”より)

クリスマス・イブの夜。ルームメイトのロジャー(アダム・パスカル)とマーク(アンソニー・ラップ)は、家賃を滞納し電気も暖房も止められた、イースト・ヴィレッジにある古いロフトの一室にいる。ロジャーは、かつて人気ロックバンドの一員として活躍していたが、エイズを苦にガールフレンドが自殺して以来、曲を書くことができずロフトに引きこもりの状態だ。彼の身体も、HIVウィルスに侵されていた。一方、ドキュメンタリー映像作家を目指すマークは、パフォーマンス・アーティストとして活動するガールフレンドのモーリーン(イディナ・メンゼル)に最近フラれたばかり。しかも、彼女の新しい恋人は女性だという…。
そんな彼らに電話を掛けてきたのは、ふたりの親友で哲学教授のトム・コリンズ(ジェッセ・L・マーティン)。しかし、彼は電話を終えた後、強盗に襲われてしまう。代わりにロフトを訪れたのは、家賃の催促に来たベニー(テイ・ディグス)だった。彼は元々ロジャーやマークのルームメイトだったのに、資産家の娘と結婚し付近の土地所有者となってからというもの、彼らに立ち退きを迫るようになり、今ではロフトに住む者たちの敵とみなされている。しかし、ベニーはベニーで、ロジャーやマークのような若き芸術家たちが自由に音楽や映画を作れるようなマルチメディア・スタジオを作ろうとしていたのだ。
そして、その夜もうひとり、ロジャーを訪れた客がいた。階下に住むエキゾチックなダンサー、ミミ (ロザリオ・ドーソン)が、ロウソクの火を借りに部屋へやって来たのだ。彼女に元恋人の面影を見出し、心惹かれるロジャー。しかし、自身の抱える病気を理由に、なかなか新たな恋に踏み出すことができない。そして、自殺した元恋人と同様、彼女が麻薬中毒者であることに気付いていた…。その頃、強盗に襲われ路上で負傷したコリンズは、ストリート・ドラマーでドラッグ・クィーンのエンジェル (ウィルソン・ジェレマイン・ヘレディア)に助けられていた。彼らはお互いがエイズという病気を抱えて生きていることを知り、すぐさま運命的に恋に落ちた。

明くる日の、クリスマス。ベニーの進める“ホームレス立ち退き計画”に抗議するため、モーリーンが行うパフォーマンス・ライブ会場に、マークは来ていた。しかし、そこにはまだモーリーンの姿はなく、彼女の現恋人である女性弁護士のジョアンヌ(トレイシー・トムス)がいるばかり。モーリーンの自由奔放な行動に振り回されっぱなしのふたりは、マイクのセッティングをしながら、いつしか彼女の悪口で盛り上がる。一方ロフトでは、ロジャーの前に再びミミが現れ、「今日を楽しまなきゃダメよ」と彼を連れ出そうとする。一度は冷たく追い返したロジャーだったが、やがて外へ出ることを決意し、コリンズやエンジェルが参加しているエイズ患者のための“ライフ・サポート”に参加する。
モーリーンの抗議ライブは、ベニーが呼んだ警官隊によって不本意な終わり方をしてしまう。その後、若きアーティストたちの溜り場“ライフ・カフェ”に集合した、ロジャー、マーク、コリンズ、エンジェル、モーリーン、ジョアンヌ、ミミ。彼らはベニーの姿を見つけると、自由に生き続けるボヘミアンとしての誇りを激しく歌い上げた。するとその時、ロジャーとミミのベルが同時に鳴り出した。それは、抗エイズ薬の時間を知らせるためのベル。ミミもまたロジャー同様HIVに感染しているのだった。彼らはお互いの気持ちを正直に伝え合い、優しいキスを交わし恋人同士となる。

大晦日。ロジャーとマークたちが住むロフトは、ベニーによってついに封鎖されてしまった。鍵をこじ開け何とか部屋に侵入したものの、彼らの荷物は全て外に運び出されてしまう。家賃を払うために、マークは自らが撮影したフィルムをワイド・ショーに売ることにする。しかし、フィルムが認められ売れたことを喜ぶ気持ちと、“芸術家としての魂を売った”という複雑な気持ちにマークの心は揺れていた。
そして、マークを取り巻く友人たちの環境も変わりつつあった。モーリーンとジョアンヌは結婚を決意したものの、お互い価値観の違いに口論が絶えない状態。ロジャーはミミの部屋で暮らし始めたが、彼女の元恋人のベニーへの嫉妬心と彼女を蝕んでいく麻薬への嫌悪が、二人の心の距離を広げていった。さらに幸せに暮らしていたカップル、コリンズとエンジェルの前には“死”という名の恐るべき影が忍び寄っていた…。

スタッフ

監督……………………クリス・コロンバス
製作……………………ジェーン・ローゼンタール
ロバート・デ・ニーロ
クリス・コロンバス
マーク・ラドクリフ
マイケル・バーナサン
台本/作詞/作曲……ジョナサン・ラーソン
脚本……………………スティーヴン・チョボスキー
製作総指揮……………ジェフリー・セラー
ケヴィン・マックコラム
アラン・S.ゴードン
ラタ・ライアン
共同製作総指揮………トム・シェラック
共同プロデューサー…ジュリー・ラーソン 
撮影監督………………スティーヴン・ゴールドブラット,ASC, BSC
編集……………………リチャード・ピアソン
衣装デザイン…………アギー・ゲラード・ロジャース
プロダクション・デザイン……ハワード・カミングス

キャスト

ミミ……………ロザリオ・ドーソン
ベニー…………テイ・ディグス
エンジェル……ウィルソン・ジェレマイン・ヘレディア
コリンズ………ジェシー・L.マーティン
モーリーン……イディナ・メンゼル
ロジャー………アダム・パスカル
マーク…………アンソニー・ラップ
ジョアンヌ……トレイシー・トムス

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