原題:OWLS'CASTLE

時代と戦え。 篠田正浩が世界に放つエンターテインメント大作

☆みちのく国際ミステリー映画祭'99出品作品::http://www.lantecweb.com/mystery/index.html

1999年日本映画/138分/カラー/配給:東宝

2007年07月21日よりDVDリリース 1999年10月30日より東宝邦画系にて公開

公開初日 1999/10/30

配給会社名 0001

解説

忍者とはフクロウの如き存在。人の虚の中に住み、五行の陰の中に生き、しかも他の者と群れずただひとり生きるもの。ある忍者に命じれられた大胆な計画があった——太閤秀吉暗殺。  伊賀随一の忍者・葛籠重蔵(中井貴一)は、織田信長によって一族を惨殺された怨念と、忍者としての生きがいをかけて秀吉暗殺という密命に情熱を燃やす。 
重蔵に近付く謎の女忍者・小萩(鶴田真由)。敵か味方か 正体の定かでない女に激しい愛情を抱く重蔵。小萩もまた出会った瞬間から、この恋が生涯に一度の命をかけたものになる予感を覚える。 
重蔵の前に立ちはだかった、かつてのライバル風間五平(上川隆也)。重蔵を上回る腕を持つ忍者だった五平は、下忍という身分を嫌い、組織で戦う忍者よりも、武士として立身出世を望んだ野心家だ。己に生きるか、組織に死すか——出世の手段として重蔵を捕らえることに執念を燃やす。
女忍者・木さる(葉月里緒菜)は五平の許嫁だったが、重蔵への想いを捨て切れないでおり、重蔵のためなら命を捨てる覚悟さえする。 
重蔵と五平との技の限りを尽くした対決、甲賀忍者との死闘、吉野山の薪能での暗殺未遂、そして秀吉の居城・伏見城に重蔵は忍びこんだのだが……。
天下人・秀吉暗殺計画と絢爛華麗な安土桃山時代を背景に、<梟>のごとき忍者として生き抜く男・重蔵と、彼を愛するふたりの女、対照的な男同士の対決 ——4人の男女の生きざまを、圧倒的なスケールで描く、手に汗にぎるスリリングなエンターテインメント大作が「梟の城」だ。

