原題:KARAOKE

2005年/日本/カラー/113分/ 配給:エクセレントフィルム、リベロ

2005年5月14日よりワーナー・マイカル・シネマズ板橋、東岸和田ほか全国ロードショー

©2005 GP・GATE/グランプリ

公開初日 2005/05/14

配給会社名 0019/0223

解説



映画「KARAOKE −人生紙一重−」は、明日を夢見る若者の七転び八起きの青春サクセスストーリー、そして子から父への応援歌だ。今や世界の夜を席捲した「カラオケ」。その開発の陰には、意外な事実と感動的な人間模様があった…。映画は、大下英治の原作がベース。カラオケを開発して大衆に拡げ、さらにはタイム誌で「今世紀もっとも影響のあったアジアの20人」として、ガンジー、毛沢東、昭和天皇とともに選ばれることにもなった井上大佑の半生を、魅力溢れるキャストで描いている。
主な舞台は1960年代後半〜70年代の神戸、大阪。楽譜も読めないのにロカビリーに憧れ、“お嬢様”に恋した大佑。失敗しても自らを信じて夢を追い、ひたむきに走り続ける主人公の熱い姿が軸になる。そこへ家族や夫婦愛、友情、そしてどん底に落ち込んでも這い上がる“親父”たちの姿が重なり合う……。それは時には寓話のように、そして世相を反映する過酷な出来事も豊かな情感とともに織り成され、涙と笑いを誘う。「星影のワルツ」、「こまっちゃうな」などの当時のヒット曲も楽しい。
主演の井上大佑役に、ドラマのみならず、自らもLIVのアーティスト名で音楽活動にも積極的な押尾学。(エンディングテーマ「光陰」は、歌唱・作詞・作曲を担当)。人の評価を気にせず、独自の生き方を全うする気さくで無鉄砲な主人公を魅力的に演じる。大佑が恋をするお嬢様、後に大佑の一番の理解者となる妻・洋子役には、吉岡美穂。清純でおっとりしたお嬢様と、胆の据わった妻の両方を演じ分ける。大佑の父親役の宇崎竜童、母親役の室井滋、くじけぬ“親父”パワーを体現する高田純次、そして小沢仁志、間寛平、蟹江敬三といった個性的な豪華俳優陣が脇を固め、さらには、“理想の親父”星野仙一が冒頭とラストのナレーションを担当。さらに、大佑の心に感銘を与える歌手役で千昌夫が特別出演し、スパイスを効かせる。また、大佑と苦楽を共にした我が子のような愛犬・ドン兵衛の存在も、ほのぼのとした暖かみをかもし出し、映画のテーマを語っている。監督は「修羅の群れ」(02)の辻裕之。
カラオケで歌えば、ストレス発散、明日への元気が生まれるように、映画「KARAOKE−人生紙一重−」は、人生に勇気を与えてくれる。

ストーリー


大阪。お好み焼き屋の息子・井上大佑(押尾学)はロカビリーに憧れ、音楽で身を立てることを決心。父のコネでやっと入った証券会社を勝手に辞める。父・栄二(宇崎竜童)の激怒もどこ吹く風、大佑はハワイアン・バンドのドラムのテストを受け、ボーカル志望で来ていたお嬢様・村岡洋子(吉岡美穂)に一目惚れする。
二週間後、早くも大佑は洋子にプロポーズすることを決めていた。運命のデートの日、洋子は忠雄の妨害にあって来られない。雨の中、洋子を待ち続ける大佑…。洋子を諦め、愛犬のドン兵衛を連れて音楽の武者修行に出ようとする彼に、憎まれ口を叩きつつ栄二が餞別代りにと3万円を差し出す。
 キャバレー、クラブ…。仕事にありつけない日々。空腹で路上に倒れ込んだ大佑は、人気歌手の千本木昌夫(千昌夫)に拾われ、一年間リサイタルの司会を務める。自分には千本木のように人に勇気や喜びを与えるものがないと痛感した大佑に、千本木は言う。「そろそろ、君も君だけの宝物を捜しに出かける頃じゃないかな」
家を出てから三年、大佑は洋子の見合いを知りその場に駆けつけた。「落ちこぼれの負け犬の君が、どうやって洋子を幸せにできるんや!」と怒る洋子の父の言葉に、「洋子はんの傘になります」と宣言する大佑。
そんなとき、父・栄二の親友、坂本(ベンガル)が自殺した。吸収合併によるリストラを任され、部下の就職斡旋に駆けずり回ったあげくに、自らも辞表を出した三日後だった。一方、もうひとりの栄二の親友で証券会社のエリートだった遠藤(高田純次)は、家庭を顧みないつけが回り妻と息子に見捨てられた挙句、まさかの辞令…。絶望の中、一人町をさまよう。
一方、大佑と洋子は狭いアパートで新婚生活を開始。洋子は、貧乏でも心の通う幸せを感じていた。楽器教則本の訪問販売に失敗し、オルガンの弾き語りに商売変えした大佑。ある日、音痴の鉄工所社長・佐倉(小沢仁志)の、外れたキーやテンポに合わせた伴奏が大ウケ。楽譜を読めないのがかえって幸いする。
苦楽を供にした我が子のような愛犬・ドン兵衛がひと声鳴いて息を引き取る。いつまでも虚脱状態の大佑を「ウチを幸せにしてくれる、傘になってくれるんやなかったん?」と洋子は涙ながらに叱咤する。 
 大佑はテープに伴奏を吹き込み、株主招待旅行に出発するという佐倉に渡す。旅先で拍手喝采を浴びた佐倉は、興奮して他の曲もテープに入れて欲しいと言い出す。大佑の頭にひらめくものがあった。電気店に駆け込み、ミニアンプやカーステの改造を頼み込む。数日後、数台の機械が完成した。8トラックとジュークボックスが組み合わさったような、キーが自在に変えられる、融通のきくオーケストラ「8ジューク」。「カラオケ」の誕生だった。
大佑は、スナックやバーにそれを置いてもらう。自ら歌ってみせる洋子の懸命のアピールにも関わらず、ジュークボックスの不良品と思われてクレームの嵐…。そんなある夜、失意の大佑の耳に「8ジューク」で歌っている歌声が届く。売り払われた「8ジューク」が、おでんの屋台で活躍していたのだ。「8ジューク」の人気はまたたく間に神戸、大阪で爆発。鬱病だったバンド仲間の崎守までが、カラオケで楽しそうに歌い始めた。カラオケの怒涛のような普及が、世界へ向けて始まった!

スタッフ

製作:北側 雅司 
企画:北側 司 
原作:大下 英治 
プロデューサー:鹿糠 雅博/佐藤 敏宏 
監督:辻 裕之
脚本:石川 雅也/伊藤 秀裕/佐藤 敏宏 
キャスティング・プロデューサー:内藤 三郎 
音楽:遠藤 浩二 
主題歌:「光陰」LIV(UNIVERSAL MUSIC)
撮影:小松原 茂 
照明:白石 成一 
録音:西岡 正巳 
美術:山? 輝/大庭 勇人 
編集:金子 尚樹 
VE:谷川 克己 
助監督:佃 謙介 
制作担当:斎藤 健志

キャスト

押尾 学
吉岡 美穂
宇崎 竜童
室井 滋
小沢 仁志
ベンガル
梅津 栄
山田 麻衣子
貫地谷 しほり
高田 純次
千 昌夫(特別出演)
間 寛平
蟹江 敬三
星野 仙一(元・阪神タイガース監督)…声の出演

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