ストーリー

天正9年(1581年)9月、織田信長が伊賀を攻めた。伊賀忍者の忍びの術で、謀略をほしいままにされることを嫌い、5万の軍勢を投入、伊賀全土を焼き払い、大虐殺を行った。それから10年、時は太閤秀吉の天下である。嫡男・鶴松が3歳で死に、養子・秀次の謀反の中、秀吉は朝鮮半島に数万の兵を出兵させた。
葛籠重蔵——伊賀の乱で辛くも生き残ったひとりである。伊賀随一の忍者だったが、今は山中で独り無為の日々を送っていた。重蔵のもとへ、かつての師匠・下柘植次郎左衛門がやって来る。次郎左衛門は堺の豪商・今井宗久から金で請け負った任務を与える。その任務とは——太閤秀吉暗殺。重蔵はかつての仲間や肉親たちを殺した信長への怨念を、時の権力者・秀吉に重ね合わせるように、その任務を引き受ける。
秀吉暗殺を企てたのは徳川家康だった。秀吉の猜疑心と狂気を目の当たりにして、次の天下を狙う家康と、秀吉の世になり利益の薄くなった今井宗久ら堺の商人の思惑が一致した末の策謀である。
京へ向かう重蔵に接近する謎の女・小萩。宿の遊女に化けたこの女は何者か。不審を抱きながらも女を抱く重蔵。女が今井宗久の養女ではあるが、家康の腹心・服部半蔵にマインド・コントロ−ルされ、秀吉暗殺計画の裏で暗躍していることは、後に知ることになる。そして出会った瞬間から抱いた激しい恋心が、生涯に一度の命をかけた恋になるとは、小萩も重蔵もここでは気付かない。
京。五条河原の芝居小屋で、見事な綱渡りの曲芸で喝采を浴びる女がいる。次郎左衛門の娘、女忍者・木さるである。重蔵に仕える忍者たちは軽業師の集団に化け、密かに京に結集していた。重蔵の腹心の下忍・黒阿弥は刀の研ぎ屋を構え、暗殺に備えている。伊賀者の集団は盗賊団となって京の夜を荒らし、民衆を攪乱し、秀吉暗殺のチャンスを図っているのだった。
伊賀者の盗賊団を執拗に阻止しようとする京の奉行所の隠密——下呂正兵衛と名乗っているが、かつては伊賀者で、重蔵と同じく下柘植次郎左衛門の弟子だった風間五平である。重蔵より腕が上と評された五平は、下忍という身分を嫌い、組織で戦う忍者よりも、武士として立身出世を目指す道を選んだ野心家だ。五奉行のひとり、前田玄以に仕えており、玄以は重蔵を捕らえることを条件に、五平の出世を約束していた。
聚楽第の大屋根。夜空にすべての瓦が金箔で輝いている。小萩に呼び出された重蔵が姿を現すと、そこには五平がいた。片や大屋根の下で眠る館の主・秀吉の命を狙う者。片やそれを阻止し捕らえることを己の出世の手段にする男。十年振りに再会するかつてのライバルふたりの戦いが始まった。
木さるは、伊賀の乱の時はまだ6歳の子供だった。重蔵と五平と共に育ち、五平の許嫁となった。五平の裏切りを知り、彼を殺そうとするが、反対に五平に手なずけられ、武士の妻として生きる淡い期待を抱くようになる。しかし心は幼い頃から慕っていた重蔵へ帰っていくのだった。
重蔵に襲いかかるもうひとりの敵が甲賀の総帥・摩利支天洞玄だった。前田玄以は伊賀出身の五平だけではなく、甲賀者にも重蔵抹殺を命じたのだ。洞玄自身も伊賀壊滅を目論み、執拗に京に潜む伊賀者を次第に追いつめていく。
その頃、秀吉は朝鮮出兵の指揮を執るため、九州の名護屋城に出陣した。その宴席で、淀君の懐妊を察する家康。世継ぎが出来れば豊臣家は安泰、大名たちの謀反も期待できなくなる。慎重を期する家康は、暗殺中止を判断、計画を知る者を抹殺するよう服部半蔵に命じた。重蔵に新たな敵が増えることになる。
小萩から暗殺計画の中止を知らされる重蔵。しかし重蔵は、この密命はもはや依頼された仕事ではない、忍びの生き甲斐だ、と己の意志で計画を遂行する決意だった。太閤暗殺は忍者・重蔵自身の生きる目的ともなっていた。
待望の世継ぎ誕生の喜びと、豊臣家の栄華の輝きを天下に誇示しようと、秀吉は吉野山に大掛かりな桜見物にでかけた。無類の能好きの秀吉は、吉野の帰り道に高野山に立ち寄り、能を舞うという。それを絶好の機会と、重蔵は能役者に化け秀吉に接近する。が、突然の豪雨で上演が中止となり、失敗に終わってしまう……
一方、洞玄が重蔵に迫ってきた。腹心の黒阿弥はじめ伊賀者は次々と洞玄の手で殺されてしまうが、秘術を尽くした攻防の末、重蔵はついに洞玄を倒すことに成功する。しかしその時、潜んでいた五平が投げた毒の塗られた小柄を太腿に受け、瀕死の状況に陥る重蔵——助けたのは小萩だった。献身的な小萩の看病により、重蔵は一命を取り止める。
服部半蔵の追っ手から逃げて共に暮らすことを提案する小萩に、、「生きていたら、必ず戻る」と言い残し、重蔵は秀吉の居城・伏見城に向かう。
深夜の伏見城。警備の網をくぐり抜け、重蔵は秀吉の寝室に至ったのだが……

スタッフ

監督:篠田正浩
製作統括:羽佐間重彰
プロデューサー:角谷 優、鯉渕 優
原作:司馬遼太郎「梟の城」新潮文庫刊
脚本:篠田正浩、成瀬活雄
撮影:鈴木達夫
美術:西岡善信
音楽:湯浅譲治
衣裳:朝倉 摂
録音:瀬川徹夫
照明:海野義雄
編集:吉田 博
助監督:浜本正機
時代考証:高津利治
能指導:観世榮夫
散楽指導:茂山千之丞
茶の湯指導:尾関南山
美術アドバイザー:浅葉克己
SFXスーパーバイザー:川添和人
アクションアドバイザー:毛利元貞
企画:松前洋一
協力:JR東海、JR西日本、みろくの里、C.A.L、映像京都
製作プロダクション:表現社
製作:「梟の城」製作委員会
フジテレビ 東宝 任天堂 平和 産経新聞 ニッポン放送 ポニーキャニオン
サンケイリビング新聞 イマジカ
配給:東宝

©1999 「梟の城」製作委員会

キャスト

葛籠重蔵:中井貴一
小萩:鶴田真由
木さる:葉月里緒菜
風間五平:上川隆也
摩利支天洞玄:永澤俊矢
服部半蔵:根津甚八
下柘植次郎左衛門:山本 學
黒阿弥:火野正平
前田玄以:津村鷹志
豊臣秀吉:マコ・イワマツ
雲兵衛:筧 利夫
石田三成:花柳錦之輔
上野弥兵衛:若松武史
老女 楠:馬渕晴子
淀君:田中伸子
今井宗久:小沢昭一
徳川家康:中尾 彬
葛籠太郎兵衛:中村敦夫
北政所:岩下志麻(特別出演)

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